森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、前回までね、日本の企業にありがちな販売チャネル上の間違い、課題、こんな事例のお話をちょっといくつかやりましたけど、今日はそれの続きと言ってもいいのかな、こういう会社、結構多いですよというお話。
チャネルだけじゃないかもしれませんけども、自分たちのターゲットが明確になって、自分たちのポジショニングをどう設定するかっていうのはすごく重要で、ターゲットがぼんやりしている企業とか、自分たちのポジショニングがぼんやりしている企業というのは結構、新興国市場へ行くと多くて、日本だと完全にターゲット設定って細かく出来上がっていて、ポジショニングももう言わずとも消費者の頭の中に刷り込まれているわけですよね。一方で、新興国市場、アジア、インド、新興国市場に行くと、それが薄れていると、日本ほどの状況にはまったくなっていないということで、このターゲットとポジショニングがぼんやりというのは1つあるんですよね。ここをもう1回しっかりやらないといけないと。その上で、そのターゲットに対して4Pとか4Cね、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション、これを、4Pを4Cにしていくという作業が必要なわけですよね。4Pというのはメーカー側の視点で、どういうプロダクトを、プライス、どういう金額で、プライスで、プレイス、どういう場所で売って、プロモーション、どういうふうに知ってもらいたいのかということを組み立てていくと。もちろんメーカー側の視点でね、プロダクトアウトしていくという側面も、これはこれで重要なんですけど、一方でやっぱり日本企業が非常に弱点と言われているのが、これをどう4C観点で考えるかということなわけですよね。プロダクトに関してはカスタマーバリュー、顧客にとっての価値って何なの?と、あなたが売りたい商品じゃなくて、顧客が価値を感じる商品は何ですかと。プライスはコストに変わるわけですよね、4Cで言うとね、顧客にとっては費用ですと、賄える費用ってどれぐらいなんですかと。プレイスはコンビニエンス、顧客にとっての利便性、どこにでも置いてあっていつでも買えるほうが便利ですよねと、近代小売だけでしか買えなかったら不便ですよねというコンビニエンス。それから、プロモーションはコミュニケーション、顧客が買いたくなるような顧客とのコミュニケーションをどう続けるのかと。こういう視点で組み立てていかないと、なかなかターゲットに売れ続けていかない。
そんな中で、絶対条件が変わらないというね、こういうケースって多いんですよ。もう価格は変えられないんですとかね、製品の原材料はもうこれで変わりませんみたいな、4Pのうちの1つ2つのPが確定してしまっているので、えーって、顧客が賄える金額はこれなのに、そうじゃないとかね。コストを下げないといけないのに、ここの原材料を変えられないと、品質の基準変えられないみたいな話は本当に多くて。その中でどうやって、じゃあ、現場の人たちは戦っていけばいいの?というケースは本当に多くて。でね、これはね、やっぱりもっと俯瞰して見たときにね、見るべき人がたぶん俯瞰して見ているのかなという疑問を持たざるを得ないんだけども、何を頑なにその日本の品質基準を守り続けているの?と、新興国市場で。それはひいては何に繋がるの?というものが明確にあった上でそれをやっているんだったら全然いいと思うんですよね。いや、われわれのこの品質基準を強みにしているんだと、これがわれわれのポジショニングなんだと、だから、価格を高くしてでもこれで市場に訴求していこうと、だから、訴求するためにお金をそこに散々使いますよということをやるんだったら、これは理にかなっているんですけど、そういうことでもないんですよね。いやいや、そんなに大掛かりな話ではないですと、この原材料で昔からやっているので、これは変えられないんですと、この品質基準で日本でずっとやってきているので、これは変えられないんですと、これを変えたらうちの商品じゃありませんとか、それは誰が決めたの? 本当にうちの商品じゃなくなるの?みたいなね、そういうことで現場が苦しんでいるというのは結構たくさん見てきました。
絶対条件を全部取り除いてフラットで考えたときに、合理的にどこにゴールがあるんだろうということをまず見てね、そこから少し巻き戻してっていうふうに考えていかないと。これも、決める権限を、絶対的な権限を持っている人がそれを理解して決めていかないと決まらないですよね、各部門部門でそれはあるので。「いやいや、何を言っているの? 品質としてはもうこれを守らないといけないよ」と、コストの責任を持っている人は「いやいや、いやいや、そんな安い値段で売ってどうするの? これはまだ工場の設備の償却終わってないよ」とか、いろんな事情があるのでね。なので、部分最適で全部が考えられているので、全体最適で決めるべき人が全体を見て決めるというね、ここがやっぱり先進的な企業とか、スピードの速い企業とか、最近で言うローカルの企業でもね、結構、先進企業並みにシェアを上げてくるような企業と比べると弱いっていうのはね、やっぱり非常にあるので。絶対条件が1つの戦略的ポリシーとかね、戦略的信念に基づいて存在しているので変えられないっていうのがあるんだったらね、それは素晴らしいことだと思うんですよ。じゃあ、そこを強みにしてどうやって戦うかを考えようというふうになるのでね。なんだけども、そうじゃないんですよね。いや、そう今までやってきたからそこは変わらないんですと、それに対しても結構、現場もあまり社内で戦わずに、そうなっているのでしょうがないみたいな感じでやっていると。何年かすると担当者が変わるので、そうすると、また気持ちもリセットで、また同じことをずっと10年20年やっているというね、こういうケースは結構たくさん見てきているので、全体最適の考え方がやっぱりすごく重要だなというふうには思います。
皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。それでは、また次回お会いいたしましょう。