小林:皆さん、こんにちは。ナビゲーターの小林マアヤです。
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。
小林:森辺さん。本日のPodcastの内容なんですけども、前回に引き続き、「Podcast500回記念セミナー」に第2部、徹底討論ということで。
森辺:質問ね。
小林:はい。
森辺:今日の質問はどんな質問ですか。
小林:海外に輸出する際に、1か国1ディストリビューター制の方がいいのか、または、複数のディストリビューターを活用した方がいいのか、どちらが正しいのかお教えください、という質問です。
森辺:ありましたね、そんな質問ね。たしか、BtoCの消費財のメーカーさんからの質問だったと思うんですけども。これ、BtoBだと1か国1ディストリビューター制の方がいいっていうケースはあるんですよ。なぜならば、結局重要なのって、1社のディストリビューターで、本当にターゲット全部に配荷ができるんですか?要は、通じてるんですか?っていうことなんですよね。で、BtoBの場合だと、すごく大型のものを売ってるときとかって、もうユーザーも、この産業のこういう企業って限られてて。そうすると、この産業のトップ10の企業しかこういったものは必要としないってなってくると、そんなにたくさんディストリビューターいても意味がないので、この用途はこの1社っていうケースが多いんだけれども、BtoCの場合は、消費財の場合は、基本的には1か国1ディストリビューターだと、別にだめとは言わないけど、売上げ上がらないしマーケットシェアも高まらない。なぜならば、1社のディストリビューターに何人の営業マンがいて、そのうち何人が御社の商品を担当してくれていて、例えばそれが10人だったら、その10人で本当にすべてのアウトレットを賄えるんですか?100人だったとしても、すべてのアウトレットを賄えるんですか?っていう問題があるので、無理ですよっていうお話をしていて。基本的にはMTだけでも、何千とあるわけじゃないですか、消費財って。TTだっつったら、何十万とか何百万ってあるわけですよね。そうすると、二次ディストリビューターがいるっていっても、1社のディストリビューターだと、もう物理的に配荷が行き届かないっていうことがあるので、だめですよと。ただ、日本の消費財メーカーの場合は、理由なき1か国1ディストリビューター制をひいてるケースが多くて、そこまで逆算してカウントしてなかったりするんですよね。なので、数の原理で逆算していけば、自分たちのターゲットとなるアウトレットが、例えば5万アウトレットありますと。その5万に1社のディストリビューターの100人の営業マンでリーチするには、一体何年かかるでしょうって逆算していけば、やっぱり1社じゃ無理だよねっていうことが分かるわけですよね。特にインドネシアみたいな、島が、主要島が5島6島ある国、フィリピンでも3島主要島分かれてる、ベトナムでも、ハノイからホーチミンまで1500kmあるような国だとね、やっぱりいくつもディストリビューター使わないといけないってのが一つですよね。あと、もう一つあるのが、ディストリビューターもオールマイティじゃないので、コンビニには強いけどドラッグストア弱いとかね。ドラッグストアも、今、例えば食品置いてたりするんでね。食品メーカーの場合ね。あと、コンビニには強いんだけどスーパーは弱いとか、スーパーは強いんだけどコンビニ弱いとかいうのが、やっぱりあるんで。そうすると、どの小売りには誰が強いのかっていうところから見ていく必要もあるし。あと、エリアですよね。このエリアは強いけど、このエリアは弱いってのあるんで。そうすると、必然的に複数のディストリビューターを、カニバらない状態で、エリアと小売りを分けて、カニバらせない状態で複数使うっていうのが、先進的グローバル消費財メーカーがやってることなので。この質問の問いとして「1か国1ディストリビューターでいいのか?」っていうと、僕は「良くない」と思っている。事実、成功してる先進的グローバル消費財メーカーもそうはしていないというのが、現状かなと思います。ただ、輸出でやってる場合はなかなか、「現地に介在しろ」って僕は言ってますけど、「そんな所謂港から港の商売するんじゃなくて、相手の港に着いた後の中間流通、自分たちの商品がどういう中間流通を通じて、どういう小売りにどう並んで、どういう消費者が何を思って買って、リピートしてんのかしてないのかに介在しろ」って言ってますけど、現実問題、なかなか介在難しいじゃないですか。そういう場合は、複数といってもやっぱり2社3社っていう少数になってしまうこともあるので、そこは企業の状況というか経営資源、活用できる経営資源の大きさにもよってくる、っていうのが実際のとこだと思うんですけどね。ちょっと話長くなっちゃいましたけど、こんな感じで答えたんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
小林:はい。ありがとうございます。じゃあ、お時間やってまいりましたので、本日はここまでにいたします。リスナーの皆さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。
<終了>