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第561回 FMCG タイの小売市場 その2

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、タイの小売市場についてお話をしていきたいと思います。小売市場なので、対象はFMCG、消費財ですね、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが対象になります。

それでは、早速スライドをお願いします。今日はね、前回タイの市場、財閥が非常に強くて、小売と話をして、そこから中間流通事業者、ディストリビューターを紹介してもらって参入するというやり方がまずはベストですと。なぜならば中間流通のマージンを抑えられるからですというふうにお話を申し上げました。二強の財閥、CPとセントラルの二強体制で、特にCP、セブンとロータスを持っているCPが非常に強いですよというお話を前回しているんですかね。

今日はね、左がスーパー、右がコンビニということで、主要なスーパーのまずお話をしていきたいんですが。1社目がロータスですね。ロータスは、タイの小売の一番大きい小売ですね。チャロン・ポカパン、CPグループ傘下の小売で、タイ全土で展開していますよと。スーパー、ハイパー、それからデパート、ホームセンターなどの小売店舗を運営しています。何から何まで扱っていますよね、ロータスにないものはないというぐらいいろいろ扱っていて。ここはパンデミックの3年間でだいぶDXに力を入れて、結構オンラインのサービス展開なんかにも非常に力を入れているし。あと、見ていて思うのはね、やっぱり業界をリードする立場だけあって、CSRの活動みたいな、エコフレンドリーみたいなところの活動はかなり積極的にやっているなと、社会貢献活動、慈善事業、社会福祉事業みたいなことは積極的にやっている、そんな良いイメージのある会社かなというふうに思います。

2つ目がビッグCですね。ビッグCは、これはCPじゃなくて、セントラルの傘下なんですよね。ロータス同様、いろいろやって何でも売っていますよという。ここもやっぱり、みんなそうなんですけど、大手の近代小売はこの3年間で相当DXに力を入れているので、だいぶオンラインショッピングがやりやすくなっているというのが特徴ですかね。3社目がね、会員制の業務スーパーマクロ、日本で言うところのアメリカのコストコが進出していますけど、あんなような感じ、コストコは皆さん行ったことあると思いますけどね、マクロですね。これもCPグループなんですよ。なので、非常に強いと。マクロはね、1988年に創業して、今はタイ全土で142店舗以上展開している業務スーパーで、大量購入による割引があったりとか、専門的な商品のラインナップを提供したりとか、結構中小事業者から指示を得ている。やっぱりその辺の商店とかね、ご飯屋さんとか、屋台屋さんとかね、そういうところの小規模事業者というのはたくさんいるので、そういう意味ではマクロは非常に重宝されているというのがマクロですね。4社目がトップス。これも1980年代にできているスーパーですかね。スーパーとCVSの業態で200店舗ぐらいやっていますよということで、非常にリーズナブルな価格で提供するみたいな、そういうイメージがあると思います。このトップスもセントラルグループですね。セントラル。ロータスがCP、ビッグCがセントラル、マクロがCP、トップスがセントラルということで。5番目、われらが日本のイオンがバンコクに限定したスーパーマーケットとCVSの業態を合わせて50店舗ぐらいやっていますかね。イオンはどこの国へ行っても入ると落ち着く、というのは私だけかもしれませんが、イオン頑張っていますというのが5番目。

右の図のコンビニなんですけど、コンビニはね、まずこのCP傘下のセブンイレブン、もうこれが一強です。もう絶対的な存在。店舗数を見てもらったら分かると思いますけど、1万3,134店舗あるので、もうもうファミリーマートとか、CJとか、ローソンとか、相手にならないので、完全にセブン一強体制というのが今のタイの状況。ファミリーマートで900店舗ですよね。もう10分の1以下なので、13分の1とかですよね。CJエクスプレスで720店舗で。CJは結構東北地方に強いので、バンコク以外に90%を超えているからね、バンコクであまり見ないですね。あと、ローソンが142店舗とかなのでお話にならないということで、もうセブンを獲れなければないのと一緒ぐらいの話ですよね。菓子なんかはもうセブンに入れなかったら、セブンで目立てなかったら、もう終わりという、たぶんそんな感じになると思うので、非常にこのCPの力が強いですねというのがタイの市場ですかね。

あと、タイの市場で特徴的なのは、やっぱりASEAN全体で見るということの中でタイを見る、その中でさらにバンコクを見るという考え方がすごく重要で、だいたい年間に4,000万人弱ぐらいの観光客が来ているんですよね。今、アジアのセレブの間でも、ハワイに行くのをやめてバンコクに行くみたいなね、あそこに行けば都市の楽しみも楽しめて、一方で近隣の島に行くことでいわゆるビーチバケーションみたいなこともできるというので、タイのバケーションが非常に人気になっている。なので、非常に医療ツーリズムも盛んだし、医療も非常に進んでいる、タイは先進、結構意外と思う人もいっぱいいると思うんですけど、シンガポールのほうが進んでいるんじゃないの?とかって思うんですけど、シンガポールの人がタイに手術を受けに行ったりとかもしますから、非常にタイは進んでいるというのが特徴だったりするので、タイを押さえると。ASEAN6の中で、僕はどこを押さえると言ったら、まずタイをサクッとやりながら、ベトナム、インドネシアをガッツリやって、ついでにフィリピンをやりながら、おまけでシンガポール、マレーシアをやるみたいな、こういう位置付けがたぶんFMCGは正しくて、それを全体最適でASEAN6で見るということと、都市別で見ながら、どのタイミングで、どの国の、どの流通で、どれぐらいのシェアを保ちながら全体最適していくかということをガントチャートでつくりながら、それに合わせてチャネルをつくっていくということが大変重要かなというふうに思います。

今日でこのASEANの小売市場のお話は終わりにしたいと思います。次回から何をやろうか、まだ考えてないんですけども、B2Cだけじゃなくてね、B2Bの製造業向けのお話もしていきたいなというふうに思うので、ちょっと、また何か考えてお話をしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。