森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺一樹でございます。今日は、「お前またかよ」と思われてしまうかもしれませんが、Refarence Value(基準値)についてお話をしていきたいなというふうに思います。
もうほんと、日々思うんですよね。お客様と接していて、お客さんのいろんな企業のご支援をする中で、もうね、やっぱりRefarence Valueをしっかり持っている企業と持ってない企業だと、アジア新興国市場におけるシェアの差って、顕著に、顕著に出るよねと。本当にRefarence Valueってすごく重要だなということを、改めて、改めて感じる今日この頃でございまして。Refarence Valueってかっこよく英語で言ってますけど、日本語で言うと基準値の話なんですよね。基準となる値ですよね、基準値。
僕はこのRefarence Valueをどういうふうに定義しているかと言うと、例えば企業のアジア新興国市場におけるあらゆるアクションというのは、目的があるわけですよね。その目的を達成するためにアクションがあって。もちろん目的の上にはね、ビジョンとか、ミッションが目的になりますけど、その上にはビジョンがあって、目的の下には目標があってみたいな話になってくるわけですけども。この目的とか目標を達成するためにね、例えばシェアを5%伸ばしたいとか、売上を○○億円にしたいとかいう目標、目的があったときに、じゃあ、それを達成するための指標って何なんだろうっていうことを掘り下げて考えていくわけですよね。シェアを5%伸ばすということは、勝手に自分よがりでシェアは伸びませんから、シェアっていうのは100%で、その100%を競合他社何社と市場で獲り合うわけですよね。ですから、自分たちのシェアが5%伸びるということは、どこかで競合が5%シェアを落としているということなわけですよね。もしくは5社いたら1%ずつ落としているということになるわけですよね。そうすると、その競合との競争になるわけですよね。もちろん指標という観点で言うとね、シェアを伸ばすためには、出来る限り多くのお店に商品を置いて、出来る限り早く回転させるという、もうこの2軸の追っかけだと思っていますと、僕はね、消費財の場合は。それ以外の指標をあんまりつくり込んでも、なんかもう、ややこしいだけなので、このど真ん中の指標に僕はいつもフォーカスをするようにしていて。
じゃあ、その指標を上げる、ストアカバレッジ、横軸を上げるっていうことと、縦軸の1店舗あたりの売上とかね、1店舗あたりのストアカバレッジを伸ばして、1店舗あたりのマーケットシェアを、店舗、ストアシェアを上げるためには、じゃあ、どうしたらいいのかっていうところに自分たちのチャネルの強さが入ってくるわけなんですよね。これをどこまで強めたらいいの?っていうのがまさに基準値で、ここを持たないと、どこまで強めるとストアカバレッジがここまで伸びて、どこまで強めるとインストアマーケットシェアがここまで伸びるのかっていうことが分からないですよね。さっきも申し上げた通り、5%シェアを伸ばすということは、競合から5%シェアを奪うということなので、競合の競争力がどれぐらいなのかっていうことを理解しないといけない。これがぼんやりしていると、自分たちの基準値もぼんやりしてしまうので、とにかく今、手が届く範囲の中のことをやれるだけ頑張りましょうみたいな、そういう話になってしまうわけですよね。きっと頑張ればなんとか報われる。それで、蓋を開けてみたら、おいおい、全然違ったとか、そういう話になってしまうので。競合を100とした場合に、自分たちの競争力が80なのか、50なのか、30なのか、これによって全然戦い方が異なってくるわけですよね。そうすると、そもそも5%を上げるというね、この時間軸の引き方も、1年じゃ無理だよね、3年かかるよねとか、5年かかるよね、という違いにもなってくるので、5%シェアを上げたいというのは必ず時間軸とセットで考えるわけですよね。1カ月で上げたいのか、1年で上げたいのか、10年で上げたいのかっていう話なので。そうすると、やっぱりこの基準値を把握するということはね、絶対にやらなきゃいけなくて、これってまさに競合調査なんですよね。競合調査。この競合調査も、チャネル周りのところの情報に特化をした競合調査をやっぱりやらないと、なかなか基準値はつかめないので、一般的にサラッと手に入るような競合調査というよりかは、結構スレスレな競合調査をしっかりやっていくということをやらないと、なかなか難しい。今、自分たちが使っているディストリビューターと競合のディストリビューターの競争力はどうなんだと。じゃあ、そのディストリビューターの中で専属の組織はどういうふうに構成されていて、じゃあ、その専属の組織は日々どういう動きをしているのかみたいな、これがお互いぶつかり合ってシェアを奪い合うわけですから。ここがやっぱり非常に数値で明確に見える化されると、自分たちは、今、これが足りないとか、自分たちはここまで行かなきゃいけないということが非常に明確になるので、この基準値、Refarence Valueをしっかり持つというのはね、本当に重要だなとつくづく感じます。
別に、だから、お問い合わせしてきてくださいというお話をしてるのではなくて、ほかでできるならほかにお願いをしたらよろしいですし、弊社もね、そんなにたくさんお引き受けもできないですし、そもそもやりたいやりたくないというのもありますから、決してポジショントークで言っているわけではなくて。ただ、このRefarence Valueというのは、やっぱり日本の消費財メーカーがアジア新興国市場でさらにシェアを伸ばしていく上ではめちゃめちゃ重要だなとつくづく思ったので、今日はそんなお話をしてみました。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。