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第149回 先進グローバル消費財メーカーから学ぶ3つのKSF その2

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、先進グローバル消費財メーカーから学ぶ3つのキーサクセスファクター その2ということで第2回目に2つ目のキーサクセスファクターの要因についてお話をします。

前回、1つ目は早期進出だという話をしました。そして、その早期進出ができる理由について、失敗をよしとする欧米先進グローバル消費財メーカーの文化がやっぱりあって、そのマインドセットを変えない限り日本企業は駄目だという話をしました。今回、2個目なんですが、スライドをちょっと切り替えてもらって、2個目は、やはり中間層ターゲティングから欧米の先進的なグローバル消費財メーカーは絶対にブレないというのがキーサクセスファクターの大きな1つの要因です。

この図は、アジア新興国市場の中間層の数を示したものなんですが、現在、アジア新興国市場には約15億人の中間層がいるというふうに言われていて、これが2030年度ベースで30億人にまで拡大をしていくと。消費財メーカーにとって一番重要なのって何かと言うと、数なんですよね。彼らは100円200円の消費財を売っているわけですよね、FMCG、食品にしろ、日用品にしろ。そうすると、いかにこのボリュームゾーンである中間層を狙うかということがもうビジネスモデルとしてはもう、最大の肝で。いかにたくさんの人に、いかに早い頻度で、繰り返し、いかに永遠に買い続けてもらえるかということが消費財メーカーの最大のビジネスの肝なわけですよね。そうすると、消費財ビジネスにとって、中間層を狙うというのは絶対的に必要で。日本の消費財メーカーの多くは、自分たちの商品をあまり変えたくない。日本で実績のある商品、いわゆるオーバースペックな日用品をできれば、少しは安くするけど、そのままの状態で売りたいというのが根底にあるので、どうしてもターゲットが富裕層に上振れしてしまう。もしくは、上位中間層という非常に耳障りのいい層を抽出して上振れちゃう。もしくは、まずはという言葉を使って、まずは富裕層、まずは中間層というところから入っていきがちなんですが、欧米の先進的なグローバル消費財メーカーはもう最初からど真ん中の中間層めがけてターゲティングをして。結局、これもまた、別の機会で話しますけども、アジア新興国市場の消費財の販売チャネルの構造というのは、近代小売と伝統小売に分けられていて、これって別に富裕層が近代小売で買って、貧困層が伝統小売で買うなんていうことではなくて、両方が両輪で動いているんですよね。近代小売で売れ筋のものは伝統小売でも売れるし。そして、その数が国によって違いますけど2:8とかという中で、富裕層だけをターゲットにするなんていうのはかなりナンセンスな戦略で。これが化粧品メーカーですと、自分たちは3,000円5,000円の化粧水を売っているんですというのであれば分かります。もしくは、自分たちはモンブランなんですと。高いペンを売っている。これも富裕層を狙ってOKでしょう。自分たちはゴディバです。高いチョコレートを売っているんです。これも富裕層を狙って構いません。ただ、日用品を売っているのに、富裕層をアジア新興国で狙うなんていう戦略はもうナンセンス以外の何物でもなくて。あくまでも中間層をターゲットにしないといけないので。そのことを欧米の先進的なグローバル消費財メーカーはよく分かっているので、中間層ターゲティングから絶対にブレない。これがやっぱり彼らの主要なキーサクセスファクターで。ここをブラしちゃうと、もう何でもありになっちゃうんですよね。結局、参入戦略で最も重要なのは、ターゲティングと4P。ターゲティングがしっかりあって、中間層がターゲットってあるから、中間層が求める商品を、中間層が賄える価格で、中間層が買いやすい売り場に並べて、中間層が選びやすいプロモーションをするという戦略が出来上がっていくのに、ターゲットが製品ありきでターゲットが決まっている。要は、自分たちの商品はいいものです、ちょっと高いです、だから買える層、上位中間層以上と、これが日本の企業の戦略で。こんなことをやっていたら日用品、当然中間層は獲れないので、欧米の先進的な企業に対して、どんどん、どんどん、シェアの差が上がってきてしまう。もしくは、食だったら日本食を押し売るみたいな戦略というのは、別に彼らが本当にそれを望んでいるんですかと。望んでいるだったら押し売ったらいいし、もしくは、訪日インバウンドみたいな、ごく限られたターゲットだけを狙うんだったらそれでもいいでしょうけども。食の文化をつくっていくなんていうのはものすごい大変なことで。そうではない中間層を本当に獲っていくんだというのであれば、やっぱり戦略を変えていかないといけない。欧米の先進的な企業が1つ絶対的にブラさないのは、ターゲットが中間層です。中間層から戦略がブレない。中間層がターゲットということをベースにすべての戦略が組まれているという、これが彼らの主要成功要因の1つだというふうに思います。日本企業もこの中間層ターゲティング、化粧品とか高級品を売っているところは別です。富裕層を狙って構いません。ただ、消費財なのであれば、絶対に中間層を狙っていかなければならないと思います。

今日は2回目の2つ目の要因でしたが、次回また3つ目の要因についてお話をしていきたいと思います。それでは、皆さん、また次回お会いいたしましょう。