東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:じゃあ森辺さん、最後ですけども、共著で出された「わかりやすい現地に寄り添うアジアビジネスの教科書」と。白桃書房さんから出ておりますので、皆さんネットでも、我々に問い合わせでも良いので、ぜひ購入してみてくださいと。
森辺:Amazonで買えます。
東:Amazonで買えます。はい。で、最後に東南アジア・アジア新興国で、特に今ECの売り上げも、そうは言っても伝統的小売がECに替わるんじゃないかとかいう議論もありますし、ECの伸び率って結構高いじゃないですか。そのECの市場っていうのは、森辺さんもそういったECの会社とかを訪問されると思うんですけど、どう見られますか?
森辺:B to Cで言うと、確かにインターネット普及率は増えてますと。スマートフォンの普及率も増えてますと。Facebookのユーザーも増えてる。Twitterのユーザーも増えてますと。ただ、eコマース、電子商取引の市場って、コンマ何パーセントなんですよね。どのASEANでも。
そう考えると、中国のような世界観はまだASEANには無いっていうのは、一つ現実としてあって。特に食品・日用品のカテゴリーで言うと、コンマ何パーセントで。おそらくそれが一番最初に伸びるとすると、アパレル系か書籍系みたいな。食品・日用品系でも、ペットフードとか、水とかっていうものは、ネットの利用があるけども、そうじゃないものは結構厳しい…みたいな。
東:なるほど。
森辺:で、近代小売と伝統小売の間に、電子商取引っていうものが割って入ってくる、いわゆるオフラインの近代小売・伝統小売があって、そこにオンラインのeコマースっていうものが入ってくるっていうのが、自然の構造なわけですよね。けど、日本でもまだ数パーセントじゃないですか。
東:そうですね。
森辺:アジアで言うと、コンマ何パーセントとかなんですよね。だから今、現状で商売になるかっていうと、そんなことは無くて。例えばフィリピンでも、モールに行って買い物するのが楽しいんですよね、まだ。だから、ネットでこちゃこちゃ買ってっていうところまで、成熟してない。
東:なるほど、なるほど。
森辺:ベトナムなんて皆無。インドネシアもまだちょっと厳しいみたいな。そんな状態ではあるんですよ。ただ…
東:先程、中国はって仰いましたけど、中国はちょっと事情が違う…
森辺:かなり違いますよね、中国は。あの現状がASEANにあるかっていうと、そんなことは無いと。ただ、ポテンシャルはまだあると思うんでね。
東:簡単に、中国はどんな感じで捉えたら…
森辺:中国は、まず物流インフラとか決算インフラが、昔に比べたらだいぶ整ってきましたよね。
東:それはやっぱり、アリババの…
森辺:アリババ(阿里巴巴)、タオバオ(淘宝)、Tmall(天猫)…ここの影響が非常に…違い、ですよね。タイとかでもね、スマートフォンのね、アクセスとかって36パーセントとか、マレーシアでも21パーセントとかあるんですよ?一部の…SMT…シンガポール・マレーシア・タイ、ここはやっぱり高いですよね、比較的ね。でも、VIPに関しては、コンマ何パーセントだし…これからウォッチだと思うんですけどね、まだね。
ただ、それを業界の先駆者が作り上げていくわけなんですけど。結局ね、僕ね、向こうのeコマースのね、経営者とかにも会ってもね、聞くんですけどね。ファンドから何十億・何百億集めてるeコマースもASEANにいっぱいあるんですよ。そういう会社がバンバン広告投資して、「eコマースで買いましょう」「モバイルで買いましょう」ってやるわけじゃないですか。その広告投資が市場を活性化させて、市場を作っていくわけなんですよね。そうすると、その下で潜んでるベンチャー企業が、市場トップワン・ツーぐらいが勝手に作ってくれるんで、自分たちの商売も、同時に大きくなるみたいな。そういうのは非常に多いですよね。
ただ、eコマースだけやって儲かる市場では無いけども、Facebookをいわゆる商品ページをFacebookで持つというのは、どこのメーカーもやってますからね。
東:そうですね。
森辺:P&Gだってやってるし、ネスレだってやってるし、ユニリーバだってやってるし。どの国も、ASEANのFacebookページ、商品Facebookページを持ってますから、そこはやっぱり非常に重要ですよね。インドネシアで5000万人くらい、確かFacebookユーザーいましたからね。日本でたぶん1400万人弱ぐらいじゃないですかね。
東:そんなに違うんですね。そうすると、ECという直接購買に対してのは、まだまだ早いけども、インターネットのSNSと呼ばれるものは、プロモーションの一環としても欠かせないものになっているということなんですかね。
森辺:そうですね。なので、やっぱりまだまだモールに行って楽しんでっていうのは大きいんですよね。
東:そのモールに行って楽しんでっていうのは、どういう感じなんですかね。アジア的に。
森辺:イオンモールみたいなのがあるわけですよね、現地には現地の。そういうところに行くと、ものすごいデカイ複合的なあれになってて、高級品もあればファストファッション系のお店もあって、レストランもあり、カフェもあり、みたいな。そういうところに友達や彼氏・彼女と行ってデートを楽しみながら買う、みたいな。そういうのが多いので、なかなかじゃあECで買って、みたいな。
僕も相当ECで買いますけど。楽天プレミア会員ですけどね。
プラチナ会員だったかな?何かですけど。僕の場合は、行って買うのが面倒くさいから楽天で買う、みたいな話じゃないですか。洋服を空港の免税店以外で買ったことが無い、みたいなね。要は、銀座や表参道まで行って買い物する時間が無いから、面倒くさいから、出張の帰りに空港で買う、みたいな。もしくは、出張の移動中に楽天で注文する、みたいな。
東:森辺さんはちなみに楽天では何を買われるんですか?全然話しが変わりますが。
森辺:僕は洋服は楽天かゾゾタウンで買いますね。あと、最近あれ気になってるんですよ。バイマ(BUYMA)とかね。なんですけど、それはアジアではやっぱりまだリアルで買いますよね。だからそこは一つ大きな違いがあるんです。ただ、いずれECのシェアっていうのは大きくなってくるはずなので。ただ、今すぐそこだけで儲けられるかっていうと、なかなかそうじゃないですよ、というのが、ASEANの状況だと思いますね。
東:そうするとやっぱり、ECはECで見とかなければいけない。けれども、今の現状のMTなりTTっていうところの、オフラインの重要性っていうのは、特にVIP、ベトナム・インドネシア・フィリピンあたりでは、非常に重要だと。
森辺:重要です、はい。
東:これって、中長期的に、例えば、向こう10年見ても、向こう10年経ったら、どう思いますか?
森辺:向こう10年で数パーセント。だって実際にeコマースの会社訪問するんですけどね、売り上げ5000万とか一億とかね、まだそういうレベルなんですよ。
東:本当にじゃあ、スタートアップしたて、みたいな。
森辺:そういう会社が有象無象にいて、ファイナンス一億円・二億円ぐらいやってますと。一方で、その国のトップ企業みたいなところは、100億・200億のファイナンスやってるんですけど、まだ売り上げ10億いってないとか。
結局、その100億円・200億円のファイナンスできるような会社って、シンガポールかタイかマレーシアにしか存在してないんですよね、VIPには存在してない。あと、インドはあまりにも市場がデカイんで、欧米のファンドがアーリーステージでそれくらいドーンと、お金50億くらい突っ込んでる会社っていうのはありますけどね。けど売り上げが、いわゆるエクイティファイナンスやったファイナンス金額を超えられてないんですよ。ですから、厳しいんですよね。広告打って、打ちまくったら、それだけ売り上げが跳ね返るかというと、なかなかそれも厳しいので、まだ。だからもう少し時間かかるんじゃないかと思いますけどね。
東:分かりました。そしたら最後に、この本を出されて、是非皆さんにも読んでいただきたいので、森辺さんから一言、お願いします。
森辺:はい。「現地に寄り添うアジアビジネスの教科書」。Amazonで森辺一樹って打ってくれたら出てくると思いますんで、是非。私の単著の「アジアで儲かる会社に変わる30の方法」と、合わせて買って、読んでいただければですね、幸いでございます。よろしくお願いします。
東:じゃあ、森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。