阪西:皆さんこんにちは、ナビゲーターの阪西です。
森辺一樹(以下、森辺):皆さんこんにちは、森辺でございます。今日も東が海外出張中のため、広報担当で私の秘書の阪西がナビゲーターを務めさせていただきます。よろしくお願いします。
阪西:お願いします。
森辺:はい、阪西さん今日は。
阪西:今日は前回の続きで、自分達の代理店が物理的に、自分達の目標に対して達成できる代理店なのかどうか。見極め方法はよく分かりました。もう一方で、対競合との比較についても少し深くお聞きしたいんですけれども。よろしくお願いします。
森辺:前回リスナーの方からの質問の多くを占める、既に代理店ありますと、海外に。もう10年も付き合ってますと。ただ、中々業績が伸びないんですっていう質問。これはB to CもB to Bも両方総じてこういう質問が多いし、うちの会社への問い合わせもこういう問い合わせの中から、それをどう解決するかっていうことだよね、という話をしたと。その問題に直面しているメーカーの皆さんが、それをどうやって解決していけば良いのかっていうお話しなんだけど。
まずそもそも自分達が何年でいくらでやりたいのと。その目標に対して、それを実現する物理的な能力のある代理店を今選んでるのかどうなのかっていう見極めをまず一つしなさいと。これは、例えば10億やりたい、もしくは100億やりたいって言ってるのに、その会社の能力が10億や100億をやれるだけの能力が無かったら、物理的に行かないよねと。分かりやすく説明すると、毎分100リッターの水を流したいって言ってるのに、パイプとなるチャネルがストローみたいな細さだったらね、毎分100リッター流れないから、物理的に無理じゃんと。ビジネスで言うと、100億やりたいのに売り上げが10億の会社は100億買えないわけだから、そもそも売れないよね。もしくは、100億やりたいのに彼らの持っているB to Bだったらユーザー、B to Cだったら小売が、100億買うだけの顧客基盤になってなかったら、そもそも無理だよね。だから、そこを見極めるのが先でしょ、っていうお話しを一つしました。これが一つ重要ですと。
もう一つは、現地で戦うっていうことは、市場で競合他社と競争して勝っていくっていうことですよね。そうすると一番目は、自分と代理店だけの内々の話なんだけど、二つ目は対競合と自分達の代理店を比較した時に、勝っているのか劣っているのかっていうことを、もう一つの観点で見極めなきゃいけないと。競合の代理店より勝っていれば、競合よりシェアが上がるなんてことは無いわけですよね。そこを見極めていくと。この二つ目の方をもっと説明しろっていうことだよね。
阪西:はい、お願いします。
森辺:この競合の代理店と、自分達の代理店がどれだけ違うのかっていう、一対一の比較。これも非常に単純で、向こうの代理店は、毎分100リッター水を流す能力があるのに、自分達の代理店は毎分10リッターしか水を流す能力がない。そうすると毎分90リッター分の差があるわけだから、常に90リッター分、市場は開いていくわけだよね。
そこをどう補うかっていうことが凄く重要で、それを考えていくと、代理店同士の比較じゃなくて、そもそも競合企業はチャネル戦略をどう考えているのかっていうことと、競合自体がディストリビューションネットワークをどう作ってるのか。一社でやってるのか、複数社使ってるのか、自社のセールスどうしてんのかっていう、そのディストリビューションをするネットワーク自体がどうなってるのかっていう話だよね。
3つ目が、この作り上げた芸術的なディストリビューションネットワークのマネージメントをどうしてるのかっていう、この3つを開いて行くと、自分達がいかに日本にいながら、10年前に決めた代理店に何ヶ月かに1回訪問して、「新商品出ました。売ってください」「今年どれだけ行きますか?」「いや景気が悪いんで行きません」「ああそうですか、残念です」っていう、意味のない海外出張というか、代理店訪問を繰り返してきた10年間かっていうことがね、よく分かる。
この方法やってると、景気と為替に左右される。業績が悪い言い訳が全て、為替と景気になっちゃう。「いや、円高が進んで」「いや、現地の景気がGDPがちょっと落ち込んで」。為替と景気言い訳にしたらビジネス成り立たないので、為替と景気は業績に大きな影響を与える一つの重要な要因ではあるけども、それをエクスキュースにするのはビジネスじゃないわけですよね。
そうすると、やっぱりそもそもメーカー側がチャネル自体のことを真剣にやってきてなかった10年間っていうのがあって、それをもう一回リビルドしていくっていう上では、敵のチャネルの戦闘能力が今どれぐらいで、自分達の戦闘能力がどれぐらいで、その開いた差をどうやって埋めてけばいいのかっていうことを、腰を据えてやらないと、「今の代理店だめだから、もっと良い代理店見つけてきて」「そこに変えて売り上げあげちゃうぞ」っていう、そういうシンプルな話じゃないんですよね。
だからご相談いただいても、そこを理解できない会社は、いくら良いディストリビューターを紹介しても、そのディストリビューターを上手くマネージメントもコントロールも育成もできないので、結果として勝てない。だからメーカーは海外で商品を売るっていうことは、ディストリビューターよりもユーザーよりも、B to Cなら小売よりも、市場や競合や自社のことを理解をして、その国でビジネスを展開しないと、中途半端に代理店捕まえて「さあ売ってください」っていう考えだと、中々恒久的にはその国でマーケットシェアは取れないし、海外売上比率なんていくら上がったって意味ないんですよ。重要なのは、現地のマーケットシェアなんで。欧米の先進グローバル企業がね、「私共の海外売上比率は何%を越えています」なんて表現は一切使わない。彼らは「自分達はこの国、もしくはこの地域で、マーケットシェア何%持っている」と。これが評価基準で、海外売上比率がいくら高くたってね、市場シェア2%だったら、箸にも棒にも引っかからないわけで、そこの考え方を根底から日本のメーカーは変えていくっていうことが凄く必要だと思うんですよね。
なので、話が凄く大きく展開しちゃいましたけど、今ある代理店と上手くいってない会社がやるべきことは、そもそも自分達がやってほしい売り上げをやれるだけの能力がある代理店なのか。毎分100リッター流したいのに、それだけ太いパイプになってんの?っていうことが一つと、もう一つは、競合と比較して自分達の代理店が強いのか弱いのかっていうことを見ていく。この二つをやるっていうことが凄く重要で、うちの会社でお手伝いするのは、この二つをやって、より良いチャネルを作り上げるっていうことが、僕の仕事です。
これでリスナーの質問には回答になってるかな?
阪西:はい、ありがとうございます。
森辺:はい、ありがとうございました。