第453回 【本の解説】 3Cと4Pをベースに参入戦略を描く
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』、日本実業出版社から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は140ページ、「3-8 3Cと4Pをベースに参入戦略を描く」ということについて、お話をしていきたいと思います。ここ何回かね、この3Cと4P、4Cみたいな話をずっとしていますが、このフレームワークは本当に有効的で非常に使えると、非常に重要なフレームワークだというふうに思っています。ほとんどの問題ってここに隠されているし、逆にここを最適化すれば物事というのは前に進むので。もう少し先に行くと、もっと高度な問題というのが出てくるんですけども、でも、それってもっともっと先の話で、本当にマーケットの数十%を獲っていくというところまでは、この3Cと4P、ここの部分をどれだけ突き詰めるかということに集中してもらって構わないと思うので、ちょっとすみません、しつこいようですけども、今日もこの話をしていきたいと思います。
今日の話、3-6ぐらいでちょっとお話したんですけども。スライドをお願いします。3C分析、4P分析、このフレームワークを2つ使って参入戦略を出しましょうねみたいな話をしていて。「3C分析が何なの?」「4P分析が何なの?」というのは今さらなので、ちょっとググってもらったらよろしいと思いますけども。簡単に説明すると、3C分析というのは、自社と市場と競合、カンパニー、カスタマー、コンペティターの略称、3つのCを可視化するということなんですけど。これってファクトの把握、事実の把握なんですけども、いかに客観的に事実を把握できるかということがすごく重要で、これがなかなかできてなくて。バイアスがかかりまくっていて、自分たちはこうだというふうに思い込んでいるんだけども、実は客観的に見ると、自分たちの弱みが強みになったり、強みが弱みだったりするケースというのは非常にあって。本当に自分たちってどうなの?というところを客観的に見ないといけない。品質が良いから本当に強いんだっけって、そうではなかったりするわけですよね。なので、そこをしっかり見ていく必要があるし。自分たちの基準値を持っていないというケースが非常に強くて。何を言っているかと言うと、競合の競争力が100だった場合に、自分たちの競争力ってどれぐらいなの?ということを相対的に理解をしていないということって、非常に自分を可視化できていないということなので、こういうレベルで数値で分かっていないというのは非常に問題、自社に対しても。市場に関しても、これは自社でデスクでマクロが中心、デスクリサーチが中心なのである程度取れるので、どういうふうに分析して、どういうふうに切るかというところが重要になってくるとは思いますけど、比較的できているほうなのかなと。問題は競合で、競合の競争力を分からぬまま、どうして戦えるんだ?というふうに思うんですけども、市場がでかいと、儲かる市場であると、おいしい市場であるということは、そこにはやっぱり競合がいると。競合がどういう脅威なのかということを明確にいくつかの軸を立てて明確に理解しないで参入するって本当に怖くて。いや、自分たちの商品が品質で勝っているから出ますみたいな話ではなくて、本当にさっき言った基準値にもつながるところなんですけど、競合の競争力が自分たちの競争力に対してどれぐらい上回っているの?と、大概の場合は上回っているので、それをしっかり客観的にファクトを把握するということはすごく重要。
この客観的にファクト、事実を把握するということと、もう1つ4P、4Pというのはプロダクト・プライス・プレイス・プロモーションの戦略が競合と比較してどうなんですかと、自分よがりの4Pなんていうのはどうでもよくて、競合と比較をするということがすごく重要で、4Pとか4Cというのは。競合、例えばプロダクトも、顧客のための、顧客が求めているプロダクトを顧客が賄える価格で出すことが重要ですよ、4P、4Cでは、という話をしましたけども、じゃあ、その顧客が求めているプロダクトかどうかという求め度合いとか、賄える価格度合いなんていうのは、これは独りよがりでは駄目で、常に競合と比較にさらされているわけですよ。競合の商品よりも顧客が求めてくれている商品なのか。競合の商品よりも顧客が賄えるプライシングなのかということを見ていかないと、プレイス、プロモーションもそうです。そう考えると、独りよがりでは駄目で、必ず相対的に比較をしていかないといけない。絶対比較ではないですよ。相対比較をしないといけない。そうすると、やっぱりこれは事実を見る3Cとは違って、競合との比較を見ていくと。
そうすると、ファクトを把握し、事実を把握して、競合を可視化することで、皆さんの課題と、課題に対する改善策が明確になる。ここで初めて明確になるんですよね。それをベースに参入戦略を描いていくという、こういうプロセスになるので、この3Cと4Pというのは本当に重要なフレームワークで、非常に有益な有効なフレームワークだというふうに思いますので、ぜひ皆さん、もう1回うまくいってない場合はここを見直していくというのがよろしいんじゃないかなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。