東:こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:では、引き続きOさんの話しというか、質問に答えていきたいと思うのですけど、具体的にインプットを増やしながらアウトプットをしていくという話しだったのですけど、今我々具体的にマーケティングで言うとグローバルマーケティングで言うと4CとかRSTPMMというところまで細分化出来れば1番いいと思うのですけど、取っ掛かりとしては4Cなんかが1番このOさんに分かりやすいのかなと思うのですけど、その4Cについてご説明いただいていいですか?
森辺:この4Cはマーケティング用語でもう1個4Cというのがあるのですけど、それとはちょっと違っていて、私がグローバル市場における参入戦略をたてるときに、重要視する4Cなのですけど、1つが自社です。カンパニー。自分の会社がどうなのということと、もう1つが市場でカスタマー。もう1つが競合でコンペティター。最後が流通でチャネルというので4Cというふうに言っているのですけど、これの実態を可視化して整理して参入戦略を描く必要があるわけなのです。前回のお話で言ったら、何を誰にいくらでどう売るのという。何だったら、いくらだったら、誰にだったら、どうだったらという話しがあったと思うのですけど、それを埋めるためにこの今言った4つの項目を徹底的に深掘りしていくということをやるのです。
東:多分Oさんの場合だと、マーケティングを社長ではないので、本業の4Cというのが具体的に出来ているかどうかというのは結構この文だけ見ると微妙な感じがするのですけど。
森辺:新規ではなくて既存の方?
東:そうです。この既存もやはり客観的に見たほうがいいのか、既存は一回置いておいて、新規から始めたほうがいいのかと言ったら森辺さんとしてはどんなふうに考えられますか?
森辺:既存の事業における常識は引き込んでほしくないのです。なんですけど、同時に客観視して見ていくということはすごく重要なので、既存事業を無視しなさいと言っておきながら既存事業を見なさいと言っているのです。これがすごく難しい話しなので、いったん無視しろと言うのですけど、なかなか出来ないのです、そんなの。なので、東さんが言う通り、既存の事業の常識は持ち込まない。ただし、既存の事業は成功しているということは必ず乗っているので、そこは見て確認をするということは重要だと思います。
東:そうすると、やはり既存の事業の4Cというのもいったん、軽くでもいいので知っておく必要があるということなのですよね。
森辺:そうです。
東:特にエンジニアの方だと思うので、実際にお客さんとか競合さんとあまり触れたことが逆にない方々が新規事業をやられるとすると。
森辺:そうです。そこは重要かもしれないです。
東:既存の事業を、分かりやすいところで言うと、例えばこういったシステム関係のお客さんで、こういった自社と市場と競合と流通というのを紐解いていかないといけないと思うのですけど、どうやっていったらいいのかなというのが、多分そこは、Oさんは分からないと思うのですけど、当然新規には新規でやらなければいけないと思うのですけど、既存の方が多分簡単だったりするではないですか。となると、森辺さんだったらどういったところに注意点を置くというか、既存の4C分析をしようとした場合。
森辺:多分言っている自社、市場、競合、流通みたいなところに乗せていくわけです。例えば、市場というのは、結局すごく分かりやすく言うとそこでその商売をして儲かるのですか、儲からないのですかということをマクロ数値的な観点で見たいのです。例えば、人口が100人の村で商売をするのと、人口が10人の村で商売をするのと言ったら100人の村で商売をするほうがいいではないですか。すごくシンプルに言うと。でも、世界で見たときに、バッと見たときにそこにはGDPが出てきたり、1人当たりGDPが出てきたり、出生率が出てきたり、性別が出てきたり、いろいろなことが出てくるわけです。そのマクロの数値だけではなくて、今度法律的な観点で外資の規制がそもそもあったら参入出来ないというのが出てきたり、それから政治的な背景、文化的な背景とかいろいろな背景が出てくるわけではないですか。そういうものを全部調べていくのですけど、それが一番確率の高い市場が一番いい市場なわけではないですか。競合とか流通とか一切考えずに、マーケットとして純粋に見たときに。そこが、一番プライオリティが高い市場だという話しで、例えば世界でとやってもいいし、日本国内でとやるのだったら北海道なの?東京なの?九州なの?どこなの?という話しだと思うのですけど、よく鼻から海外で出る国を決めている企業いるではないですか。弊社はベトナムに出ますとか。何でですか?活気があるから、みたいな。そういうことではなくて、いわゆる相対比較をした上で本当にそこなのですかということなのです。
東:そうすると、Oさんの場合で言うと日本で新規事業という課題が与えられているような感じなのですけど、日本で新規事業がいいかどうかというところも1つ見ていったほうがいいと。
森辺:見ていったほうがいい。結局日本の市場にそういうニーズが本当にあるのか、ないのか。数値的に見て本当にニーズにはまるのか、はまらないのか。それも見ていかないと行けないし、これをどんどん追求していくと日本にもまだないものとか、という話しになってくるので今度そうするとポテンシャルを見ていくという話しになるのです。だから、すごく大変な作業なのですけど、まずそこを見ていかないと。市場がある、ない、YES、NOをはっきりさせるわけです。もしくは世界だったら、やはり国外優先順位が高くて次にここで、次にここでと決めていくわけです。
東:市場をまず見ていきながら、日本と書いてありますけど、本当に日本だけでいいのかどうかを含めてアジアなのか、欧米なのか。そういったところまで広めていって、そこを知っておく必要があるということですよね。
森辺:そうです。
東:市場を見て、次にはどうしたらいいのですか?
森辺:競合を見るのです。要は結局こういう話しなのですけど、さっき100人の村と10人の村、どっちで商売をするのが儲かりますか?というので100人だという話しをしたと思うのですけど、当然100人の村には競合がいる可能性があるわけです。10人の村には競合がいないかもしれなくて、当然競合も同じことを考えているわけで、人がいっぱいいるところで商売をしたいと思っているわけなので、結局100人のところでは10社の競合がいますと。けど10人の村には競合は1社もいませんと。どっちとるかという選択肢をまたそこで考えないといけないので、さっき言った市場という観点プラス競合という観点で見ていかないといけなくて、結局その競合がいるかいないかということだけではなくて、競合がどれくらい脅威なのですか。それを見ていかないといけないのです。何を強みとしていて、どこに弱点があって、果たしてそれをつく方法はあるのということを、具体的に整理をしていかないといけないことが、競合がいるという話しなのです。この領域になってくると自社内でそんな調査が出来るかというとなかなか難しいと思います。これも餅屋は餅屋なので。外注を使ってやっていくということの方が圧倒的に早いといえば早いのです。
東:競合を見る場合というのは具体的にこういったところを見るとかは何かあるのですか?
森辺:これも競合の可視化はすごくセンシティブなものではないですか。僕がいつも気になるのはトップがどういう人物なのかということとメンバーです。どういうメンバーがいるのか。後に話すと思うのですけど、その彼らのチャネル、要は売るための流通構造はどうなっているのかということが1番気になるので、そこを見ていく。これも物によって、サービスによっていろいろ違うのですけど、チャートが出来るではないですか。こういうことは強いけど、こういうことは弱いみたいな。そのチャートの合計点だと思うのです。100点満点中この競合は100点なのか120点なのか50点なのかということを見ていくわけなのですけど、私はそこが1番気になるところです。あとはお金です。どれくらいの資金力があって、どれくらい投資できるか。結局最後は投資合戦になったりするケースも多々あるので、そこが1番気になるところです。人、金、チャネル。
東:そこをまず競合でじっくり見ていきましょうということですよね。今日はもうそろそろ時間になってきましたので、次回流通と自社が残っているので少しそこを解説いただきたいと思います。森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。