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第181回 海外ビジネス 主要ディストリビューション・ネットワークの可視化

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。いつも当番組をご覧いただき、誠にありがとうございます。チャンネル登録がまだお済みでない方は、ぜひチャンネル登録をお願いします。この辺にチャンネル登録ボタンが出ていると思います。よろしくお願いします。

それでは、本題に入りたいんですが、前回、前々回ぐらいからですかね、やっている、競合の可視化の重要性について、引き続きちょっとお話をしていきたいと思います。最初の、一番最初スライドを切り替えてもらって、この競合の可視化の重要性についてお話をしていって、なぜ競合の可視化は重要なのかという話は、以前の番組でお話をして。じゃあ、この競合の可視化の中でも、どういうことを可視化していけばいいのかということを、前回この(1)が、(1)の主要競合のチャネル戦略の可視化って一体どういうものなのかという話をしたと。今回は、この(2)の主要競合のディストリビューション・ネットワークの可視化って一体どういうものなのか、という話をしたいと思います。

スライドを切り替えてもらって、この競合の可視化、ディストリビューション・ネットワークの可視化①ということで、競合とディストリビューション・ネットワークの可視化をするってどういうことなの?競合のディストリビューション・ネットワークの可視化って?と言うんですけど。いわゆる、これはベトナムなんですけど、ベトナムみたいな、ちょっとベトナムを例にしているんですけど、分かりやすく縦長の国、1,500キロぐらい縦長なんですよね。上のハノイから、ダナン、中央のダナン、そしてホーチミンに向かって縦に長い国で。こういう国で多くの消費財メーカーが、これは例になっているんですけど、B2CのFMCG、食品・飲料・菓子・日用品と、消費財メーカーが例になっているんですが、こういう会社、欧米の先進的なグローバル企業、例えば、ネスレとかユニリーバとか、日本だとエースコックさんがベトナムなんかは50%のシェアを持っていて非常に頑張ってやっていますけども、こういった会社ってたくさんのディストリビューターを使っていて。この丸いドットは、赤が大規模のディストリビューターで、緑が中規模のディストリビューター、そして、青丸が小規模のディストリビューターで。ベトナムって非常に特徴的で、ディストリビューターがセールス機能を持っているディストリビューターって非常に少なくて。日本だとディストリビューターの機能ってセールス機能だと思うんですよね。デリバリー自体はヤマトや佐川がやるので、基本的にはセールス機能が中心になってくると。一方で、ベトナムのディストリビューターって、小規模のデリバリーをやる会社のことをディストリビューターと呼んでいて、それって運送会社さん?と、日本で言うところのヤマトや佐川だよねというふうになっちゃうんですけども。でも、ベトナムの場合はディストリビューター=セールス機能とデリバリー機能、両方持っているとは限らなくて、セールスデリバリーをちゃんと持っているのって、おそらく上位10社とか、15社とか、それぐらいなんですよ。なので、けっこう、これだけ複数のディストリビューターを使っていくということがあって。

それを見ていくときにA社とかB社って、100社のディストリビューターを使って20万間口をカバレッジしている。間口というのは、いわゆる配荷ですね。ストアカバレッジ、どれぐらいの店舗に商品が置けているか。100社ぐらいのディストリビューターを使って20万の間口をカバレッジしている。どういうことかと言うと、ベトナムというのはMT、近代小売は2,000店舗ぐらいしかないです。一方で、伝統小売は50万店存在する。うち30万店が食品なんかが置けるような伝統小売なんですが、20万店、50万店のうち20万店カバーしている、100社でね。B社の場合は、100社で10万店のカバレッジを持っていると。そう考えると、1社あたりの間口カバレッジ、ストアカバレッジって、2,000社とか1,000社とかやっているわけですよね。一方で、日本企業はどうかと言うと、ホーチミンにある1社のディストリビューターを使って、500ぐらいの近代小売だけの間口のカバレッジしかできていないと。これだけやっぱり差があると、20万、10万、500って、これだけ差があるわけですよね。これだけ差があると、もうMTの戦いしか日本企業はしていないですよと。TTの戦い、全然できていませんよ。こういうのを見ていくことでどれぐらい具体的に自分たちのネットワークと競合のネットワークに差異が存在するのかということがしっかり分かっていくと。

次の②のスライドにちょっと切り替えてもらって。物理的にストアカバレッジをそもそも上げられるディストリビューション・ネットワークになっているのか、なっていないのかということをしっかり見ていく必要があるんですよね。日本企業の場合は、理由なき1カ国1ディストリビューター制が非常に多い。この理由なきというのは、自社内競合したら困るとか、1社のほうが管理しやすいとか、こんなのは理由にならないわけですよね。物理的に配荷がしっかり行き届かないディストリビューション・ネットワークになっていたら、どれだけいいものをつくって、どれだけプロモーションして、どれだけ営業マンが頑張ろうが、そもそもディストリビューション・ネットワークがリーチしていないわけですから、シェアなんか上がるわけがない。売上なんかが上がるわけがないわけですよね。そうすると、まず重要なのは、物理的に本当にシェアが上がるディストリビューション・ネットワークになっているのか、ストアカバレッジを上げられるディストリビューション・ネットワークになっているのかということを確認することが非常に重要。そして、MTとTT、それぞれに適したディストリビューション・ネットワークになっているのかどうか。これは、そもそもMTにディストリビューターを使うのか使わないのかということも考えないといけない。多くの先進的なグローバル企業の場合、MTは現地法人が直販します。輸出の場合はもう、ディストリビューターを使う以外にありませんけども、現地法人がある場合には直販をすると。なので、でも、一方で日本企業の場合は、現地法人があっても、MTにもディストリビューターを使っているので、そこを使うのか使わないのかということを考えることと。あと、MTに適したディストリビューターと、TTに適したディストリビューターって結構、違うんですよね。MTに適したディストリビューターが必ずしもTTできるか、もしくはやりたいかということもまた違ってくるので、そういったこともしっかり見極めていかないといけない。

このディストリビューション・ネットワークって一夜にしてバーンてできるものではないんですよね。徐々につくりあげていかないといけない。すごく時間がかかる。だから、どんどん、どんどん、差が開いていく。今、主要競合と今の御社の差ってずっと開いていて、この差が埋まらない限り、シェアの差というのはどんどん開いていくわけですよね。なぜならば、ストアカバレッジが圧倒的に重要なので、配荷力が全然違う。そうすると、どんどん、どんどん、差は開いていく。この差を、どれだけ早く埋めていくかということはすごく重要で。また、毎年毎年、単にディストリビューション・ネットワークを積み上げていくというよりかは、最初に5年後にこうあるべきだとかというビッグピクチャーをまずしっかり描くということがディストリビューション・ネットワーク上すごく重要で。そして、5年後にこれだけのストアカバレッジを獲らないといけない。例えば、5年後に敵が20万ストアカバレッジなんだとすると、自分たちも20万ストアカバレッジを獲ると。20万ストアカバレッジを獲るためには、じゃあ、どういうエリアに何社のディストリビューターを持たなきゃいけないということを逆算していくと、じゃあ、今年はこれぐらいのディストリビューターと契約をしないといけない。来年はこれぐらいのディストリビューターと契約をしないといけない。そうやってディストリビューション・ネットワークを築いていくんですよね。

一方で、ディストリビューション・ネットワークを築きながら、ディストリビューション・ネットワークってセルインなので、いかに店舗にセルインするかという話で、入れたものをどうセルアウトするかというのが、2個目のすごく大きなメーカーとしての課題なわけで。このセルインとセルアウトをほぼ同時並行的にやっていかないといけない。セルインしてセルアウトしないものなんていうのは、6カ月で棚落ちしてしまうので、いかにセルインしたものをセルアウトさせていくかということを同時並行的にやっていくと、5年で20万間口なんていうのはほぼ不可能で10年かけて20万間口。それを、じゃあ、どうやってつくっていくかと。

それだけ時間のかかるディストリビューション・ネットワークづくりを本当に敵がどうやっているのかをしっかり可視化して、自分たちの差異を明確に理解をして、そして、それをどう迅速に進めていくのかという、その方法論もしっかり考えないといけない。この差異が全く明確にイメージついていないから、具体的なアクションにつながらないので、日本企業は今一度、敵のディストリビューション・ネットワークをしっかりと可視化するということを考える必要があると思います。
それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。