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第556回 FMCG シンガポール小売市場 その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、シンガポールの小売市場についてお話をしていきたいと思います。シリーズでずっとこのASEAN6の小売市場のお話をしていて、ずっと今までやっていたのがVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンにおける小売市場のお話をさせていただいて、今日からSMT、シンガポール、マレーシア、タイのいわゆる先進ASEANですね。VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンが新興ASEANであれば、私はSMTを、シンガポール、マレーシア、タイを先進ASEANというふうに定義をしていて、この新興ASEAN、VIPとSMTというのはまったく戦略が異なってくるので、小売市場も大きく異なってきますというところで、今日はSMTの一番最初の「S」のシンガポールの小売市場のお話になります。対象は、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー、FMCG周りの製造業になります。

それでは、早速スライドをお願いします。1枚目のスライド。まずちょっとシンガポールの小売市場規模のお話からしていきたいと思うんですが、2022年のシンガポールの小売市場規模は5.8兆円、これは1ドル136円計算、USドルでやっているので、だいたい今、7兆円ぐらい、今の為替で7兆円ぐらいあるのかなと。7兆なので、日本の小売市場規模が150兆なので、シンガポールの小売市場規模って非常に小さくて。それもそのはず、シンガポールって東京23区と同じぐらい、淡路島と同じぐらいとかよく言われますけども、人口も600万人いないですから、2020年の最新の統計で569万人、うちシンガポール人と永住者は404万人なので、多くないですよね、マーケットとしては小さい。ただ、先進的であると。ASEANでというか、世界でも最も先進的な国家であるというのが特徴です。なので、シンガポール単体では小さいんだけども、そこから世界に波及する効果、特にASEANを中心としたアジア地域に波及する効果が非常に高いというのがシンガポールの特徴ですよね。何回もこれは申し上げていますけど、ASEANというのは単国で見ては駄目で。ASEAN6全体で見たら小売市場規模って150兆円あるので、そしたら日本と変わらないわけですよね。このシンガポールの7兆円、今の為替で7兆円の市場規模、小売市場規模というのは、ほかのASEANにも波及するし、世界中に波及するので、いかにシンガポールで存在感を見い出すかということはメーカーにとっては大変重要な要素の1つであると。

次のスライドをお願いします。これは左が主に食品とか日用品を取り扱う主要な近代小売チェーンの店舗数、最新の弊社のカウント、SPYDERのカウントです。シンガポールはね、近代小売っておおよそ1,000店舗ぐらいしかないんですよ、主要どころは。なので、この1,000店舗だとどうしても、やっぱり高い棚代を払ったらペイしないというのがこれを見て分かると思うので、いかにそれ以外の効果も狙っていくかということが非常に重要。小売市場規模、食品及び日用品カテゴリーにおける近代小売と伝統小売の比率、金額ベースの比率ですね、シンガポールはここに載っていませんけども、ほぼ、ほぼと言うか、完全に近代小売化。私が住んでいた1980年代とかはまだあったんですよ、いわゆる伝統小売的なね。でも、それでも少なかったので。シンガポールはホーカーセンターとかキャンティーンもね、市場的なやつもやっぱり衛生面の関係から、どんどん、どんどん、一掃していって、キャンティーンとかホーカーセンターはフードコートに変わってしまったし、市場だってASEANの市場で見られる、ちょっと目のやり場に困るような市場というのはシンガポールにはないので、基本的には非常に近代的な、衛生面を非常に気にするので、きれいになってしまっていると。さっき、1,000店舗だとなかなか厳しいというお話をしましたけど、基本的に現法を持ってしまうとなかなか大変かなと。なので、シンガポールからいかにその他の国に波及するかみたいなところが非常に重要になってくるというのがシンガポールの特徴ですね。でも、輸出でやるんだったら関税フリーだし、基本的に商品は高いですしね、売っている商品はね、なので、そういう意味では合うんだけども、マーケットとしてはいいんだけども、やっぱり如何せん小さ過ぎる、マーケットが小さいので大きな売上にはなかなかなってこないというのがシンガポールの特徴ですよね。

次回以降ね、次のスライドをお願いします。次回以降はちょっとこのスライドを使って主要なシンガポールの近代小売の解説をちょっとしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。