東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、前回は引き続き南アフリカなんですけども、竹中先生の話をちょっとしたんですけども、一方であとはヨハネスブルグではどういったことをされていたんですか?
森辺:アフリカン・リーダーシップ・アカデミーというところを訪問していて、それはどういうところかというと、プレトリアだったかな、これは違う…、そうですね、そのアフリカン・リーダーシップ・アカデミーというのは、アフリカって54カ国あるんですけど、その54カ国から優秀な学生が奨学金などで集められて、南アフリカのアフリカン・リーダーシップ・アカデミーというところで英才教育を受けていると。未来のアフリカのリーダーをつくり上げるというのがその学校、アカデミーの最大のミッションで。それは政治的なリーダーというのも当然そうなのかもしれないんですけど、経済的なリーダー、そこはもう起業塾さながらのあれで、学生の間に事業を起こさないといけないという、そんな課題が与えられていてものすごい。
東:結構厳しいハードルですね。
森辺:厳しいハードルで。全寮制でお金持ちの子は300万ぐらいの学費を払わされる。けど、一方で貧困層は学費が免除されるとかそんなかたちでものすごく高い教育を受けていて、素晴らしいところでしたね。米倉先生なんかもすごい感動していて、アフリカン・リーダーシップ・アカデミーかな、アフリカン・リーダーシップ・アカデミー、これは本当に見に行ってよかったなという、そんな。
東:それはあれですか、ビジネススクール的な話になっているんですか、それとも国が何か主催してやっているのか。
森辺:国がアフリカの次世代のリーダーを育てるための、いわゆる中高等教育。
東:中高等。
森辺:中学生高校生ですよね。そういう時期から育てていくというのをやっていて、そんなのに。
東:それは、じゃあ、学校、中等教育高等教育とは別に学校があるのか。
森辺:中等教育高等教育自体が。
東:自体がそういうことになっているんですね?
森辺:うん。だから、中高の教育がリーダーを育てるための教育になっているという。だから、一般的なその教育課程というのかな、そういったものもやりながらリーダーとしての素養素質を磨いていくという、そういうことだと思うんだけども、すごく面白かったですね。あと、面白かったのはプレトリア大学の中の取り組みで。ベンチャーの企業を支援するような取り組みがあるんですけど、高齢者ベンチャーみたいな、何て言ったらいいのかな、おばちゃんなんですよ、普通の、50代ぐらいの、なんだけども事業意欲が強くて、Airbnbみたいな事業をアフリカで小さくやっているんですよ。なんだけど、おばちゃんだから、やる気は満々にあるんだけどもいまいち空回りしちゃっているところがあって。けど、そのAirbnbとまでは言わないけどもそれに近いようなことを必死でやろうとしている中でこのプレトリア大学の一部のクラスなり、一部の教員がそのお母さんの事業を後方支援するという、そんな取り組みをしているところがあって、そのお母さんの発表を聞きに行きましたけども、ものすごいローカライズAirbnbみたいな。
東:それは対象は誰なんですか?
森辺:対象は旅行者と学生なんだけども、お母さんとしてはプレトリア大学の学生を自分が持っている不動産に誘致してというところから始まったんだと思うんですよ。けど、それをもっと拡大をしたいと言うので、でも、お母さんがAirbnbのビジネスモデルを知る余地なんてないじゃないですか。
東:ないですね。
森辺:だから、そういうことをプレトリア大学の学生なり教員なりがお母さんに教えて、じゃあ、そうなるために。
東:どうするべきかみたいな?
森辺:どうするべきかみたいな。ただ、あんまり飛躍したようなことをお母さんにやれと言ってもあれなので、少し小さなというか、だいぶ小さなAirbnbを地域限定でやるみたいな、そんなこととか。あと、銀行にお金を借りるにしたって、エントリーフォームじゃないですけどフォーム1枚書けないわけですよ。だって、そんなお母さん読み書き習ったこともないし、そういうものを支援するというところから始まったんだと思うんですけど。そういうちょっとわれわれがよく目にするフィンテックとかシリコンバレーとか、そういうところのベンチャーとはだいぶ違ったベンチャーも見てきたかなという。でも、面白かったですね。
東:なるほど。
森辺:そんなのを見て、その夜にブッチャーズグリルで竹中先生と合流して一緒にご飯食べて、竹中先生のお話を。あれは参加者本当に喜んでいましたね。だって、テーブルの目の前とか横に座りながら竹中先生にいろんな質問をしているわけですよ。それが目的で「竹中先生来てくださいよ」って米倉先生が頼んでくださって来られていたので、皆さんいろんな質問をして、僕も端から「おい、そんなこと聞くなよ、お前は」と思いながら。
東:ちなみに、ちょっとかいつまんででいいんですけど言える範囲でどんな質問を?
森辺:いやいや、だから、小泉政権時代のこととか郵政民営化ってどうだったんですか的な話とか。
東:なるほど。そういう結構突っ込んだ。
森辺:「小泉さんってどんな人ですか?」とかその辺だったらいいんですけど、「平ちゃんって呼んでいいですか?」とか。「呼んでいいわけねえだろ、この野郎」と思いながら。アホな学生が言っていましたけどね、でも、「いいですよ」って言って、「平蔵先生、優しいな」と思って。でも、たぶん腹の中じゃ「だめに決まってんだろ」と思っていたかもしれないけどもね、そんなのをして。こっちとしては、一応僕はツアーの副団長ですからハラハラしながらしていましたけど。でも、みんなすごく楽しんでいたんじゃないかな。やっぱり偉い人というのは人徳がありますよね。頭がいいのはさることながら人間としての器がデカい。だから、ものすごくいい旅になったんじゃないかなと思うんですけどね。
東:分かりました。森辺さん、今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。
<終了>