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第182回 海外ビジネス 主要競合のディストリビューターのマネジメント体制の可視化

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。いつも当番組をご覧いただき誠にありがとうございます。まだチャンネル登録がお済みでない方は、ぜひチャンネル登録をお願いします。この辺にチャンネル登録ボタンが出ていると思います。よろしくお願いします。

さて、引き続き、競合の可視化の重要性ということで、今日が最終ですかね、最終の第…、(3)のお話なんですが、ちょっとスライドを戻してもらって。今まで、何回かにわたって、この競合の可視化の重要性の話をしてきました。主要競合のチャネル戦略の可視化というのはどういうものなのか、2番の(2)の主要競合のディストリビューション・ネットワークの可視化というのはどういうものなのか、そして、今回は3番の主要競合の組織とマネージメント体制の可視化というのはどういうものなのかというお話をしたいと思います。なぜ主要競合の可視化が重要なのかという話も、何回か前の番組でお話をしていますので、そちらに1回戻ってお話を見たいという方は、またそっちに戻ってから戻ってきてください。

はい。じゃあ、(3)にスライドを変えてもらって。ディストリビューターのマネージメント体制の可視化ということで、主要競合のディストリビューションマネージメント体制の可視化。これはどういうことなのかと言うと、結局、どういうチャネルストラクチャーをどういう組織体制でどうマネージメントするからマーケットシェアが上がるとか、売上が上がるとかというのがあって。組織の体制と、その組織をどう動かしているか、管理しているか、ここが非常に重要なわけですよね。どういうことを調べるのか、可視化するのかと言うと、まず組織体制ですよね。この図の通り、統括部長の、例えば、何々さんという人が、どういうキャリアの人がいて、その人が1人いて、この人が10人のエリアマネージャーをいわゆるマネージしているんだと。その10人のエリアマネージャーというのは、それぞれエリア担当があって、そのエリアには、それぞれその白丸が付いていますけども、何社のディストリビューターがあって、それをエリアマネージャーがマネージしているんですと。こういう組織体制じゃないと、基本的に20万間口とか10万間口なんていうのは獲れませんと。ストアカバレッジ、それだけTTにあげられませんみたいのが、やっぱり物理的にあって。敵がどうしているのかというのを見ないといけない。この特に統括の責任者、1名の責任者がどういうスキルセットを持ち合わせた人間なのかということをしっかり見て、自分たちの統括部長と比較したときに、どれぐらいケイパビリティに差があるのかというのを見ないといけない。ボスにそれだけ差があったら、当然そのボスの指示によって動く組織って変わってきてしまうので、そういったことを見ていくということが具体的に敵とのシェアに追い付け、追い越せの方法なので、こういうことを何となくぼやーっと進めていたら、シェアなんて絶対に埋まらないので、まず、ボスをしっかりしらべていくと。そのボスが組織する組織体制がどうなっているのか。エリアマネージャーが10人いて、10以上のエリアにね、10人のエリアマネージャーがこれだけの数のエリアを管理しているという体制に対して、自分たちのエリアマネージャーは3人で10エリアを担当しているのと、10人で10エリアを担当している。これ、1人1エリアがどうかとは限りませんから、10人で20エリア、3人で20エリアやっているというのと全然違いますよね、行き届き方が。3人で20エリアやっているって、もうほぼ、たぶん、10エリアぐらいは行ってないという話になっちゃうんですよね。それがどういうふうな組織でやっているのかっていうのを比較するとやっぱり自分たちの組織は弱いよねということが見えてくるし。

次はそれぞれのエリアに、これだけディストリビューターがいるんだと。あれ、ここは2社だけど、ここは5社もいるんだということがこうして見えてくると、自分たちのエリアのディストリビューターがいかに少ないか。ディストリビューターが少ないということは、5社のディストリビューターが1日で回れる数と、1社のディストリビューターが回れる数なんていうのは全然違って。特に、理由なき1ディストリビューター、首都にある1社のディストリビューター、地方なんか全く行けないという話になっちゃうので、そういうところもしっかり組織体制を見ていくということが重要。

この反対側のマネージメント体制というのは、じゃあ、その組織の中でセールスが日々どういう動きをしているのかということを見ていくのが、このいわゆる組織体制、マネージメント体制ですよね。セールスが日々、例えば、既存店と新規店とどういう数でどう回っていっているのか。そして、回っていったときに、何をしているのか。特にTTでの活動ってどうしているのか。セールスをして、商品を納めて、代金回収して、セールスはどこまでやってんだ、置く場所の確認はどうしている、ものなんてここに置いても、次の日別のメーカーが来て別のところに置かれたりってあるわけですよ、TTの場合は。そういうことを含めてどういう活動していて、それを、じゃあ、どういう役職者がどういうふうに管理しているのかということを見ていくと。これをやると、どういう組織だったら10万間口とか20万間口のストアカバレッジが実現できる体制なのかということが見えてきて。いきなりその体制をやれというんじゃなくて、逆算なので、10年かけてそれをやる。それを1つでも、少しでも早くしたい、7年でやりたいと。そうなってくると、今年何をやらなきゃいけない、来年何をやらなきゃいけないということが逆算で見えてくるので、まずビッグピクチャーを見て、それをしっかり描くということはすごく重要で、それを自分たちのいわゆるベストプラクティスにするわけですよね。その中で自分たちはどういう組織でどういうマネージメントをしていけばいいのかということを考えていかないといけない。

次のスライドをちょっと替えてもらって。組織体制に関してなんですが、20万間口あるところと、10万間口あるところと、日本の企業500間口しかやれないところの差というのは、やっぱり1人あたりの間口カバレッジが250とか200やっているのに、ほぼMTしかやれていないと、50ぐらいしかカバレッジしていないということなんですよね。そうすると、もう、組織の体制がそもそも違う、全く違うということが分かるので、これ、組織の体制から変えていかないといけないよねということがもう一目瞭然で、数字で分かってくるというのがこの組織体制の可視化で。

次のスライドを替えてもらって。これが、今度、管理体制もそうですよね。TTに関しては、日々既存店と新規店とセールススーパーバイザーとセールスというのがこういう役割分担でこういう動きをしていますということがあって。だから、その結果としてのストアカバレッジが20万店なんだ、10万店なんだというのがあって。一方で、日本の消費財メーカーの場合は、いや、TT全くやれていませんと。従って、活動はないですというようなマネージメント体制だったりするわけですよね。これは、MTにおいてもマネージメント体制が全然違ったりして、基本的には製造業のメーカーが直接小売りと交渉しているのに、日本企業の場合はディストリビューターに丸投げで、いまいちその先でどういう商談がされているのかよく分からないと。プロモーションフィーだけ毎年出してくれと言われるので、ディストリビューターにある一定のプロモーションフィーを出すんだけども、それがどう使われているかというのも具体的に分からない。なぜならば、小売と話せていないのでよく分からないということになってしまうと。なので、この組織体制とそれから、その体制をどうマネージメントしているかというのは、まさにこのディストリビューション・チャネルをつくっていく非常に重要な要素なので。ディストリビューション・チャネルって、どういう組織でどういうマネージメントをするから…。ごめんなさい。どういうディストリビューション・チャネルで、どういう組織で、どういうマネージメントをするからこういうシェアある、こういう売上があがるという結果に結び付くわけなので、この組織体制とマネージメント体制というのは非常に重要で。これを日本流を押し付けるのではなくて、現地で自分たちより圧倒的に進んでいる競合を可視化することによって、それを1つのベンチマークとして、それを1つのゴールとして、まずビッグピクチャーを描いて、そこに年々近づいていくということをやっていくということが重要だと思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。