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第4回 グローバル展開で失敗する3つの法則

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テキスト版

みなさんこんにちは。スパイダーの森辺です。
今日は製造業の海外展開における失敗の法則についてお話しします。

長年数多くの製造業の海外展開を見てきた中で、失敗する企業には大きく分けて3つの法則が存在します。 この法則を知ることで、みなさんの海外展開の成功確率は格段に上がります。今日はみなさんの海外展開がこの3つの法則に当てはまっていないか一緒に見ていきましょう。

まず、最初の失敗のパターンは、もの頼りの海外展開です。 総じて 日本のメーカーというのは、いいものを作ることができる。したがって、いいものさえ作れば世界で売れるんだということであまりにもモノに執着しすぎた海外展開をして失敗をするパターンが非常に多い。もし、いいものさえ作れば世界で売れるという理屈がまかり通るのであれば、サンヨーやシャープで起きたことは起こりえないし、世界最大の家電メーカーが今や中国のハイアールであるという事実も起こりえない。
そしてまた、日本のメーカーのスマートフォンよりも米国のappleや韓国のSAMSUNG、中国のファーウェイやレノボのスマートフォンのシェアが高いという事実は起こりえないはずです。
また、日本の製造業は今まで信じてきた、このいいモノの定義を大きく変える必要があるのです。もう世界ではいいモノの定義は必ずしも高品質高機能ではなくなってきているのです。

そして2番目の失敗パターンは、現地パートナー頼りの海外展開。 これ は多くの日本の製造業は海外のパートナーと事業の提携なり、ジョイントベンチャーをするときに自分たちは作る人で、売る人は現地のパートナーである。確かにパートナーという存在自体は非常に重要なんですが、そのパートナーに売ることのすべてを委ねて失敗する。こういう企業が非常に多い。
自分たちが売ることの戦略までしっかりと熟知した上でパートナーに売るという行為を任せるのと、自分たちは作ることにだけ集中して売ることのすべてをパートナーに委ねるのでは得られる結果が全く違う。製造業にとっては、日本で売る行為を決して全てパートナーに委ねたりはしません。その ことを考えると、海外でも同様で売るという行為をパートナーに例え任せたとしてもそのことは製造業自身が熟知をする必要があるのです。

そして3つ目の失敗パターン。これは駐在員の質に頼った海外展開。
つまり は、東京の本社の戦略が非常に甘い、もしくは弱い。したがって、駐在員を現地に送り込み、駐在員に気合と根性で行ってから学べ、という企業が非常に多い。ただ、アジアの経済成長スピードは日本と違って著しく早い。そんな中で日本人の駐在員が仕事に慣れるのに3年、なんとなく仕事ができるようになるのに5年、一人前に仕事ができるようになるのには10年の月日がかかります。そんな 中で、気合と根性で行ってから学べ、ではなかなか世界のグローバル企業との競争には勝てないのです。

総じて、この失敗のパターンというのは全てキワードは依存です。
ものに依存する。パートナーに依存する。駐在員に依存する。
製造業にとって依存をしていいのは自社の確固たる戦略だけです。
みなさんの会社が自社の戦略以外の別のもの、今日申し上げた3つの失敗パターンに当てはまっていないか、今一度見てみてください。

それではまた次回お会いいたしましょう。