東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは。森辺一樹です。
東:では、森辺さん。ちょっと私も久しぶりなんですけれども。
森辺:めちゃめちゃ久しぶりだよ。その緊張報告からしないと。「東さん、おかえりなさい」ってことなんだけども。どうしたんですか、突然出てきて。
東:どうしたんですかね。ちょっと出ろと言われたんで。●(2:25)から。
森辺:いやあ、リスナーの皆さん、すみません。先日、とあるセミナーでですね、1回目からこの番組を楽しみにしてくださってるっていうリスナーの方にお会いして、わざわざセミナーの中挨拶に来られてね。「東さん、やめたんですか?」に、近いようなことを言われるもんですから、「いや、いますよ」と。「取締役でいますよ」と。で、「もう時間がなかなか無いので、私のアシスタントの小林がナビゲーターを務めてるんですよ」って、そんな話をしてて。たまたま今日、東を捕まえることができましてですね、ナビゲーターをお願いしたという、そんな経緯で。よろしくお願いします。
東:よろしくお願いします。じゃあ、森辺さん。前回に引き続きなんですけど、Podcastの500回記念セミナーで、大石先生にご登壇いただいて、「森辺一樹のグローバル・マーケティング500回記念セミナー」ということで、1部・2部に分かれて、2部に大石先生と色々と議論していただいたと思うんですけど、その中で、リスナーさんというかセミナーに参加された方から質問が出ているので、それをシェアしたいと思いますと。あるメーカーの方からの質問で、アジア新興国で、eコマースの出現で、MT・TTっていうのは無くなるんですか?と。その際に、企業はどんな戦略を練る必要があるんですか?みたいなことを質問受けたと思うんですけど。この辺に関しては、無くなりはしないと思うんですけど、どういう回答なのかっていうのを、皆さんにシェアいただきたいんですが。
森辺:eコマースの出現で、MT・TTがどうなるか?っていうところでいうと、中国とASEANをまず分けた方がいいと思うんですよね。eコマースに関しては中国は特殊な市場で、国がその市場を率先して支援をしてきたっていう関係があって、外資を徹底的に、所謂規制業種にして入れてこなかったっていうこともあって、中国のeコマースの会社、インターネットの会社が著しい成長をしてきたっていうのが、この過去10年とか15年だと思うんだけども。そんな中でいうと、中国ではMTの比率がもう6割まできてて。それでも4割ぐらいは、3割4割はTTが残っているっていう。リアルだけで見ればね。オフラインだけで見ればね。で、オンラインの比率、つまりはeコマースが半分ぐらいだと思うんですけど。これ、日本でも、米国でも、8%とかね、10%とかね
東:10%に届かないぐらいの。
森辺:言ってるのに、50%なんていうのは、世界的に見てもおかしな市場なので。おかしな市場ってのは特殊な市場なので、中国と他の国を一緒にするっていうことは、まずしちゃいけないってのが一つですよね。でも、中国を見てもらったら当然のように、MT・TTは消えないけども、やっぱりMT・TT、つまりはオフラインとオンラインっていう、その二つの大きな市場が出てくるわけですよね。あと、注意しなきゃいけないのが、MTとTTが減ってeコマースが増えるのかっていうとそうではなくて、MTとTTは若干ながら隅に押しやられるんだけども、やっぱりリアルチャネルってのは依然として強いチャネルであってね。で、eコマースが逆に増える、言ったら、MT・TTも隅に追いやられるとはいえ、流通総額は、eコマースが上がってったらMTとTTの流通総額も上がってるわけでね。市場規模が全体的に拡大してるっていう捉え方をするのが、中国の場合は正しくて。これって、日本でも米国でもそうで、eコマースが出てきて、MTとTTが減ってeコマースが増えるっていうよりかは、MTとTTも増えながら、eコマースがものすごく増えてくるっていうことなわけだと思うんですよね。だから、ASEANにおいても、じゃあeコマースが出てくるからMTとTTあんまりやんなくていいかっていうと、そうでは絶対ない、という風には思いますね。
東:なるほどなるほど。そうすると、企業側としてはそういった、戦略と言われてるので、中国とASEANで違えども、どういう形にしとけば、どういう戦略を練ればいいのかっていうところが焦点だと思うんですけど。
森辺:まず、中国に関してはオフラインチャネル、つまりはMT・TTよりも圧倒的にコストがかからないeコマースのチャネル、ここは押さえておかないといけない。言ったら、Tモールをどう攻略するかっていうことを、中国では考えなさいよっていうのが一つですよね。逆にいうと、ここの空中戦で得た利益をMTとかTTに投下するっていうこともできるので、中国はTモールをしっかり攻略することを考えるってのが重要ですよね。今の現状のASEANでいうと、eコマースなんていうのは、まだ1%にも満たないような状態。特にその、ものにもよりますけどね、FMCGでいえばね。なので、MTを絶対的にやりながら、同時並行でTTをやる。輸出でやってるんだったらMTだけを狙う、っていうことを考えないといけないので。戦略としては、ASEANではMT・TTが基本的には戦略の中心になり、プラスα、eコマースを、ウォッチしながらちょっとずつ始めていくっていう形になるんじゃないですかね。
東:分かりました。じゃあ、森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>