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第163回 日本とアジア新興国 投資期間の違い

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「日本とアジア新興国- 投資期間の違い」ということでお話をしたいと思います。

まず最初にこの図の説明なんですが、下が投資で、上が回収、いわゆる下に行けば行くほど投資が膨らみますと、上に行けば行くほど回収が大きくなりますよと。一方で、横軸が時間軸ですね、こっちに行けば行くほど投資の期間が短いと、こっちに行けば行くほど投資の期間が長いという、そんな図になります。「日本とアジア新興国 - 投資期間の違い」ということで、非常にシンプルな図なんですけど、日本国内の市場って、投資期間が短くて、バーンと投資をしたらパーンとリターンが入ってきますよということを申し上げていて。一方で、アジア新興国市場というのは、投資の時間が長いですと。ある一定の期間投資をしないとリターンが入ってきませんよと。しかも、今、投資をしているリターンって、すぐ入ってくるのではなくて、かなり先に入ってくることになりますよということで辛抱が必要ですよということを表した図になります。アジア新興国ってそういう市場で、このことを何となく理解しているんだけど、何となく理解していない。頭では理解しているんだけども、体で理解していないと言うのか。多くの日本の企業は、当然、上場していれば、あらゆるステークホルダーの声もあるので、早く回収をしないといけないというのは、これは経営者の使命なんですが、やっぱり、アジア新興国は少し中長期に考えないといけない。

なぜそういうことになるのかというお話なんですが、日本って、皆さんの会社の事業というのは、あらゆるものが整っているんですよね。例えば、販売チャネルも整っているし、日本人に向けた、日本の消費者に向けたその商品とか価格の最適化というのはもう済んでいて、販売チャネルもあって、小売の信頼もあると。あらゆる、例えば、B2Cだったら小売の信頼があるし、B2Bだったらユーザーの信頼があると。そして、消費者に対する知名度ももう十分ある、B2Cだったら。B2Bであれば、ユーザーに対する知名度も十分あると。そんな中で、すでに先人がつくった、このビジネスのインフラの上に新商品をポーンと乗せて、それが今ある皆さんの事業インフラを通じて、B2Cだったら消費者に対して、B2Bだったらユーザーに対してものが売れているというのが、これ、日本のビジネスなんですよね。なので、皆さんのビジネスインフラが整っている中でビジネスをしていますから、当然、投資に対するリターンというのは、そういう意味では非常に速い。

一方で、アジア新興国市場というのは、皆さんの会社は日本ほど有名じゃないわけですよね。無名ですと。B2Cだったら、小売や消費者の信頼もありません。B2Bもそうです。ユーザーの信頼はありません。そして、知名度もブランド力も、何もかもが日本ほど整っていない状態。その中で1個1個販売チャネルをつくって、信頼を得てやっていくということは、当然、投資としては時間がかかるわけですよね。なので、リターンが後になってくる。そして、アジア新興国市場の最大のメリットというのは、今、成長して2030年まで30億人の中間層になるという中で、どれだけマーケットを獲れるかと。後で30億の爆発的な市場ができたときに、どれだけそこで利益を享受できるかということは、今の投資にかかっているわけなので、今、利益が少なくても、後々彼らが豊かになったときに莫大な収益、利益を回収できる、それがアジア新興国の最大の魅力で。そのために今、投資をして時間をかけて回収をすると、これがビジネスの仕組みなわけですよね。そうすると、日本の地場の国よりも、やっぱりROI、return of investmentの期間というのは、非常に長く設定しないといけない。それを、やっぱり、経営から現場でやっている実践のレベルのレンジに至るまで、なかなかこう、ギャップが、今の日本企業には存在するんじゃないかなと。

この図は、回収のサイズも日本の市場とアジア新興国市場では全然違うような絵になっていますが、それもそうで。日本というのは、少子高齢化で1億2,700万人の人口をピークに少子高齢化というのは、どんどん、どんどん、進んでいて、2000数十年にはもう、1億人を切ると。そして、3人に1人は高齢者の市場になっていくわけですよね。少子高齢化、過去最低というのはニュースで騒がれていますけど、もう100万人生まれていないわけですよね。一方で、中国なんかは少子高齢化と言われていても、いまだに1,200万人生まれている。インドで1,400万人、インドネシアで400万人と。アジア新興国で数百万人、インドと中国は1,000数百万人という、そういうレベルなので、全然規模が日本とは違うと。日本が今、100万人切っていますから。そうすると、やっぱり、その投資に対するリターンも非常に小さくなってくるというのがこの日本で。今、経済で世界第3位の経済大国ですけど、じゃあ、これが20年後40年後どうなっているかと言うと、もっともっとランクが下がっていくというふうに予測されていて。

一方で、2030年度ベースで30億人に消費者が膨らむアジア新興国市場というのは、これからもっともっと市場が大きくなるというふうに言われていて。そんな中で、彼らの、いわゆる平均年齢も非常に若い。若い中で、若い人たちというのは、たくさん消費するわけですよね。日本みたいに少子高齢化が進むと、どういうことかと言うと、消費がしなくなる。例えば、高齢者はそんなにたくさんのものは食べないし、そんなにたくさんのものを消費するというふうにはなっていない。例えば、シャンプーにしたり、洗剤にしたり、食品もそうですけども、圧倒的に若い人たちのほうが、消費をするわけですよね。そういう時代が来てしまう。だからこそ、アジア新興国に投資をしないといけないということが言われていて。

そもそも日本企業のアジア新興国への投資というのは、そこが理由だったわけですよね。日本が少子高齢化で将来ヤバいです。一方で、アジア新興国市場は将来伸びますと。だから、アジア新興国の中間層に投資をしましょうと。でも、この投資って、当然、ROIはやっぱり長期で見ないと、今、投資してすぐリターンが得られるような市場じゃないということを、今一度、日本企業はしっかりと理解をして、それに合った戦略と、それに合った投資を続けていくって、そういう必要性があるんじゃないかなというふうに思います。多くの素晴らしい商品・製品をつくる日本企業なので、もう少し、この投資の設定を中長期で見て、日本の国内でのROIの設定とはまた違ったROIの設定をしっかりアジア新興国ですることで、着実な投資に対して着実は回収を得られる仕組みづくりをしていってもらえればなというふうに思います。

それでは、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。