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第479回 【本の解説】契約締結までのアクションで売上は決まる

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が出している本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は199ページ、4-11、もうちょっとですね。4…、5章、6章まであるのか。ですけど、もうちょっとなので、お付き合いください。先日、新しいASEAN6の販売チャネル戦略に関する本を書き上げて出版社に投げたので、今、校正入っていると思うのでね、また今年中に書店に並ぶと思いますけど、それもね、またこうして解説をしていくのかな。たぶんしていくんでしょうね、きっとね。なると思いますので、ぜひよろしくお願いしますということで、また正式に案内します、そっちは。

では、すみません、今日は「4-11 契約締結までのアクションで売上は決まる」ということで。何を言っているかと言うと、ディストリビューターとの契約締結前までにできる限りのことを詰めておくということはすごく重要で。なぜならば、契約してからいろんなことを一緒に考えているのではもう遅すぎるんですよね。こんなはずじゃなかったみたいな話にどんどんなっていくので、核心に迫るような部分というのはやっぱり全部契約締結前に、戦略とか、KPIのすり合わせを全部契約締結前に決めておいて、そのプロセスを経てる過程で向こうが嫌になるケースもあるし、そしたら、こんなことで嫌になってしまう人とやらなくてよかったみたいな話にもなるわけなので、できる限り締結前にあらゆることをやっておいてくださいねと。前回、前々回もそういう系統の話だと思うんですけども、これで全然売上が変わってくるんですよね。契約をどういうふうに結ぶかということも変わってくるので、今日はね、その契約締結前のアクションで売上が全然変わってきますよというお話をしていきたいと思います。

では、スライドをお願いします。プロセスとしては大きく分けて5つあって。基本的にはディストリビューターに対して自分たちから参入戦略のやっぱり最初にプレゼンをしっかりしていくと。自分たちはこういう戦略で、この市場で、こういう目標に対してこういう戦略を取りたいと考えているということを具体的にプレゼンをしていくという。これはもう前提としては、絞り込んだ最終的な候補、ショートリストの企業に対して、いわゆる契約締結に向けての大詰めをするときのプロセスです、5ステップ。そうすると、今度はステップ1の戦略に対するディストリビューターの見解みたいなものが出てくるわけですよね。いや、ここはこうしないと駄目だよとか、ここはこうするべきだとか、ここですごく濃い議論が1と2の間でされて、3で両者にて戦略を検証していくと。この1、2、3でやり取りがうわーっとされるわけですよね。3カ月、4カ月ぐらいかけてうわーっと。

そうすると、これだけのやり取りをするとね、途中で嫌だと言って離脱していくディストリビューターも出てくるけども、残ったディストリビューターに関してはやっぱりやることが明確だし、シンプルになる。ここまできて初めて両者のトップ、日本のメーカーの場合は規模が大きいので、社長というわけにはいかないと思うので、担当役員とディストリビューターの社長さんが会って、契約締結を、いわゆる大枠合意をして、そのあと5に移って、言ったら契約書の体裁を整えていくという、そういう流れに入っていくわけですけども、この1~3をどれだけやれるかということはすごく重要で、消費財の場合はね、決めると言ってもストアカバレッジと、インストアマーケットシェアって前の言い方だね、セールスパーストア。いわゆるストアカバレッジ、間口の数、どれだけたくさんの間口を獲れるのかということと、1店舗あたりの売上どれだけ上げられますかということを考えていくということだけなんですよね。ストアカバレッジに関して、間口に関してはこれはディストリビューターの仕事ですから、近代小売の主要トップ5をどういうふうに押さえていくの?どのレーンのどの棚にどれぐらいのSKUを押さえられますか。それに掛かるコストはいくらですか。プラス伝統小売、何万、何十万間口をどういう計画で獲っていきますか。それを逆算で細分化してくださいねと、過去の番組でもさんざん話していますけど、そこをディストリビューターにコミットさせることが重要で。

一方で、店頭に並んだものが選ばれる力というのはプロモーションであって、これをメーカーがどれだけやれるの?ということを戦略的に提示をしていかないといけない。売れたら考えますとかっていう話だと、ディストリビューターも投資しにくいですよね。なので、じゃあ、BTLから始めてATLにどういうタイミングで移っていくとか、そういうことを具体的に決めていかないといけないし、何となくやってみて様子を見てみようだと、コントローラブルじゃないですよね。不測の事態に遭ったときに対策が打てないので、ダラダラしてしまうので、そこってもうさんざん事例がASEANを中心に出ているわけで、新興国だって事例が出ているわけなので、どういうふうにしたらどうなるかというのはおおよそ想定はつく話なので、それを両者でしっかり協議をしていくということが非常に重要になってきますよということで、この1~5をしっかりやって決めていくということが大変重要ですよと、契約締結前にどれだけ決められるかということがポイントになってきます。

それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。