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第537回 B2B製造業−問題は4Pの中にある

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、このB2Bの製造業向けの話をシリーズでずっとやっていますけども、B2Bの製造業向けのお話をしていきたいと思います。

今日のお話はね、「B2B製造業-問題は4Pの中にある」ということでお話をしていきたいと思います。どういうことかと言うと、B2Bの製造業、多くの企業はもうすでにASEANを中心としたグローバルサウス等の新興国市場に出ていって、そこで事業を行っていると。ここに来て、なかなか今まで通りの成長を維持できなくなってきている、もしくは売上の成長率が鈍化している、もしくは落ち込んでしまっているという企業は決して少なくないわけで。ここで今、戦略の見直し・再構築みたいなことが非常に多くの企業で行われている現状があります。そんな中で問題のボトルネックってどこにあるんだろうということを考えたときに、多くの場合、多くの場合というか、問題のほぼすべては4Pの中に潜んでいると言っても過言ではない。成長を維持していく、計画通りに推移させていくためにはターゲットに対して4Pを適切に当てていくということが非常に重要で。その中で自分たちの4Pに最適化されてない部分があって、そこが置き去りになっているので、なかなか成長が見込めないと。

ちょっと図を使って説明をしていきたいと思います。スライドをお願いします。このスライドの通りなんですが、基本的に成長が鈍化する、もしくは今までの成長、今まで以上の成長が築けなくなった要因としては、ターゲットに対して4Pが適切に当たってないということなんですよね。ここから逃げてしまうと議論が変な方向にいってしまうので、基本的には僕は問題が4Pの中にあるということから逃げないということがすごく重要で。多くの日本のB2Bの製造業の場合、「いや、自分たちの製品はもうこれなので、価格はもうここです」ということが確定してしまっている。「売り方もこうだし、プロモーションはしません」みたいな。この確定した4Pが、いわゆる日本での実績、もしくはその他の国での実績をベースにつくった確定した4Pを顧客に当てようとするので、基本的に顧客が先ではなくて、自分たちの4Pが先になってしまっているというケースがあって、結果として、その4Pに合うターゲットにだけ商品が売れているという状況になってしまっているので。これ、順番が逆なんですよね、図の。この4Pとか4Cが上にあって、マーケティング・ミックスが上にあって、これがもう決まっている、この自分たちの4Pありきでターゲットが選ばれるので、当然ターゲットは狭まる、顧客は狭まる、そういう状況になるんですね。

でも、本来ならば、「自分たちの売りたい相手はどこなんですか」ということが明確にあって、そこにどうやって4Pを最適化させていくのか。例えば、プロダクトであれば、顧客が求める商品を出していかないといけない。これはプロダクトアウトである必要性というのはもちろん1つの観点では重要で、必ずしもマーケットインでなければいけないということではないですよね。プロダクトアウトとマーケットインが絶妙なバランスで組み合わさるということはすごく重要なので、必ずしもプロダクトアウトが悪いというわけではないですけども、顧客が求める商品をやっぱり出さないといけない。だから、ここで言っているのは、4Pという観点よりも、むしろ4Cの観点で考えるということが重要で。4Pというのは、どちらかと言うと、メーカー側の視点で見ているんですよね。プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションをメーカー側の視点で、どういう商品を、どういう価格で、どういうプレイスで、どのようにプロモーションするかというメーカーの観点。一方で、4Cというのは顧客側から見ている、カスタマーバリューが何なんですかと、顧客価値ですよね、顧客にとっての費用、カスタマーにとってのコストってどうなの?コスト負担ってどれぐらいが許容できますか、これが4Pのプライスにあたるところですよね、コスト。そして、顧客にとっての利便性、コンビニエンス、カスタマー・コンビニエンス、顧客にとっての利便性って、顧客にとってどういうふうな流通チャネルが買いやすいんですか。そして、顧客コミュニケーション。プロモーションというのは顧客コミュニケーションに置き換わる。顧客が選びたくなるような仕掛けをやっぱりしっかりしていくということですよね。コミュニケーションをしっかり取っていく。必ずここに問題があって、「うまくいかないんです」とご相談に来られる企業さんの戦略全体をさらっと聞いて、「ターゲットと4Pを教えてください」というふうにしたときに、その4Pを見た瞬間にやっぱり問題があるというケースがほとんどなので。この4Pが最適化されているのにモノが売れない、成長が鈍化するなんていうことは絶対にあり得ないので、この4Pの最適化から逃げずに、ぜひこの4Pを、皆さんの4Pをもう1度見直してみてはいかがでしょうか。

今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。