東:こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:では森辺さん、引き続きOさんのご質問に答えていきたいと思うのですけど、前回のスロット分析をまずそれぞれで4人の方々でやってみてもらって、それを上位の役職者に見てもらうというお話だったのですけど、上位の役職の方に見ていただく目的は具体的にどう捉えたらよいのですか?
森辺:一言で言うとあっているのか、あっていないのかということを見るという話なのです。結局何で外部に見てもらった方がいいですよという話をしているかと思うのですが、自社の自己分析みたいなのをやるではないですか、自分のを。自分から自分のことが1番よく分かっているというのは1つ事実なのですけど、外部がそれをどう見ているのかというのが、全部が全部正しくないのですけど、1個2個のヒントがそこから得られるケースというのはすごくあるので、外部を使うというのは1つあると思うのです。特に技術肌の4名でこれをやると、多分すごく内容が偏っていく可能性が非常に危険だなというふうな印象をもっていて、なので営業畑、営業肌なのか、経営肌なのかそういう人たちにも見てもらうというかやってもらう。見てもらうというよりもやってもらったら良いと思います。一言でいいと思います。うちの強みは何ですか?弱みは何ですか?うちの今後の機会と脅威は何ですか?ということだと思うのです。多分一言でパッと出てくると思うので、出てこない人もいるかもしれないですけど。
東:自社のことはなかなか自社の人たちでは見えない部分というのが結構われわれもコンサルに入っていてそう思いますよね。
森辺:一言では出てこないな。社長に言ってもうーんと。
東:いっぱいありすぎて分からないみたいな。
森辺:多分考えると思うので、そうですね。
東:そうするとスロット分析をある程度の規模だったら役員とか営業の方全員にやってもらっても面白い。その上で巻き込んでしまえみたいな。
森辺:巻き込んでしまえばよい。新規事業なんてどれだけ外を巻き込めるかではないですか。
東:4人だけでいきなり立ち上がらないですものね。
森辺:絶対立ち上がらないので、どれだけ外を巻き込めるかと思うので、人を動かす力とかいろいろなものが必要になってくると思うのですけど、とにかく巻き込んでいくということがすごく重要なのではないかなと思うのです。でも良い接点ですよね。例えば、分からないです。1000億ぐらいの会社で1000億ぐらいあると社長に会うということなんていうのはそんなに、例えば社員1000人とかいたらほんの5%、10%の人たちが常に。10%もいないですかね。ほんの5%の人たちが社長と接触しているのかもしれないですけど、こういうミッションを与えられるということは、社長への直ルートはできるという話なので、チャンスといえばチャンスです。
東:Oさんの企業規模は分からないですけど、結構今上場企業でも新規事業の立ち上げというのは多分1つの課題となっていて、それが日本国内か海外かという話だけだと思うので、そういったスロット分析を周りにいる人たちを巻き込んでやるというのが1つ面白いかもしれないですね。そうすると、スロット分析をすると具体的に、特に強みというのが明らかになれば当然新規事業を、何をやっていけば良いのかというのが結構フォーカスされるということなのですね。そういった、この4Cの分析を終えて最後に書いてあるのですけど事業計画の書き方のコツみたいなのが、何かあれば教えてくださいみたいなことを言われているのですけど、それは森辺さんなりにどうですか?
森辺:今スパイダー2社目ではないですか。事業計画は嫌というほど書いてきているので、その事業計画で前の会社は3億くらい資金調達をファンド化でやっているのです。銀行向けの事業計画も書いたりしているので、なんか教科書の事業計画の書き方は本を読んでもらったらいいと思うのですけど、僕の経験が役に立つのかどうか分かりませんけど、僕はいつも空想にならないように注意するのです。事業計画を書くときに。夢物語ではないですか。事業計画を書いているときが1番楽しいわけです。それが、空想チックになっていくとういのがすごく怖いので、いかに事実に基づいたものになるかということを僕はすごく気をつけるというのが1つなのです。あと、事業計画は書いていると自分の再確認になるのです。なるほど、うちの会社はここが弱いなとか。なるほど、ここは気をつけないといけないなということを書いているからこそ分かるのです。だからリーダーが書かないとダメ。手を動かすということの、書かすのではなくて、この新規事業の責任者が事業計画を最後書かないと絶対ダメなので。調べるのは部下にさせたらいいと思うのですけど、それはすごく重要で。何でかというと書いているときにいろいろなことを確認するから。あと、もう1つ事業計画というのは自分のためでもあるのですが誰かに見せるものではないですか。最初にサマリーのないもの、最初の1ページで全体像が分からない事業計画は、僕は見たくない。例えばこの事業一緒にやりませんかとか、このディールに投資しませんかみたいな話がきたときに、1ページで全部が分からないともう見たくないというのは1つあるので、そこの3点かなと思うのですけど。
東:そうすると1ページにまとめるというのは、最初の1ページにまとめた方がいいのか、やりながらまとまっていくものなのか。
森辺:やりながらまとまっていく。
東:そうすると最終的に1ページにまとまればいいということですね。1ページを見て外部の人に、もしくはこの方、Oさんだったら社長にこういう事業計画ですというようなことが説明できれば良いかなと。その1ページの中には、具体的にどういったものが、どういった要素が入っていれば客観的に見たら、見る側の人にとって優しい事業計画表になるのですか?
森辺:今まで説明しているような、自社、市場、競合、流通みたいな話もそうなのですけど、前々回にも話た何をいくらで誰にどう売るビジネスなのかという、これはビジネスモデルではないですか。誰に何をいくらでどう売るビジネスモデルでこのビジネスモデルによってこれだけの収益がたちますよというのが1ページなのです。パッと見て分かるわけではないですか。その中身というのは「本当なの?それ」というのを見ていくという話なので、その1ページでワッと思わなかったら中身を見たいと思わないわけで。その中身のところが、数字のところで計算を細分化していくわけではないですか。新規事業で、3年で10億になりますとかと言うわけです。その10億の中身はなんのかと言ったときに、ここと、ここと、こことここに売るのでと書いてあるわけではないですか。けどそれがなぜここと、ここと、こことここに売れるのという。それはいくら売れるの、いつ売れるの、どうやって売れるのということを突き詰めていく。どれだけ突き詰められるかということが良い事業計画なわけで、具体的になっていればなっているほど。例えば書くときにいつも思うのです。自分がこの事業に投資をする投資家だと思って書くわけです。そうすると自分のお金を生き金にしたいから投資するわけではないですか。そうすると、どれだけ10億たつという数字が本当なのかどうなのかということは書かれている事業計画に投資をしたいわけです。けど、多分こうなの、こうなりますみたいな話だと最後その人にかけるしかないではないですか。だから、限界は当然あるのです。なんですけど、そこはすごく重要だと思います。
東:よくあるのは3年後に10億ですと。10億の根拠がなんとなく曖昧であったりする事業計画書というのがあると思うのですけど。
森辺:めちゃめちゃあります。一部上場企業の新規事業部はそんなのばかりです。3年、5年で10億やります。その根拠は?こんなの根拠ではないよというものすごくある。これ別にOさんの企業が大企業なのか中堅企業なのか中小企業なのか分からないですけど、ここに関してだけは大企業も中小企業もスタートラインは一緒なのです。だって大企業にいる人たちだって事業計画なんて書いたことなければ新規事業なんて立ち上げたことないわけではないですか。そうするとスタートラインは同じなので、全然その大企業だから良いとか中小企業だからダメだということには全くないのです。そんなの会社の中で事業を書いてあること人なんて創業者と創業メンバーだけではないですか。なので、すごく良いチャンスだと思うのです。
東:事業計画のポイントをもう1度3つあったと思うのですけど整理して言っていただくと。
森辺:1つが空想にならないように夢物語にしないこと。事実を書いていく。絶対に空想になるのです。もう1つが、リーダーが書く。自分のための整理なので、事業計画を書くことによってもっとここを調べなければダメだとか、ここが甘いとかいろいろなことを書きながら出てくるのです。だから、そこはリーダーが書けということが1つ。あと同時に人に見せるものなので1ページで全てが分かる、全体像が分かる。全てではなくて全体像が分かるものにしていくということです。そこで示した全体像というのは、何をいくらで誰にどう売るビジネスモデルで、こういう収益がたちますよというのが全体像であって、ではその収益が立ちますよの根拠をどれだけ具体的にブレークダウンできるかというのが事業計画の中身ですよと。実際に事業計画の目次とかどうしたらいいのみたいな話はもう本屋さん行って事業計画の書き方1、2、3とか、ばかでも分かる事業計画の書き方書みたいなのがあるではないですか。あれの1番ピンとくるやつを選んで、なんでもいいと思うのです。ただ、1,800円から2,500円ぐらいすると思うのですけど、それを1冊、2、3冊買って1番マネできそうなもの。1番後ろに事業計画書き方。
東:フォーマットみたいな。
森辺:フォーマットみたいなのがついているので、別にどのフォーマット使ったって変わらないので、それで1回書いてみたら良いのではないですかね。
東:分かりました。では、今回これで終わりたいと思うのですけど、最後に森辺さんからOさんは最初から聞いていただいているようなので、ちょっとメッセージを。
森辺:Oさん、役に立ったかどうかあれですけど、いつも聞いていただきありがとうございます。また、大変長いご質問のメールをいただきまして反映するのが遅くなってしまって、いろいろな事情もあり申し訳なかったのですが、今回の放送がお役に立てば幸いです。これからも引き続きよろしくお願い致します。
東:ありがとうございました。では、他のリスナーの方もこうやってご質問をいただければお答えさせていただきたいと思うので、ぜひご質問をお願いしたい、できればなと思います。ご質問はPodcastを見ていただければ分かるのですけど、Podcast@spygrp.comまでメールをいただければ、われわれの方で検討させていただくと同時にこういった番組で取り上げたいと思います。
森辺:あとFacebookの案内をしていいですか?森辺一樹のグローバルマーケティングのFacebookで、収録の様子なんかの写真をアップしておりますので、ぜひ見ていただければと思います。よろしくお願いします。
東:森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。