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第218回 海外ディストリビューターとは独占契約?それとも非独占?

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、海外のディストリビューターと販売店契約を締結する際に、果たしてその契約書は独占であるべきなのか、それとも非独占であるべきなのか、ということについてお話をしていきたいと思います。このことは非常に重要で、自分たちのディストリビューターとの契約をどうするかによって、その後の結果が大きく変わってくる。売上であったり、シェアであったり、ディストリビューターとの販売活動の効果が、この契約書の内容を非独占にするのか、独占にするのかで、大きく変わってきます。なので、今日は、どうすることが本当に最適なのかということについて一緒に学んでいきたいと思います。

まず最初に申し上げたいのは、多くの日本企業はこの契約のメリットをうまく使えていないというのが海外のディストリビューターとの契約に非常に顕著に表れていて、契約締結ってすごくチャンスなんですよね。これをどういうかたちで契約に持っていくかによって、ものすごく自分たちの要望を飲ませたりとか、契約後の彼らのアクションに拍車をかけたりとかということをすることができる、非常にテクニカルに使える武器であるにもかかわらず、なぜか非常にもったいない使い方をしてしまっていると。ここでちょっと整理すると、この番組でも何回もお話をしましたけども、強いチャネルをつくるうえで重要なのは、いかにいいディストリビューターを発掘選定するかということと、その発掘選定したディストリビューターといかに契約をするか、契約締結をしていくかということ、契約交渉をしていくかということ、そして、契約交渉をした後、いかにそのディストリビューターを管理育成していくかという、この3つが重要ですよということは、この番組でも散々お話をしてきていて。今日はこの2つ目のいかに契約交渉するかというところが多くの日本企業、B2CもB2Bも含めて、大変損をしているというお話なんですが。

多くの場合はこういうことになっているんですよ、日本企業。実際には独占でありながらも非独占契約になっちゃっていると。これは本当にもったいないことで、事実上、多くの日本企業というのは、理由なき1カ国1ディストリビューター制みたいなのを敷いていて、結局、理由としては自社内競合は困るとか、管理が大変だとか、いろいろ理由はつけるんですけども、ほとんど明確な理由はないんです。ただ、何かあったら困るから、一応、契約書は非独占にしておこうと。何かあったときに、一応、非独占のほうがいいからという。「何かあったときのために」みたいな契約書になっていて、守りが完璧、攻めが駄目という契約書を非常多く、私、この20年近くで見てきていて。これは本当にもったいなくて。ほとんどの、9割がたのディストリビューターは、どんな業種でも「独占契約をくれ」と言うんです、日本企業が、プリンシパルにアプローチをしてきたときに、契約となったときに「独占が欲しい」と絶対言ってくる。この「独占が欲しい」と言ってきたらもう御の字で。独占というのは、こっちとしてみたら、向こうが「独占欲しい」と言ってくれるということは、非常にメリットがあって、これをどう使うかという話なんですよね。多くの日本企業はそう言われたときに、「いやいや、まあまあ、一応お宅にしかお願いしないつもりなんだけども、契約書上は非独占にさせておいてよ」と。「うちの本社がうるさいから、ホームがうるさいから」とか、そういう話で非独占になるんですよね。結局、向こうとしてみたら、ディストリビューターとしてみたら、これは本気で取り扱うということは、それなりに投資をしないといけない。契約書なんていうのは1年更新なわけですね、だいたい3年とか長期で販売店契約結びませんから、1年更新で事実上自動更新していくとかという話になるわけなんですけども、向こうからしてみたら、日本の商品を販売をしていくというときに、自分たちの社内にチームをつくらないといけない、必要であれば営業分野を採用しないといけない、日本企業は海外でプロモーション、本来はメーカーがやるべきプロモーションをディストリビューター任せにするところがあるので、結局、ある程度自分たちで経営資源を投下をして、その商品を認知してもらうようなことをしていかないといけない。これはプロモーション活動もそうだし、販売活動もそうだし、それからロビー活動もそうだし、いろんなことをしていかないといけないので、ディストリビューターとしては、ある程度の一定の投資が掛かるわけですよね。それで、最初だけやらせて、やっぱり現地法人出したんだから自前でやりますとか、現地法人が現地にある場合は別のディストリビューターに変えますなんていうことを言われてしまったら、これは非常に大きな損なので、やっぱり「独占をくれ」というふうに言うわけですよね。ここであげないと、結局、契約書に書いてあることがすべてなので、海外、日本を一歩出たら。日本の場合は契約書に書いてあることよりも、人と人とのつながりで、「まあまあ、契約書はこうだけども、実際はこうだよね」みたいなところが非常に色濃く残っているところがありますけど、海外だと契約書に書いてかあるないかなので。そうすると、やっぱりそこで書かない、独占じゃないということは、契約書上は変えられてしまう可能性もあるので、当然ディストリビューターの力の入り方って、やっぱりある程度引いちゃうわけですよね。引いて進めるというところがあるわけなので、そこをうまく使わない手は、私は、ないと思っています。

どうせ非独占でやるんだったら、戦略的に複数のディストリビューターをエリアを分けて、もしくはユーザー、エンドユーザー、顧客のインダストリー別につくるとか、B2Cだったらターゲットとする小売別にディストリビューター置きます。地域別にディストリビューターを置きます。B2Bだったらエンドユーザー別にディストリビューターを置きますなのか、産業別に置きます、インダストリー別に置きますということを戦略的にやるんだったら、これは非独占でいいと思いますけども、明確な理由がないのに非独占にするぐらいなら、独占を与えてコミットメントを引き出したほうがよっぽどこちら側にとってはメリットがあって。コミットメントって何かと言ったら約束ですよね。独占を与えるということは、あなたにしか販売をする権利を与えないわけですから、一方でその与えたあなたには、やっぱり、「年間、初年度これぐらいやってくださいね」というコミットメントをもらうべきなんですよね。むしろ、もらう権利があると。それをしっかりディストリビューターと結べれば、独占をあげるわけですから、初年度の、両社で目標にしている数字がコミットメントに変わるわけですよね。これは目標からコミットに変わるわけなので、約束に変わっていくわけなので、より確実になってくると。「もし、この目標が達成できなかったときに、独占を非独占にしますよ」という条項をつけておけば、いつでも非独占にできるわけです。別にそのディストリビューターを切る必要は全くなくて、独占から非独占にすればいいし、あまりにも両社で決めた目標数値がいかないというケースも海外では当然あり得るので、そうすればやっぱり併用する、ほかのディストリビューターを使うということも将来的にはあり得るわけなので、最初に独占を与えて非独占に切り替えていく、目標が達成しなかったら切り替えていくということをしっかりやっておけば、別に独占契約って何らリスクにはならないんですよね。むしろ、戦略的に複数のディストリビューターを使わないのであれば、僕は戦略的に独占を与えて、その代わりコミットメントを引き出すということに使ったほうがよっぽどメーカーにとってはプラスだというふうに思います。特にディストリビューターが独占を欲しがっているのであればあるほど、それをエサにしっかりとコミットメントを飲ませるという交渉をやっぱりやるべきだというふうに思います。ぜひ皆さんも、1度現状の契約を見直してみてはいかがでしょうか。

それでは、また次回お会いいたしましょう。