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第102回 日本企業の世界競争力の低下の要因

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皆さん、こんにちは。スパイダーの森辺です。前回、日本企業の世界競争力についてお話をしました。過去25年間で、日本の世界競争力がとても低下をしてしまっている、というお話をしました。今回は、その日本の世界競争力が低下をしてしまった要因が一体どこにあったのか、というお話をします。これを知ることで、次の25年、われわれ日本企業が何を変えればいいのか、どう変わればいいのか、そんなことのヒントになると思います。今日は、日本企業の世界競争力が低下した要因について、一緒に学んでいきましょう。
 まず、なぜ日本は世界における競争力を失ったのか。なぜ、日本企業はリーダーシップを失ってしまったのか。その問いに対する答えは2つあります。1つは、技術力がすべてだという考え方にやっぱり固執しすぎた。もし、技術力がすべてなんだったら、三洋という会社はいまだに存続していたでしょう。シャープという会社が、台湾の会社の傘下に入るということはなかったでしょう。日本の白物、黒物家電がこれだけ苦しめられるということは、おそらくなかったんじゃないかなと。やっぱり日本の企業は、高品質・高機能にこだわりすぎた。多くの家電製品というのは、発明から長くの時間が経っていると。当初、日本がアメリカからそれを奪ったときは、いかに小さく、いかに高機能に、いかに壊れないようにつくるか、ということがメーカーに求められるお題だった、そんな時代だったんですよね。そこから時代が劇的に変わって、アジアの企業でもつくれるようになった。ぶっちゃけ、中国の企業でも、韓国の企業でも、台湾の企業でもつくれるようになってしまって、さほど機能や品質に差がなくなってきた時代に、このコンマ何ミリの品質、本当に僅かの、目に見えるか見えないか分からないような品質、技術の競争の戦いにこだわりすぎてしまったと。その結果、売るということよりも、つくるということを優先してしまった。
 もう1つが、競争環境と市場環境の劇的な変化に気付けなかった。競争環境というのは、今も申し上げたように、昔は日本企業だけしかつくれなかったので、特にそんなに大変な競争環境ってなかったんですよね。でも、今、中国の大物の白物家電ってハイアールが世界No.1だし、中国には美的という会社もあるし、サムソンもあれだけ成長するとは思わなかった。LGだってそうですよね。そうすると、昔とは競争環境が劇的に変わっていて、アジアの企業でも多くのものをつくれるような時代になっちゃったと。従って、つくることというのは当然重要なんですけど、プラス売る力というものも必要になったと。つくる力と売る力が両方メーカーには求められる、そんな時代が来てしまったということと、もう1つの変化は、市場環境が劇的に変わった。これは、今までって、日、欧、米の3大陸というか、3地域がいわゆる市場だったわけですよね。アジアのような所得の低い人たちの国は、正直、日本の企業にとっては大した市場ではなかった。本気に取り組むような市場じゃなかったのが、先進国は大きな市場である、ということは依然変わらずも、新興国までが市場になってきてしまったと。新興国と先進国って市場のニーズが全く違う中で、この劇的な変化に日本の企業の戦略が追い付かなかった、ということが大きな要因ではないかなというふうに思います。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。