アジア新興国 抑えるべき2つのフレームワーク
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、マーケティングのフレームワークの話をしていきたいなというふうに思います。対象は新興国市場全般で、製造業が対象になります。B2C、B2Bは問いません。前回までね、マーケティングの基本プロセスの説明をしてきました。「R」、「STP」、「MM」がいかに重要かと。マーケティング…、シェアを上げようとかね、利益、売上を上げようとしたときに、何かマーケティング上の奇策とかね、必殺技、ウルトラCみたいなものってほぼなくて、ほとんどの場合はこの、特にマーケティングの基本プロセスの中に問題が潜んでいて、これを最適化することでシェアが上がったり、売上が上がったりというのを、僕のキャリアの中ではそういうことをたくさん見てきたと、問題のある企業の課題って、マーケティングの基本プロセスのいずれかの箇所に必ず存在していると。なので、マーケティングの基本プロセスを中心としたフレームワークというのは非常に重要ですよと。もちろんわれわれは学者ではないので、学術的にお勉強をするという意味でのフレームワークをやり過ぎるということは良くなくて、いかにフレームワークを、頭に入れたフレームワークを体感としてビジネスの現場で生かしていくかという、このコンバートするのが非常に難しくて。頭で理解していても体感できないというケースってね、フレームワークってすごくあって。結局、フレームワークでっかちになってしまうので、デスク上ではすごくいい絵が描けるんだけども、それが実体験の場に行くとフッと抜けてしまうので、常に意識的につくったフレームワークと実際の実地がどう重なり合っていて、どこに問題があって、どこをチューニングすればいいのかということを意識しないと、なかなか、僕は難しさをそこに感じるので、それは気をつけてもらって。
まあまあ、前回までマーケティングの基本プロセスをやってきて、今日は、もう2つだけね、フレームワークのお話をしたいんですけど。僕、マーケティングの基本プロセスがしっかりしていれば、基本的には多くの問題ってそこに潜んでいますよと。「R」をやれば参入前の大きな問題というのはおおよそ見つかるし、実際には「STP」でターゲットを明確にすれば、その下の4Pとか4Cみたいなところはより具体的になりますよと。そして、物事がうまくいかないのは、この4Cとか4Pの中に問題がありますよというお話をしていて。
今日ご紹介したいのは、前回まで…。スライドをお願いします。前回までのね、4Pとか4C、これは4Cですけどね、ターゲットに対していかに4Cを最適化させていくか、4Pというのはメーカーの観点での話、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの話ですけど。4Cというのは顧客側の観点なので、カスタマーバリュー、顧客価値、顧客が求める商品、自分たちが売りたい商品は何なの?じゃなくて、顧客が求める商品は何なんですかと、顧客にとっての価値は何なのか。あと、自分たちはいくらで売りたいのかではなくて、顧客にとってのコスト、自分たちがプライスってね、自分たちがつけるプライスは顧客にとってはコストなので、顧客が賄える、許容できる価格っていくらなの?と。あと、プレイスはね、コンビニエンスに置き換わる。顧客、自分たちがどこで売りたいかじゃなくて、顧客にとってどこで売ることが買いやすいことなんですかということを考えていく。コミュニケーション、これはプロモーションですけど、自分たちが知って知ってのプロモーションを一方的に発信するのではなくて、顧客とどうコミュニケーション取って、顧客が選びたくなるような仕掛けに結び付けるのかという、これは4Cという。
この4Cと、もう1つ、次のスライドをお願いします。これは3Cですけども、この3Cが非常に重要で。3Cというのはね、カンパニー、カスタマー、コンペティターの略で、自社、市場、競合ということになりますけども。これを客観的に見るということがすごく重要で。特に、顧客を自分の都合のいい像に勝手にイメージしてしまっているとかね、競合の脅威も自分たちの都合のいいような脅威に変えてしまっている、自分たちの強い弱いも自分たちの都合のいいように変えてしまっているというケースが非常にあって、自分よがりの3Cになってしまっているというケースを非常に多く見受けられるので、いかにこの3Cというのを客観的にファクトを把握するか、事実を把握するかということはすごく重要で。
一方で、次のスライドをお願いします。さっきの4Cというのは、常に他社との比較なんですよね。他社の4Cに対して自分たちの4Cがどれだけ最適化されているのか、要は優れているのかという、もう他社との競争、比較。でも、3Cに関してはファクトの把握なので、いかに事実をね、いかに事実を客観的に見れるかということはすごく重要で。この2つがしっかりできているのにシェアが上がらないとか、売上が上がらない、利益が上がらないなんていうことはマーケティングの理論上あり得ないので、何か問題があるというときは、このマーケティングの基本プロセス、3C、4C、ここをしっかり見ていってもらえると、必ずそこに原因が潜んでいます。私が過去20数年で新興国市場で問題のある企業を分析、診断させていただくときに、必ずこの3つのフレームワークで見ていくわけですけども。どれを使うかというのはケースバイケースですけども。必ずこの3つのフレームワーク…、どれを使ってもらっても結構だと思うんですけど、問題はこのフレームワークの中に隠れていますよということでございます。ですので是非ね、この3つのフレームワークだけを覚えていただいて、これ以上やるとね、もう頭でっかちになってしまうので、この3つのフレームワークだけ覚えていただいて、これをいかに実地で実践していくか。自分のデスクの上で自分よがりの3Cとか4Cやってもまったく意味がないので、つくった3Cや4Cがいかに実地でそうなっているのかというところをね、現実的な違いをしっかりチェックをしていくということも大変重要なので、ぜひやってみてください。必ずそこに問題があると思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。