A:東、B:森辺
A:こんにちはナビゲーターの東忠男です。
B:こんにちは森辺一樹です。
A:森辺さん、気分を切り替えて、アジアに戻りたいと思うんですけど、大丈夫ですか。まだまだ話足りないですけど。
B:戻ってまいりましたアジアに。アフリカ、もうとりあえずはおいといて、アジアに戻ってまいりました。
A:本業のほうでよろしくお願いします。
B:よろしくお願いします。
A:ちょっと簡単なところからアフリカについていたので少し日本企業の現状からいうと、基本的にはグローバルに活躍している日本経営は結構いらっしゃいますけど、多くの企業っていうのはまだ輸出事業、まあ海外事業というのも、輸出事業からその現地のチャネルビジネスっていうところに変換するのか、変換し終わったのか、まだ変換する前なのか、三つの状態があると思うんですね、そうすると輸出ビジネスから一つ大きなグローバルマーケティングとか、チャネルビジネスに変えていくときに、一つ大きな悩みを結構抱えているような感触を我々も受けるじゃないですか。その辺って森辺さんどう考えるのかっていうのを。
B:いい話ですね。わかりやすく消費財で話をすると、その企業の海外進出って、早くからやられてるじゃないですか。過去のものっていうのは生産拠点の進出であって、これは今の課題とは全く違う次元の話で、アジアで安く作ったものを日本で消費させるっていうことなので、これは別に海外進出が早かったんですってうちはって、別に生産としての進出だから、関係ないよねって言う話で、まず売り側のことでの進出の話をしますよと、そしたときに企業って、一番最初に輸出のビジネスから始めるんですよ。いわゆる貿易とか、商社さんとか輸出みたいな。これはもう1970年代とか80年代のビジネスモデルで、輸出のビジネスをしていたんでは、もう今のアジアとかグローバルのマーケットっていうのは、なかなかそこの市場で大きなマーケットシェアをとっていけない。この輸出ビジネスをずっと続けていくと、アジアの高度経済成長に引っぱられて、輸出額が105%伸びました、110%伸びました、115%伸びましたみたいなビジネスなんですよ。でもこれは日本から見て輸出額が増えたか減ったかみたいなビジネスで現地マーケットの中でシェアが上がったのか下がったのかビジネスじゃないんだよね。ということはこの輸出ビジネスを仮に日本で作ったものを輸出しているという意味では輸出型かもしれないけど、チャネルビジネスに変えていかなきゃいけない。究極消費財っていうのは現産現販型をしているのが一番いいわけ。最終的には現地で作って現地で売るチャネルビジネスをしていかなきゃいけないという3ステップあるんだよね。輸出ビジネスがあって輸出型のチャネルビジネスがあって現産現販型のチャネルビジネスがあると。
A:そうするとちょっとわかりにくいかもしれないので、輸出ビジネスっていうのはどういうので、輸出型チャネルビジネスっていうのはどういうので、現産現販型っていうのはなんとなくわかるんですけど、チャネルビジネスっていうのは森辺さんなりにどういう解釈をしているかこの三つについてお話いただいてもよろしいでしょうか。
B:この三つの言葉は僕が勝手に作ってる言葉なんで、僕の定義はね、輸出ビジネスは日本で作ったものを単純に輸出する、で、それは日本の商社を使って輸出する。もしくは現地の商社が現地から輸入する。だから日本のエキスポ―ターがエキスポートするのか、現地のインポーターがインポートするのかって話で、生産しているメーカーからしてみたら、FOBジャパンで渡したあと、その商品がどこでどういうふうに売られてて、いくらで売られてるかなんて全く関係ないよっていう話で。うちはこの商品をこの金額で出せます。買いますか、買いませんか、買います。って買って現地で勝手に売る。これが輸出ビジネスなんだよね。だからメーカーとしては現地のどういう小売でそれが売られてて、どういう消費者がそれを買ってるのか、もしくはいくらで売られてるのみたいなことは全くわからないので、じゃあ現地に行って見てみると、輸入品専門で取り扱うコーナーでしか売られていませんでした、値段は日本の3倍ですみたいな。そういうビジネスなんですよ。こんなものがいわゆる中間層をアジアの最大の魅力である中間層が使うような商品になるわけないじゃん。たとえば日本でもあるでしょう。海外の高いシャンプーとか高いクッキーとか、そんなものは我々中間層の、日本は全員中間層なんだけど、中間層のメインの消費するものになるかっていったらならないじゃい。なので結局そういうビジネスは伸びる天井が確定しているんですよ。あんまり高くない。これが輸出ビジネス。輸出型のチャネルビジネスっていうのはあくまで日本で生産しているものを輸出しているんだけども、メーカー希望小売価格、いわゆるSRPをメーカーがちゃんと指定をして輸出の商社さんとかインポーターエキスポ―ターにお願いをするんでなくて、現地のディストリビューターがインポートをする。ですから現地のディストリビューターが現地の流通に【はいた】をする。メーカーとしては現地のどのディストリビューターに売っていて、そのディストリビューターがどういうレイヤーの小売にいくらで売ってるのかっていうのを把握しているビジネス、これが輸出型のチャネルビジネスなんですよ。進歩してるじゃないですか。今までFOBジャパンであとは勝手にやってくれっていうところから、日本から輸出はしているんだけども、あるレベルで現地でどういうところの小売でいくらで売られているかっていうのをメーカー側がコントロールするわけですからね。これをすると今度戦略がたてるわけですよね。輸出のビジネスっていうのは戦略もへったくれもないですから。とにかく買う買わないうちは出せるよっていうのが輸出ビジネスなんで、この輸出型のチャネルビジネスになると、ぐんと売上が伸びるんですよ。で、ここまでいくとある一定の売上利益が出るじゃないですか。たとえばベトナムだったりフィリピンだったりインドネシアだったり。そうするとメーカーの経営はこの国にはマーケットがあるから、現地に工場の設備投資何十億と投資してやって、現地で作ったものを現地で売ろうっていうことができて、そこまでいくとマーケットシェア3割とります、4割とりますみたいなそういうダイナミックなグローバル経営ができると。ここにいかないといけないんですよ。日本企業の多くは、日本国内でテレビCMばんばん流してるような有名食品日用品メーカーであってもまだこの輸出ビジネスと輸出型チャネルビジネスの間みたいなところをちょろちょろやってるんですよね。その中でどうしていいかわからないみたいなお話で。この輸出ビジネスと輸出型のチャネルビジネスっていうのは、やり方も軸となるKPIも全部異なってくるんだよね。そこを理解しないと、そのマインドがチャネルビジネスではできないよっていうことを非常に重要なんだけどね。
A:そうすると最後の現産現販型チャネルビジネスっていうのは、そこまでいかないと儲からないっていうことですね。
B:究極はやっぱり特に消費財なんてね、100円200円のもの売ってるのに、輸出して完全撤廃になったとしてもさ、ワープでも発明されない限り輸送費ってかかるわけじゃない。商品によって空気運ぶようなものもあるわけですよ。ワンコンテナの輸出、船便はね、安くなったとはいえ、1個100円とか50円をさ、考えるとやっぱりもってくるでしょうプライスに。だから究極的には現産現販型のビジネスにしていかないと駄目よっていうことはある。
A:その輸出ビジネスから、チャネルビジネスというところに転換するときに、森辺さんが重要だと思うことは具体的にどんなこと。
B:誰に輸出しているのかということはすごい重要で、多くのメーカーはね、なんか問い合わせがきました。日本の商社が売りたいっていうから、そこそこしっかりしてるし売らせてみましたっていう経緯で始まってるんだよね。なんだけど日本の商社さんが、現地でどういうディストリビューションを持ってるの。そもそも日本の商社が介在しているっていうことで、そこでマージンがとられてるわけじゃない。ですから他社よりも高く市場に出されるのか、自分たちの利益を削るのかっていう話になるわけ。だから本当にディストリビューションできる人が輸入しているのかっていうことがすごく重要で、そこを変えないといけないんです、チャネルビジネスにいくには。でもなんか10億くらい輸出してるから、今から変えると10億の売上いきなりなくすの怖いみたいなね、そういうこともあるので、平行してやっていくんですけどね、基本的にはディストリビューターですよね。
A:そうするとディストリビューターは重要であるということですよね。ちょっと今日は時間がきてしまったので、次回話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
B:よろしくお願いします。