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第195回 フィリピン PUREGOLDのALINGPURINGプログラムとは?

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さて、本題のほうに入りたいんですが、今日は、フィリピンのお話です。フィリピンの3大小売と言われる小売の中のPUREGOLDという小売のALINGPURINGプログラムという、非常に面白いプログラムについてご紹介をしたいなというふうに思います。フィリピンの主要な小売というのは、SMが1つのグループとしてあって、そして、PUREGOLD、それからロビンソンズと。ちょっと前まで、ルスタンズ、今もルスタンズはありますけど、ルスタンズというのは、4大小売というふうにフィリピンは言われていたんですけど、ルスタンズがロビンソンズの傘下になりましたので、今は、SM、PUREGOLD、ロビンソンズというふうに僕は言っていますけど、別にルスタンズと、4大小売というふうにしてもいいですけど。そのうちの1個のPUREGOLDと。このPUREGOLDは、特にTTのサリサリのオーナー向けのプログラムを充実させている近代小売の1つで、大手主要小売の1つで、その、いわゆるサリサリのオーナー向けのプログラムがこのALINGPURINGプログラムというプログラムで。どういうプログラムかと言うと、この一番最初の図なんですけど、これちょっとすみません、写真が上切れちゃってあれですけど、サリサリストアのかたちをしているんですよね。これね、サリサリストアの。そのサリサリストアの中で売れるもの、もしくは売れ筋の商品ばっかりが後ろにバーッと並んでいて、サリサリオーナーさんの事業がうまくいくように支援をしているんですよね。支援をしながら商品を販売をして、こういうものを売ると売れますよ、こういうものがあると売れますよと。売れ筋商品が揃っていると。欧米の先進的なグローバル企業、ネスレとかリーバの商品と、あと、ローカル系、アジア系の商品だけで、残念ながら、ここに日本の商材って1社もないというのが今の現状で。やっぱりここにしっかり置かれないと、サリサリには浸透していかないですよね。前回の番組でお話しましたけど、サリサリのオーナーはPUREGOLDから仕入れをするという、非常に特徴的な流通構造があると、日本で言うところの駄菓子屋のおばあちゃんおじいちゃんがイオンから仕入れをして、その仕入れたものを売るという、そういう面白い構造がフィリピンは特徴的なんですけど。PUREGOLDがそういったことを率先的にやっているので、ここにはめていく、スペックインしていくということが消費財メーカーにとっては非常に重要で。ここにしっかりはまると、サリサリに自動で流れていくという構造ができるので、そういうことをやっぱりやっていかないといけない。

もう1つの写真を出してもらって、もう1つの写真は、これはPUREGOLDの店舗の中に、ALINGPURINGレーンみたいなのがあって、ALINGPURINGの、サリサリのオーナーたちにとって売れるような商品ばかりを置いているんですよね。だから、写真を見て分かる通り、全部が10個入り、20個入り、30個入りとなっていると、このうまい棒みたいな、スナックみたいなやつとか、チョコレート菓子も全部そうなっていると。サリサリのオーナーというのは、その20個入り200円とか、20個入り100円で買ったものをばらしてばら売りをして、そして1個あたり5円、もしくは10円ではなくて、7円、12円で売っていく。要は、近代小売よりも1個単価とかグラム単価はサリサリのほうが高いんですよね。でも、消費者にとっては、個人のキャッシュフローはそのほうがよくなるので、今買いたい分だけを買うということがサリサリストアの最大の魅力で。

なぜアジア新興国でこれだけ伝統小売が多いかと言うと、今買いたい分だけを買う小売、この需要が非常に多いから、これだけ多いわけですよね。日本のコンビニもそうでしたよね。今でもそうかもしれないですけど、たくさん買いだめるって、なかなか今の若い人たちぐらいで、今欲しい分だけが欲しいわけですよね。アジア新興国の人たちにとっては、やっぱりキャッシュフローがすごく重要なので、今欲しい分というのが本当に1回使いきりという話なので。極論を言うと、頭痛薬を2錠から買いたいというニーズがあるわけで。24個入りの頭痛薬を買ってしまって、今の頭痛は2錠が治してくれるけど、残りの22錠はいつ使うか分からない。そのために2,000円3,000円払うのが無駄なので、そんな無駄なお金はないというのがアジア新興国の中間層の最大の特徴で。今使いたい分だけを今買うということが非常に重要。そういうようなビジネスなので、こうやって10個入り、20個入り、30個入りの商品がこの棚には、ALINGPURINGの例にはあって。そうすると、オーナーは、PUREGOLDの店の中で、ALINGPURINGのこの黄色いレーンのあるところにだけ行けば、そこで買えるわけなんですよね。そこの商品が基本的には売れ筋だし、そこの商品を売れば基本的にはTTで実績があるような商品なので、日本の消費財メーカーはここからスペックインしていかないといけないし、ここに並ばないといけない。でも、残念ながら、日本のいずれの食品メーカー、日用品メーカー、菓子メーカー、ALINGPURINGプログラムの中には並んでいなくて。菓子も食品も日用品もFMCGです。どれだけたくさんの人に、どれだけ早い頻度で、どれだけ永続的に繰り返し売ってもらえるかが重要で。1個単価5,000円、6,000円のものを売っているんだったら、客を選んだらいいけども、日本で中間層を相手にしているのに、なぜフィリピンで中間層を相手にせずにターゲットが上振れしちゃうのか、このこと自体がそもそも間違っていて、やっぱりALINGPURINGプログラムで売れるものを売らないと、本当の意味で消費財メーカーとしてマスマーケットに対して価値を提供しているというふうには、僕はならないと思っているので、やっぱりこのALINGPURINGプログラム、非常に重要なので、1回皆さんも注目をしてみてもらえればなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。