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第164回 海外ビジネスを成功させるための8ステップ

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「海外展開の8ステップ」ということでお話をしたいと思います。海外展開をするうえで企業が必要になる8つのステップについてお話をします。これは、B2CであってもB2Bの企業であっても同じなので、製造業である限り同じステップなので、これから新規で参入する場合にどういうふうに参入戦略をつくっていくのか、もしくは、どういうふうにその参入戦略をつくるだけじゃなくて、その後、実行してシェアを上げて、売上を高めていくのかということをやるための8つのステップで、われわれが日々クライアントに推奨している方法なんですが、その説明をしたいというふうに思います。もちろん、すでに参入をしていて、なかなかうまくいかないのでもう1回再参入というか、既存の戦略を再構築をするという意味でも非常に使える8つのステップだと思いますので、今日はそんなお話をしていきたいと思います。

まず、この8つのステップなんですが、大きく3つのパートに分かれています。1~5の可視化のパートと、それから、可視化のパートからの参入戦略、6の参入戦略の策定という、これが1つのパート、2つ目が、じゃあ、それをもってチャネル構築をどうするかというパートと、最後8番のチャネルの管理育成をどうしていくかという、この3つのパートに分かれていくんですが、まず、分かりやすいように、全くの新規でこれから展開をしていくうえで、企業は何をしないといけないのか。まず、重要なのは戦略をつくるということが重要で、6番の参入戦略の策定をしないといけないと。ただ、この参入戦略の策定って、うーっと考えて戦略がボーンと出てくるかと言うとそうではなくて、インプットが戦略というアウトプットに変わるわけですよね。そうすると、このインプットの量が少なければ、アウトプットという戦略なんて絶対に出ないんですよね。全くアジア新興国の状況を分からないのに、いきなりそのアジア新興国の戦略が出せるかと言うと、絶対に出なくて、インプットがなければ、戦略としてのアウトプットは絶対に出ないと。また、もちろんインプットを入れれば、=だけのアウトプットが出るかと言うと、そうではなくて、経験と知識、それからセンスでアウトプットを、革新的な戦略というのは出していくんですが、ただ、やっぱり最低限必要なインプットというのは入れていかないといけない。このインプットが可視化なんですよね。つまりは調査していかないといけない、情報収集をしていかないといけない。情報を収集していかないといけない。

じゃあ、どういう情報を収集していけばいいのかということなんですが、まず1つ目が、市場環境の可視化。これは、言ったらどういう経済規模の市場で、どれぐらいの人口がいて、その年齢層ってどうで、男女比率はどうなっていて、どういう都市が、どういう人口と年齢構成で存在していて、どういうふうにインフラが整っていて、どうなっているんだということをマクロ環境的な観点で市場を可視化をしていく。これ、いろんな、たぶん、観点があるので、どういう事業を推し進めていくかによって変わってくると思うんですが、いわゆるマクロ経済のデータを情報収集するというのは1つだし。もう1つは、やっぱりレギュレーションというのが非常に重要で、法律的な問題がどう、あるのかないのかということを見ていかないといけない。特に、外資規制というのが海外に行くと存在をしたりしますので、いわゆる自国の企業を守るために、外国の企業に対してある程度の規制をしている国もあれば、もしくは、外国企業にもっと来てほしいので、外国企業来てくださいということで、節税できたり、免税できたりという、そういう、いわゆる得をする法律もあるので、そういったことを可視化していくというのは一番の市場環境の可視化。

2個目の競争環境の可視化、これが実は非常に重要で、いわゆる市場環境の可視化ってどういう市場なんですか、儲かる市場なんですか、どうなんですかということを見ていくと。一方で、じゃあ、その儲かる市場にはどれぐらいの脅威が待っているのかと。自分たちの競合はどういうことをそこでしているんだと、この競合に勝って市場を獲っていくわけなので、この競合の可視化というのは非常に重要。また、戦略をつくるときに、自分たち、日本企業の多くは、アジア新興国に出遅れていますから、自分たちよりも早く出た先駆者というのが必ずいるんですよね。これが欧米系の企業だったり、今ではアジア系の企業だったりする。そんな中で、その競合がどういうことを過去やってきて、今、どういうことをやっていて、成功しているのか、していないのかということをしっかり見ることで、自分たちの戦略のベストプラクティスにするということができる。そういう意味では、この競争環境というのは非常に重要。あと、流通環境、日本とは全く異なった流通環境が存在するという国も多くあるので、流通環境も可視化をする。B2Cだと、消費者の可視化。日本とは全く異なった趣味趣向を持った消費者がそこには存在していて、日本みたいに1億総中間層の市場ではなくて、アジア新興国に行くと、富裕層もいれば、中間層もいるし、貧困層もいるという中で、消費者がどういうふうに捉えているのかということを見ないといけないし、B2Bであれば、じゃあ、ユーザーがどうなんだと。ユーザーも外資系もあれば、ローカル系もあるし、日系もあるということで、ユーザーの可視化をしていかないといけない。そして、5つ目がディストリビューターの可視化ですよね。もちろん、大型の装置なんかをつくっているB2Bのメーカーだったら、直販ということもあるのかもしれないですけど、基本的にはディストリビューション・ネットワークをつくっていかないといけない。販売チャネル網を構築しないといけないとなると、そこにはどういうディストリビューターが存在しているのかということを見ていかないといけない。この1~5の中で最も重要なのが、競争環境の可視化で、この競争環境の可視化をしっかり見ていくと、自分たちが戦略をつくるうえでのヒントが一番多く含まれているし、競争環境の可視化をすることで、市場環境や流通環境や消費者、B2Bだったらユーザーの可視化、そして、ディストリビューターの可視化ができたりもするので、その競争環境というのは非常に重要ですよと。こういった調査によって可視化された情報をもとにこの6番の参入戦略というものがつくられていくと。これはもう、もちろん過去の経験値から、こういうふうにこの情報を分析して、こういう戦略をつくるべきだということは、知識と経験を組み合わせてつくっていくわけなんですけども、少なからず、この可視化、情報収集が終わらなければ参入戦略というのはできませんね、というのが1つですね。

この参入戦略というのは、いわゆる「絵に描いた餅」なわけで、それをどう実行するかというのが、この7番なわけですよね。参入戦略の中で、最も重要なのがチャネルをどうつくっていくか。最も重要というか、これがないと、なかなか売上に直結してこない。また、日本企業が最も不得意とする部分というのがこのチャネル構築で。この参入戦略をベースにチャネルを構築するということをやっていかないといけない。B2Cだったら、近代小売だけじゃなくて、伝統小売に向けてどうやってチャネルを構築していくんだということをやっていかないといけないし、ディストリビューション・ネットワークとの関係性だけじゃなくて、リテールとどう関係を築いていくのかということも考えないといけない。B2Bだったらユーザーとなる企業、日系だけじゃなくて、欧米系の外資とどう取引をしていくのか、ローカル系の企業とどう取引をしていくのか、どのレイヤーまでを狙うのか、どの産業セクターのユーザーを狙うのか。また、B2Bの場合は、スペックインをしないと、なかなか各国の現地で営業をしても意味がなくて、開発拠点がどこにあって、そこの開発拠点でどれくらいスペックインできるかということがポイントになってきたりもするので、そういったことを含めてチャネルの構築をしていかないといけない。

すごく日本企業がアジア新興国展開の中で抜けているのが、この8番でございまして、チャネルの管理育成。基本的には、チャネルというのは自立した、いわゆるしっかりとしたパートナーであって、自分たちはつくる人だと、チャネルを任せているパートナー、ディストリビューターのパートナーに任せておけば、基本的には、売るのは彼らの仕事、自分たちはつくるのが仕事と、こういう切り分け方をしている。これは日本の問屋文化とか消費者文化が非常に悪い影響を与えていると、私は思うんですが、それによって、売ることにあまり介在をしない。したがって、自分たちのチャネルを管理育成したりということはない。ディストリビューターを管理育成するということがない。従って、ディストリビューターがいい結果を出せなかったときに、それに対していろんな言い訳が出てくるわけなんですけど、それをただ聞くしかない。それをただ、フムフムと言って聞いて、納得をしていくしかない、それに対して対策を講じたりということがなかなかできなくて。この、実はチャネルの管理育成というのが最も重要で、今後、この番組でも、このディストリビューターのチャネルの管理育成というのはしっかりと時間を取ってやっていきたいと思いますが、そんなことをやって実際には商品が売れていくという、こういう仕組みになっています。

皆さんもこれから参入をするときに、この1つの8ステップを、エイトステップというふうにわれわれは呼んでいますが、1つの参考軸として戦略をつくってみてはいかがでしょうか。

それでは、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。