森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、流通構造調査についてお話をしたいなというふうに思います。
流通構造の調査もね、結構うちではご依頼が多いんですけど、国とか地域特有の流通構造がやっぱりアジア新興国市場はあるので、それらを可視化するということがこの流通構造調査なんですよね。具体的にはね、レイヤーごとのプレイヤーがどういうプレイヤーがいて、どういう機能とか役割を持っていて、流通構造全体への影響力ってどういうものなの?と、各レイヤー毎の主要なプレイヤーとかね、流通構造に関わるすべてを完全に可視化するということを課せられるわけなんですけど。
これをやっていくと、参入戦略作成上の有益な情報が手に入ってくるわけですよね。本当に各国独特で、例えばどういうことかって言うと、ASEAN6を見てもね、財閥系の国もあれば、そうでない国もあったりとかして、例えばB2CのFMCG、消費財みたいな、食品・飲料・菓子・日用品みたいな業界の流通構造で言うと結構違うんですよね。例えばベトナムなんかは、流通構造、いわゆる中間流通事業者という人たち、ディストリビューターという人たちにセールス機能がなくて、デリバリーが多くの機能であるので、メーカーがセールスをあてがっていかなければいけない、そういう構造になっていたり、その分、中間流通マージンが安く抑えられていたりとか。インドネシアなんかは財閥系もあり、それでも財閥がすごく大きいので、必ずしもその財閥系の流通が良いかと言うと、そうではないと。財閥本体そのものもいろんな不動産、金融なんとかっていっぱいやっていますから、一流通事業者なんていうのはほとんど目をかけていないわけですよね。そうすると、財閥系だと思って組んだのになかなかパフォーマンスが上がらないみたいな、そういうケースもあったりするし。財閥系が流通じゃなくて製造業をやっていますよみたいなケースもほとんどなので、これもまたベトナムとは大きな違い。流通マージンも高い、インドネシアは。タイなんかは、これもまた財閥系ですけど、例えばCP、セントラルの2強状態なので、基本的に流通事業者の小売交渉力が非常に弱い。もう本当にここまで御用聞きかというぐらい御用聞きになって、成り下がっている。そんな中でディストリビューターと何を話しても何も決まらないので、CPかセントラルかを選んで、日本企業の場合はCPというケースが多いのではないかと思いますけど、セブンイレブン、世界で2番目に数が多い、1万3,000店舗ぐらいあるんですかね、日本が2万3,000店舗ぐらいありますけども。そうすると、いかにセブンに入れるかみたいな、いかにCPオールと話をしてセブンに入れるかみたいなことが重要な国だったりするわけですよね。ディストリビューターとか中間流通なんかはCPさんに紹介をしてもらう。彼らのひいきにしている、息のかかった、もしくは資本の入ったディストリビューターを小売側から紹介をしてもらうということもあり得るわけなので、そうするとマージンも抑えられるわけですよね。なので、そこがすごく重要だったりするという、こんな構造、流通そのものの構造を調べていく、可視化していくという、こんな調査がなかなか多いということでございます。
また次回以降、うちで多い調査プロジェクトのお話をまた、するのかな、しないのか、ちょっと分からないですけど、何かお話をしていきたいと思います。皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。