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ASEAN ディストリビューターの切り替え その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、既存のディストリビューターで本当にいいんですかと、このままで本当にいいのかということについてお話をしていきたいと思います。

この問題はかなりたくさんの企業が抱えている問題じゃないかなというふうに思います。既存のディストリビューターとはもう数十年にわたる関係で、ここに来て成長も鈍化しているし、本当にこのまま付き合っていくことで自分たちの成長のスピード、目標、これが達成するんだろうかという、こういう過渡期に陥っている企業が本当に多いんじゃないかなと。特に今、ASEANがたぶん非常に多いのかなと。インドとかになってくると、中国は一巡終わって、だいぶ日系企業の腰も中国はちょっと5年ぐらい前から引けているところもあって。一方でその流れがASEANに来て、ASEANの重要度が高まり、さらに、かつてインドブームというのが何回もありましたけど、ここに来て本格的にインドが重要な市場になってきている。でも、インドはどちらかというと、これからつくっていくと、販路を強くしていくという市場なので、こういう問題って比較的少ないのかなと。一方でやっぱりASEANが非常に多い。特にフィリピン、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシア、こういう地域が非常に多いのかなというふうに思います。何かというと、今の既存のディストリビューターとはもう20年30年お付き合いをしていて、その中でなかなか、今までずっと一緒にやってきたんだけども、ここに来て成長が鈍化していて、今までもいろんな、前任者も含めていろんな施策を一緒に協議をしてきたし、いろんな要望を投げかけてきたけども、それがなかなか具体的に進まないと。これは特に日用消費財の市場なんかまさにそうだと思うんですけど。一方で競争環境も劇的に変わってきていると。その昔は欧米の先進的なグローバル消費財メーカーだけが競合だったのが、今やASEANとか中国、台湾の日用消費財メーカーまでもが競合になっていると、韓国も含めて。そんな中でやっぱりディストリビューターにももっとやってもらわないといけないと。ただ、なかなかという状態。本当にこういう企業って多いんですよね。うちもこういう企業からの相談がほとんどだと思うんですけど。本当にこのままでいいんですか、ディストリビューターということで、ちょっと最初お話しましたけど、基本的にやっぱり日用消費財で言うと、やっぱり数十億ぐらいの売上が立っているんですよね、もう20~30年もそのディストリビューターとやっていて、そのディストリビューターもそこそこ大手ですとなってくるとやっぱり数十億ぐらいの前半ぐらいの売上が立っていて、これをいきなり失うというのはなかなかやっぱり難しくて。なので、基本的にはいきなりここを切って別にするということは、もう数十億売上があったら現実的じゃないんですよね。これが数億円だったらパッパッとやるということはありですけど、数十億だとそうじゃなくて。そうなってきたときに、やっぱり数十億やっているということはほかにも重要なやっぱりブランドがいて、それなりに大きな規模のディストリビューターになっていると。もしかすると、ディストリビューションの会社というのは子会社で、それ以外にもたくさんの事業をやられていたりとかっていうね、財閥系だったりというケースもあるので、基本的にはディストリビューターとして見れるのか、そうじゃないのかということにもよってくるんだけども、「はい、そうですか」で切ってということにはならない。

そうすると、結論から言うと、彼らの得意・不得意を客観的に可視化して、それを数字で証明して、そして不得意の部分に別のディストリビューターを充てるという、これがもう結論になるんですよね。ここを具体的に進めるのにやっぱり重要なポイントがいくつかあって。まず、現状の事実をしっかり確認しないといけない。今までってどちらかというとディストリビューターに任せてきているんですよね、そういうパターンって。なので、売ることの主体がディストリビューターが主導で来ているので、基本的には彼らの言っていることがベースでいろんな議論がされてきているわけなんですよね。それが必ずしも正しいかというと、そうじゃないこともたくさんあるし、彼らから報告されていることが、彼らはそう思っているんだけども実際そうじゃない。例えば自分たちはこれだけの店舗に配荷していると。でも、実際行って見てみると、確認して見てみると、いや、5分の1でしたよと。彼らの配荷をしている定義と我々が配荷と認める定義というのが大きくずれていたりとか。あと、彼が得意と言っている地域が、本当に我々はこう思っていたんだけども、ここだけだったとか、いろんな問題がある。蓋を開けると、やっぱりディストリビューターというのは自分たちの売りやすい商品を、売りやすい場所で、売りやすい小売に売るという、すべてが「売りやすい」というところがやっぱりベースになるんですよね。一方でメーカーはブランドを育てないといけない。逆に言うと、売りにくくても将来性のある地域、将来性のある小売、こういったところとしっかり付き合っていかないといけない。こういったことを数十年にわたりディストリビューター主導でやらせてきたので、これは決してディストリビューターが悪いという問題でもなくて、メーカー側にもやっぱり責任があるわけですよね。だって、ディストリビューターが自分たちの売りやすいところに売りやすい商品を売るというのは、これはもう経済合理性を考えてそうなので、彼らは華僑のファミリービジネス、最も自分たちのファミリーにとってROIのいいところに投資をしているというだけの話なので。こういう状態になってしまっていると、やっぱりいきなり「こうしてください。ああしてください。管理はこうします。そうします」と言ったって、言うこと聞かないですよね。今までぬるま湯に浸けてきたのに、いきなり江戸っ子のおふろにしますと言ったって、これはなかなか難しい話と一緒で。なおかつ、日本のメーカー側のことを、「いや、あなたたち分かってないじゃん」って思われてしまっている。もうこの時点で抑止力が効いてないというか、欧米の先進グローバル企業みたいに、ディストリビューターよりも、パートナーよりも、自分たちが多くのインプット、情報を持って、自分たちが主導で戦略やマーケティングを決めてきて、その一部分を任せてきてるのと、一緒に仲良くやっていきましょう、売ることはちょっとお任せしますでやってきたのでは、やっぱりもうこの数十年で積み重なっている関係値というのは全然違うんですよね。これを一瞬で変えていきましょうなんて都合のいい話にはぶっちゃけならない。僕も今までいろんなプロジェクトをやってきた中で、そんなのは無理なんですよね。

そうすると、何をやるべきかっていうのは、さらに売上を伸ばすためにどうするかを考える前に、まず現在地を明確にするということはすごく重要で、今自分たちはどういうポジションに、位置にいるのと、自分たちのディストリビューターは何が得意で何が不得意なのかということをやっぱりもう丸裸にしないといけない。一方で、主要の競合がどれぐらい強いのか、彼らの競争力を100とした場合に自分たちとの差異ってどれぐらいなのかって、ここを明らかにしないといけないんですよね。これをもって初めてディストリビューターと対等な合理的なコミュニケーションが取れるわけなので、これなくして、「こうします。ああします」というのは、もう単に思いつきを展開するような話でね、まったくもってロジックじゃないわけなので、今の現状はこうですと、競合の強さがこうですと、差異がこうですと、ここを埋めるためにこういうことをしないといけないんですということを話し合っていく。こういうことをしないといけないんですというのが、この地域とか、この小売とか、この商品の販売を強化していかないといけない。そこに対して経営資源出せますかって聞いてもね、もう十中八九、ノーなんですよ。もうこういう関係になっていると。彼らはやっぱりここでやりたいと、なんだけども、ほかの商圏は絶対渡したくないと、こうなるんですよね。でも、こっちの商圏、どうせあなたたちできないんだから、他社に任せることで全体の数字が上がっていくので、あなたたちの商売が良くなるでしょという考え方をやっぱりすっきり腹落ちさせるということは難しい。けど、それはしっかりと説いていかないといけない。その中で、彼らの合意は取れないんですよ。彼らが「分かりました。じゃあ、ほかのディストリビューター使ってやってください」って認めることのインセンティブって何1つないので、基本的に「話は聞きました」という状態になる。ここで多少の摩擦があっても、そんなに恐れる必要はなくて。なぜならば、華僑は自分たちの商売を感情でけつまくるみたいなことは絶対にしない。やっぱり銭勘定が非常に重要なので、そんなことをしたら損なので、あくまでそれはパフォーマンスでね、メーカー側から少しでも好材料を引き出すためのパフォーマンスであったということが僕の過去の25年の経験の中ではそういうことが多かった。なので、僕はそこは恐れずに交渉していくタイプです。

なおかつ、やっぱり彼らとしてはそこを認めるインセンティブは本当にないですよね。だから、そこはメンツもあるので、「話は聞きましたよ」でとどめておくということも、それはそれで重要なポイントだし、けつは絶対にめくらない。一方で、逆に言うと「この人たちもう要らないわ」って思われたときに、彼らはドラスティックに切ってくるのでね、裏切ってくるので。裏切るという言葉は非常にきつい言葉なので、こういう場で使うのは躊躇しますけども、でも、そういう事例ってたくさん出ているわけですよね。一緒に合弁やっていたのに、ある程度技術やノウハウやそれらを吸い取ってから、もうここは要らないといったら、それをスクイズアウトするなんていう事例はたくさんあって。逆にいうと、自分たちがやっぱり知らないといけない。任せてはいけない。性善説でパートナーだからって、パートナーというのは、もう絶対に裏切らない仲間なんかじゃなくて、油断すれば刺されるぐらいの勢いでやっぱり常に自分たちが必要であるという存在意義、ここはやっぱりずっと維持し続けないと。日本人だけですよね、「いや、言っても、そうは言っても仲間じゃないですか」みたいな話でいくのはね。やっぱり客観的に見て、「この機能は要らないよねと、もう吸収してしまったから」と思ったら、これはビジネスにおいて経済合理性を考えたら、ここを排除するというのは彼らの経済合理性上ではこれはありなので、そっちのほうが逆に多い。だから、そこはなぜ任せてはいけないかということはまさにそういうことだと思うんだけども。そんな中で早期に次のディストリビューターと、新しい基準で、新しい選定基準、新しい契約基準、新しい管理育成基準で決めた新しいディストリビューターとやっぱり市場をつくっていかないといけない。

これでまずいのが、もともとこっちはぬるま湯でお任せでやってきたものを、同じことをまたつくったら、同じぬるま湯が2つになるだけで余計大変なので、こっちの反省点をしっかり可視化して理解した上で新しいやり方をしっかり実行していくということがすごく重要で。これが始まったときに、「こっちは失敗するぞ、ほら見たことか」と言いたくて言いたくて待っているわけですよ。そうなったら、「すみませんでした」ってなってしまうので、ここは失敗できないですよね。だからこそ新しい戦略で、新しい選定基準で、新しい契約で、契約交渉で、新しい管理育成でしっかりやっていくということがすごく求められるので、今までみたいに大して材料も集めず、戦略も考えずお任せ、いいディストリビューターと出会えたらいいなみたいな、こういう調子でやっていたら、同じものがまた出来上がるので、それは結局5年後10年後にまた同じ苦労をするということになるので、本当にマインドセットを切り替えて、やり方を根本的に変えていくということが大変重要ですよというお話でございます。

今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。