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第230回 後進国が新興国に成長する仕組み

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、後進国が新興国に成長する仕組みについてお話をしていきたいと思います。このことを理解すると、世界中の新興国と言われる市場、どのタイミングで進出をする、参入をするのが一番ベストなのかということが分かってきます。新興国への進出というのは、遅すぎても手遅れだし、早過ぎてもなかなか投資が長引いてしまうという、非常に参入するタイミングが重要だというふうに言われておりますが。今日のお話は後進国が新興国に成長する仕組みのプロセスを学びますので、これが理解できれば、どのタイミングで参入することがベストかということを一緒に学んでいきましょう。
まず、新興国の最大の魅力なんですが、今回、アジア新興国というふうに私たちに最も身近に感じられる新興国についてお話をしていきたいと思いますが。ちょっと図を出していただいて。新興国の最大の魅力って爆発的に成長する中間層なんですよね。中間層が爆発的に成長するから新興国は魅力だというふうに言われていて、この図の通り、現在15億人しかいない中間層が、2030年もうまもなく30億人まで成長していく、倍に成長していく、それによって貧困が減って中間層が膨らむ。多くの市場はピラミッドのかたちをしているんですよね。富裕層が最も少なくて、中間層が真ん中にドーンといて、それと同じぐらい、もしくはそれ以上貧困層がいるという市場から、豊かになってくると、どんどん三角形の市場が、図の通りひし形になっていく。この爆発的な中間層が増え続けているっていうところに産業が生まれてくるわけですよね。もちろんB2Cの事業というのは、中間層が爆発的に増えていますから当然魅力的になってきて、B2Cの事業が大きくなってくると、今度そこにはB2Bの事業が魅力的に成長していきますので、いかにこの爆発的に中間層が増えていくかという、この仕組みを学んでいくということが大変重要なんですが。

次のスライドをちょっと見ていただいて。このスライドに応じてお話をしていきたいと思いますけども、もともと後進国ってどういうふうに成長していくかという話なんですが。まず最初にODAなんですよね、政府開発援助が始まる。日本のODA、アジア新興国各国で昔から橋をつくったり、空港をつくったり、いろんなことをやっています、道路をつくったり。まず最初にこれ、ODAをやるんですね。このODAをやっているタイミングで出て行っても、もちろん儲からないです。買うお金がないので、政府が開発援助しているタイミングですから、当然儲からない。まずODAがあって。

その後、ODAがある程度進んでいくと、地元の政府の政策転換みたいなのが起きて、外資企業の誘致政策みたいなのが徐々に盛んになっていくんですよね。これはどういうことかと言うと、自分たちの国の安い労働力を使ってここで製造業をやってくださいと。製造業でここでものをつくれば、安くつくって世界中に輸出できますよ。中国なんかかつてそうでしたけども、「工場の用地を用意します。建屋もこっちでつくります。そこで働く工員も支援します。ぜひ外資系の企業の製造業の皆さん、わが国に来て工場をつくってください」みたいなのが徐々に始まっていって。

その後、政府と民間などの官民インフラ整備プロジェクトみたいなのが工場の政策誘致というものが方針として出ますから、その直後に、すぐに日本の政府と民間、だいたい商社とか銀行が多いんですけども、官民でインフラ整備しようと。これから日本企業がどんどん、どんどん、出て行くのにインフラがないと、やっぱり出て行っても工場を実際にはつくれない。地場の政府が「来てください」と言っているだけでは、現実的にはインフラが整備されていないので工場なんかつくれないんですよね。なので、日本の政府と民間企業、当初は商社や銀行などが中心になって、いわゆる開発区ですよね、工業区みたいなのがつくられる。まさに今、ミャンマーがこの3のステージですよね。3とか4のステージだと思うんですけども。こういうプロジェクトがいろんなところでボコボコ、ボコボコ出来上がってくると、今度、民間進出の第一陣としてインフラ事業者などが出て行くわけですよね。インフラ整備プロジェクトなので、例えば、配管つくっているメーカーとか、インフラを整備する建設会社とか、それから、インフラをつくるうえで必要となる資材メーカーなんかがまず必ず第一陣として商売をしていくわけですよね。ベトナムなんかでもいまだに見られますけど、清水建設とジャイカの共同プロジェクトとか、そんなのがアジアなんかだとまだ見えますけど、そういうものがどんどん、どんどん出て行って。ある程度、インフラが整いました。もうこれで、工場と言っても、政策の転換があって「来てください」と言われても、やっぱりインフラが整備されていないと行けませんので、3番の政府と民間のインフラ整備プロジェクトが始まって、インフラに関連する民間企業第一陣が出て。

インフラが整うと、やっぱり最初に出てくるのは、自動車が大きいですよね。特に、自動車、人口の少ない国になかなか自動車メーカーが出るということはないんですけども、ある程度人口が見込める、もしくは近隣諸国を含めて自動車の販売台数が見込めるようなところには、まず自動車産業が進出をする。自動車メーカーが出ますから、それに伴ってティア1、ティア2と出て行くわけですよね。なので、昔よくありましたけども、「親会社が出てこいと言うから出て行きます」みたいな海外展開って非常に多かったと思いますけど、あれがまず5番、自動車メーカーが行って。その後、今ちょうどまさにミャンマーは自動車メーカーが出ていますから、ミャンマーと言うと、3~5ぐらいの間ですよね。きっちり3とか、きっちり4とかってこんなきれいにはなりませんから、一部は3だし、一部は4だし、一部は5だしというかたちで、もう自動車メーカーは出て行ってますから、ミャンマーが今だいたい3~5ぐらいのところで。ベトナムでもまだ3は残っているけども、徐々に7番の民間進出なんかが始まっているので、都市にもよるんですよね。気を付けないといけないのは都市にもよるので。

自動車が出ると、今度、第三陣として家電メーカーが出て、FMCGのメーカーが第四陣として出て行く。そうすると、新興国に変わっている、市場がそこに形成されているという、こういう順番になっていくんですけども。

どういうことかと言うと、ODAをやって、政府が外資を誘致していきましょうと、外資のメーカーを呼んで安い労働力を使ってこの国で生産してもらったものを世界中に輸出をしてもらう、そのための政策転換が入って、政策転換が入ると官民一体となってインフラを整備しましょう、インフラ事業者が出て行って、その後、自動車メーカーが出て行って、家電メーカーが出て行って、最終的にはFMCGが出て行く。もちろんインフラがないと、自動車メーカーの工場が建たないし、自動車のような大きい産業の製造業がまず成功しないと、その後、家電が出て行けないので、その後に続くのが家電で、それが出て行くとFMCGという、こういう流れになっていくんですよね。最終的に新興国になると、もうそこは、今で言うと、タイとか、インドネシアとか、フィリピンとか、ベトナムのような成長著しい新興国に成長しているということになるので、この外資の政策誘致をして、製造業がそこで安い労働力を使っていろんなものをつくり始めると、当然、その国は豊かになっていきますよね、外貨を稼ぎますから、輸出をするということですから。外貨を稼いで豊かになると、そこに市場が形成されるので、自動車が売れる、家電が売れる、FMCGが売れる。いつしか新興国に成長して、そこからさらに成長していくと先進国になっていくという、こういうプロセスを通じて、後進国は新興国になっていくということなので、一夜にして新興国というのは出来上がるのではなくて、新興国がおおよそこういう流れで新興国になっていきますので、自分たちが今ターゲットとしている国が一体この1~7の中でどのステージにあるのかということをしっかり見極めていく。

ASEANで言うと、シンガポールは先進国ですし、マレーシアももうほぼほぼ、タイも先進国と言って、バンコク、クアラルンプール、ジョホールぐらいは先進国と言っていいと思いますけど、都市で言ったら。国で言ったらまだかなり先進国に近い新興国になってくると思いますけど。今、本当に新興国ど真ん中と言うと、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンなんかがまさにそうだと思いますけども、それがこの最後、この赤い字の新興国というところで。ミャンマーなんかが3、4、5ぐらいを、今、経過を通過をしているところなので、これから家電が出て行って、FMCGが出て行ってみたいなかたちになると思いますけども、こうして自分たちが今攻めようとしている国がどういうステージにいるのか。自分たちが今このタイミングで参入することが正しいのか否かということをこういうプロセスを見ながら判断をしていくということは大変重要になってきますので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは今日はこれぐらいにして、また皆さん次回お会いいたしましょう。