インドネシア・ベトナム・フィリピン – 伝統小売の攻略 その2
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この放送の要点
- 伝統小売は3カ年・5カ年計画と予算への社内合意から始める。
- 地域と商品に合うディストリビューターのオーナーと計画を詰める。
- 半年ほどリピートオーダーを追い、ストアカバレッジを伸ばす。
- 自ら現場で攻略の型をつくり、別の地域へ展開する。
ASEANの伝統小売の攻略について話す回です。3カ年・5カ年の計画と社内合意を前提に、ディストリビューターと店舗数や物流を詰め、現場でリピートオーダーを追いながら攻略の型をつくり、他地域へ広げる手順を解説します。
テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日も引き続き、伝統小売の攻略についてお話をしていきたいと思います。対象地域はASEAN、ベトナム、インドネシア、フィリピン辺りを想定して、B2Cの製造業対象です。食品でも、飲料でも、菓子でも、玩具でも、日用品でも、カー用品でも、ガジェットでも、何でも結構だと思いますが、文具でも、B2Cが対象になります。前回のお話でね、伝統小売を攻略するためにはまず近代小売の攻略がありきですよと。近代小売を攻略しないまま伝統小売だけやるって、これね、かなりレアケースというか、もうものすごくローテク商品、例えば渦巻き型の蚊取り線香的なやつあるじゃないですか、昔からあるね、ああいうものだともう近代小売をすっ飛ばして伝統小売だけでやれるとかね、あとめちゃめちゃ安いペンとか、めちゃめちゃ安い鉛筆とか、こういうものは近代小売をすっ飛ばして伝統小売から始めて、近代小売でのプレゼンスまったく関係ないですよという事例は確かにある。ただ、そういう超安価なもの以外は、やっぱりこれ、近代小売の攻略なくして伝統小売の攻略ってなかなか難しいんですよ。今現状売っている商品でね、いや、伝統小売だけで、近代小売に全然入ってない、伝統小売で売れていますというような商品というのは、今言った渦巻き型の蚊取り線香とか、本当に安い鉛筆とかペンとかね、そういうようなものが中心になってくるし、もう本当に安いもの。この安いものの戦いに、じゃあ、日本の企業が参入すると、どのみちローカル系とか中国系に、中国産に負けるので、勝てないので、特に現産現販していない限りね。なので、あんまりそこに行くポジショニングでは、日系企業はそもそもないよねと、アジア新興国市場のこの所得がガーッと上がっていく中で、中間層を中心とした爆発的なマスを獲っていくということで伝統小売なので、基本的には近代小売を押さえて伝統小売と。
じゃあ、仮に近代小売である程度のプレゼンスが発揮されつつあるというタイミングで伝統小売を徐々にやっていきましょうとなったときに、伝統小売って、なんか「1、2、3、はい」と言って魔法のように伝統小売のチャネルができるとかね、どこかのディストリビューターに任せたら、伝統小売がパーンといきましたみたいなことってそうそうなくて、これは僕の過去の経験に基づくものなので、僕はそういう経験はしたことがない。ある程度のところでどのみち止まってしまうんですよね、伝統小売が。だから、5万店、6万店ぐらいまで配荷が伸びましたと、例えば日用品、菓子なんかでね。なんだけど、そこからもうもう止まってしまっていますとか、数万店でね、5万店6万店いけばいいほうですよね。数万店で止まりましたみたいな、そういうことになっていて、このケースというのは、伝統小売何万店、配荷を今していますというディストリビューター、たまたま見つけて、そこにお願いして、基本的には彼らにお任せしてデリバリーしましたと、そしたら、数万店まではいったけども…というような。もしくは、いったんだけども、債権回収で結局困ってしまってフン詰まってしまったみたいなのとか。あと、リピートオーダーが来ないとかね、いろんな問題に巻き込まれて、そのままシュルシュルなくなっていきましたというケースがやっぱり多いんですよね。
伝統小売をやるってなったときに、これはまずね、社内のやっぱり合意を取るということがすごく重要で、意思決定者の合意、これは何年で何万店舗とか何十万店舗をやっていくのかという、年単位での時間軸がかかりますよと、それに対して社内の意思決定者が本当に合意できるのかという、ちょっとやればガーンと行けてしまうんじゃないのぐらいに思われている状態で現場がそれ動いても、結局予算もない、時間もない、中途半端にやって、結局やる前からダメって分かっていたことをやってダメだったみたいな結果にしかならないんですよね。なので、まず、そこがすごく僕は重要だなと。会社として3カ年、5カ年という計画の中で、この国のこの都市で伝統小売を10万店まで持っていきましょうとか、こういう大きなまず計画があって、それを逆算してストアカバレッジを伸ばしていくという現実的なラインを引くということを、われわれはまず必ずやっていく。
次に、伝統小売はやっぱりディストリビューターの活用が絶対で、もちろん自社の営業がそこについてという話になってくるんですけど。まずね、ドミナントでやるということはすごい重要で、エリアを絞るというのがすごく重要で。ある程度、近代小売で実績ができているエリアのディストリビューターで、もうすでに店舗を持っているところ、何百店舗、この地域に500店舗持っています、配荷していますと、500店舗配荷していて、配荷しているものが何なのか、今現状ね、そういうものを欲する店に配荷しているので、その店が自分たちの商品と合っているのかどうかということは、まずすごく重要ですよね。例えばガジェット系を売っているメーカーだったら、ガジェット系が合っているのかとか、菓子だったら、菓子が合っているのか、飲料だったら、飲料が合っているのか、カー用品だったら、カー用品が合っているのか、タイヤなら、タイヤが合っているのかって、そこを合わせていくわけですけども。そこが合わせられたら、そのディストリビューターと、どういう時間軸で、どういうストアカバレッジを獲って、どういう物流をやれるのかという目線合わせをしっかりしていかないといけない。取りあえずやってみてくださいでは、これは想定できないので、なんかこの会社やりそう、このディストリビューターやりそう、契約してやってみよう、蓋を開けたら、うわー、できなかったということをやってきたから今までできていないわけなので。本当にこの時間軸で、この店舗数とこの物量を獲れるのかということを両者で膝詰めで試算していく。こういう取り組みを一緒にできるディストリビューターとでないと、やっぱり伝統小売の攻略って無理なんですよね。絶対にオーナーと話さないといけない、ディストリビューターのオーナーと。オーナーとその辺の合意がしっかり取れたところからまず始めていって。やっていくといろんな問題が出てくるんですよね。経営資源が足りないという大前提としてあって、限られた経営資源の中でね、人・モノ・カネ・情報の中でどうやってうまくそれをパズルしていくんだということをやっていくと、いろんな問題が出てくるので、それを1個1個クリアしながら、ストアカバレッジが伸びてきた。ストアカバレッジが伸びるというのは、やっぱり2回、3回、リピートオーダーを重ねていって初めてそれが自分たちの固定のお店になっていくので、客になっていくので、それをしっかりやっぱり半年ぐらい回していく。その中で進捗を追っていって、ストアカバレッジを伸ばしていって、エリアを強固なものにしていく。
これができていくと、おおよそ自分たちの伝統小売の攻略の型が出来上がってくるんですよね。どういうディストリビューターでないとダメなのかとか、じゃあ、そのディストリビューターとどういう営業方針でやっていかないとダメなのかとか、何を管理すべきなのかとか、おおよそそういうものが固まってくるので、それをまた別の地域で展開をして、型を別の地域に広げることによって自分たちの伝統小売の攻略エリアを増やしていくと。これをスピードを上げていって、初年度はこれぐらいの店舗だったけども、2年目以降はこれぐらいのスピードで拡大をさせていくという、これをずっとやっていくわけですよね。このときに、やっぱり自分たちが自ら、ディストリビューター任せじゃなくて、現場に入りながらそれを組み立てていかないと、真実がやっぱりなかなか見えてこない。ディストリビューターのセールスは、自分たちのインセンティブのことしか頭にないと言ったら語弊ですけど、やっぱりそこが非常に重要なポイントになってくるので。すべての伝達情報にバイアスがかかるんですよね。もちろんセールスのマネジャー、これもやっぱり彼の立場に基づいて情報がまた伝達されて、オーナーは実際にその現場に入りませんから、本当にその現場で何が問題で、何が課題で、どうやったらうまくいくのかということを、最初にわれわれなんかは中に人を突っ込んで、自分たちでその情報を得る。ディストリビューター経由で情報を得ない。現法のローカル社員、ナショナルスタッフ経由で情報を得ない。自分たちの目で情報を得るということをやっていかないと、なかなか最初は真実に行き当たらないので、われわれの会社の中にはそういう担当がいて、そこを中心に伝統小売を攻略していく。課題が何なのか、真実が何なのかということを見て、型を組み立てていくんですけど、こういうことを繰り返していかないと、やっぱり伝統小売の攻略って実際にはなかなかできないんですよね。
なので、なんか簡単にやったら伝統小売、ピャピャッといっちゃうんでしょうとか、ディストリビューターと組めばいいんでしょうとか、そういう世界じゃないですよということを少しでも伝わればいいなと思って、前回、今回とやっておりますが、本当に伝統小売はやらないと、新興国市場は難しいので。伝統小売は、数は減っていきますよ、数は減っていきますけど、もうデジタル武装、伝統小売は個々にデジタル武装していくので、デジタルのスピードのほうが伝統小売が減るスピードよりも圧倒的に速いので、実際に、じゃあ、20年、30年先に伝統小売がなくなってしまって、全部近代になるかって言うと、僕はこの番組でも再三言ってきましたけど、そうはならないと。伝統小売はデジタル武装することによって独自の新たな、より便利なリテールに変わっていくので。なので、デジタル伝統小売みたいになっていくわけですよね。そうすると、やっぱり今獲得しておかないと、B2Cのメーカーにとっては、もう伝統小売は本当に生命線だと思うので、しっかりと中長期で計画を立ててやっていくということが重要なので。まず、簡単にやれるものではないと、3カ年とか5カ年の計画をベースにやっていくというマインドセット、その3カ年、5カ年に予算をつけていくというマインドセットでないと、いろんなB2Cのメーカーが伝統小売で失敗しているわけですから、それと同じことを繰り返すということになっていくと思います。
それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。



