森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、番組に寄せられた質問に対してお答えをしていきたいと思います。
今日の質問者もFMCGの業界、B2Cの消費財のメーカーさんからです。質問の内容をちょっとかいつまんでお話をすると、現状のディストリビューターに満足していないという状態なんですよね。ただ、売上もそれなりに今あって、ただ、こことこのままやっていっても何か拡大する具体的なイメージがまったくないし、なかなかちょっと難しいよねと。一方で、ディストリビューターとはもめたくないという状況の中、前にも後ろにも進めない状態になっていますと、どうしたらいいですかという、そういうご質問なんですよね。
これ、すみません、もっと詳しく実態が、私が分からないので、ちょっと無責任なお話をして間違った判断はしてほしくないので、今、私がいただいている情報だけで判断をしていくと、ディストリビューターさんとはね、1つあるのが大揉めをしないということはまず絶対で、ケツまくらないということですよね。切るにしても、これはスパッと切るのではなくて、じわじわ切っていくということがすごく重要で、スパッとやってね、メーカー側にプラスなんて1つもないので、基本的にはスパッとやらない、ケツまくらないというのがもう絶対条件で。基本的には1~2年ないしは3年ぐらいかけてじわじわやっていくということが、僕は非常に重要だなと思います。というのも、スパッとやるということはね、やっぱり最悪、今ある売上がなくなるということなので、次のディストリビューター、ないしは自社の独自の販売組織がしっかりと回ってくるまでは、やっぱり、ああでもない、こうでもない、うだうだと、じわじわとやっていくということがやっぱり非常に重要で。今の既存のディストリビューターとの契約形態がまずどうなっているのかとか、それから今までの関係がどうなのか、オーナーの性格、気性、どうなのか、こういうことも全部見て総合的に判断をしていくわけですけど。基本的にね、切る必要って全然なくて、新しいディストリビューター、今の実態ね、本当に今のディストリビューターが変わらないのかっていうことの整理をまずしていかないといけない。何が足りてないの?と、何を具体的にやらせたいの?ということもしっかり明確にしていかないといけなくて、これを理詰めしていくということはすごい重要で。
結局、全部、ディストリビューターのせいにするんだけども、いやいや、この部分に関してはやっぱりメーカーの至らなさってあったよねとか、あるよねということも見てやっていかないといけないので、すべてが既存ディストリビューターのせいじゃなかったりするんですよね。そう考えると、やっぱり自分たちがいきたい、100という目標に対してね、何が足りていなくて、今現状、何が足りていて、何が足りていないのか、今のディストリビューターは何が良くて、何が悪いのかということをちゃんと整理しないといけない。これもね、また基準値なんですよ。基準値を持たないといけない。じゃあ、今うまくいっている競合さんはどうやっているの?と。ここがしっかり明確に数値で解像度高く見えている、粒度細かく見えている、これがまず絶対重要で、これをベースに、いや、われわれはここはできているけど、ここは足りていないよねと、やっぱりここはどうしても改善していかないといけないよねということを、ファクトベースで積み上げるということはね、すごい重要で。「なんとなくこうなんじゃないか」とか、「なんとなくこうだ」とか、「こう思う」とか、そういうレベルでディストリビューターと話をしてもね、やっぱり絶対に物事詰まっていかないので、自分たちはこことこことここに売りたいとか、自分たちはここまでストアカバレッジを上げたい。なぜならば、ここまで上げていかないと競合はこうなので、この先5年以内に競争に敗れてシェアが下がるとか、衰退するとかっていうことをしっかり描いて、そのためにわれわれのディストリビューターにはこういう活動をしてほしいと。
多くの場合、ディストリビューターは得意不得意があって、得意のところだけやりたい、不得意のところはやりたくない。けど、その不得意のところの利権をほかのディストリビューターに渡したくないみたいな、こういう状況が結構多いんですよね。その不得意の地域をやるには、やっぱりね、経営資源を投下しないといけない。その経営資源を投下するのが、ディストリビューターのほとんどは華僑のオーナー企業ですから、嫌なわけですよね。先に儲かるかもしれない、でも…っていうね。それに対して、じゃあ、メーカーがどこまで協力できるのか、ディストリビューターはどこまでやれるんだと、そこがやれないということであれば、やっぱりその地域の販売権は取り上げていくということをやっていかないといけない。このときにね、多少揉めたとて、今やっている地域を、「じゃあ、もうやらないよ」っていきなり言うなんていうことは絶対にないですよ。今までそんな事例見たことない。だって、そこでね、いや、そりゃあ、1億2億しかやってなかったら、もう捨てるかもしれないけど、そこである程度ね、10億20億やっていたらね、いきなりそれを捨てるなんていうことはないので。ディストリビューターの売上に対するポーションですよね、自分たちのその商品の取り扱い比率、それを見たときに、やっぱりある一定のパーセンテージがあるのであれば、それはそんなに簡単に捨てるような話でもないと。なので、急ピッチでそのエリア、ほかのエリアのディストリビューターを進めながら、もし、今までやっていたエリアを付け替えるんだったら、こことという候補を見つけながらね、進んでいく。
やっぱりね、ディストリビューターとの関係がうまくいってないというのはね、今までそういう関係でやってきたものを、いきなり「今日からこうします」とかって言うと、それは当然動かないですよね。今までぬるま湯でぬるぬるやってきて、全部ディストリビューター任せにしてきたのに、いきなり「今日から私たちの言うことを聞いてください。こうしてください」と言ったって、それは無理で。欧米の先進グローバル企業は非常にロジカルにマーケットをちゃんとリサーチして、ファクトを集めて、それをディストリビューターに提示して、ほら、調査してこういう結果だったから、こういう戦略でこういうふうに陣地を取っていきたいと、ストアカバレッジを上げていきたいと、顧客を取っていきたいんだと。なので、あなたたちにはここの部分になってください、われわれはこれだけ協力しますということを非常にロジカルに合理的に説明をして、ディストリビューターにそれをお願いしていく。それをやらないディストリビューターとは仕事をしないという判断がしっかりなされているので。そこももともとなかったというね、もともとなかった状態から入るので仕方がないんだけども、そこをやっぱり変えていかないといけないし。
日本の企業を見ていてもよくあるのが、やっぱりね、揉め事を嫌うので、コンフリクトが起きる、文句言われるというだけで「うわーっ」となるんですよね。そんなのね、コンフリクトなんか全然起きるんですよ。ディストリビューターの変更なんて、先進グローバル企業はしょっちゅうやっているし、全然あるんですよね、淘汰していく。ディストリビューターを減らしていく。もうね、普通のことのようにあるので、なんでそんなに騒ぐのかとかね。よく分からないのれん代とか払って終わったりとか、「そんな大金払うんだったら僕にください」って言いたいぐらいの案件を何度も見てきましたけども。でも、「穏便に」と、「あとで邪魔されても困るんで」と。いや、そんなね、邪魔なんか絶対してこないですから、悪い人たちじゃない、反社の人たちじゃないのでね。なので、ビビり過ぎというか、揉め事を嫌い過ぎ。それは揉めているんじゃないんですよね。なので、それはビジネスとしてそういう側面も十分海外に行ったらあるので。日本はね、飛ぶ鳥跡を濁さずとか、そういうあれがあるので、とにかく濁すというのが極端に毛嫌いされますけど、ビジネスは始まりもあれば終わりもあるので、それはやっぱりしっかりロジックを組んで合理的にやっていけばいい話なので、そんなにそこを嫌う必要はないんじゃないかなと。
われわれの会社でそういう再構築をやるときは、僕の性格が平和主義ということもあるので、いきなりディストリビューターをぶった切って新しいディストリビューターに付け替えるみたいな、そういう無謀なリスクをおかすディールというか、案件はほぼないですよね、よっぽどのことがない限り。基本的には既存を生かしながら、さらにそれをどう強化していくか。既存が強化されればそれに越したことはないんだけども、多くの場合やっぱり今まで35℃ぐらいのお風呂で「いいなあ」って言っていた人をいきなり40℃のお風呂に入れたら「ちょっと無理」ってなって体が拒否してしまうので、それ、慣れるのを待っていたら時間過ぎてしまいます、チャンス逃してしまいますということになりますから、やっぱり35℃のお湯に浸かっておいてもらって、その代わりこっち側は40℃にしますよということをじりじり、じりじり、慣れさせながら、ちょっとずつ、ちょっとずつ、エリアを取り上げるっていうね、そういうことをしていくケースが多いんじゃないかなと思うんですよね。
なので、ちょっといろいろ話が飛びましたけども、揉めることを恐れないということは非常に重要なことだと思います。結構あるんですよね。今の専務が当時、海外担当部長だったときに決めたディストリビューターだから、ちょっとなかなかとか、当時は、20年前の当時はそれで良かったんだけど、今はちょっと違いますという、もうね、本当にたくさんある、こういう事例って。なので、揉めることを恐れないということは大変大切じゃないかなというふうに思います。
すみません。今日は以上になります。皆さん、また次回お会いいたしましょう。