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第243回 商品を売るために必要な2つのステップ(消費財)

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、アジア新興国で商品を売るために必要な2つのステップということでお話をしていきたいと思います。

主にB2Cの消費財向けのお話になります。今日お話する2つのステップなんですが、やっぱり日本の地場の市場とアジア新興国の市場というのは大きく異なっていて、日本ではこの2つのステップをそんなに強く意識しなくても、皆さんの会社の商品って売れているんですよね。それが、アジア新興国になると、どうしてもこの今日お話する2つのステップというのは全く別のプロセスになるので、どうしても強く意識をして認識をしていかないといけない。逆に、このことがしっかり理解できると、皆さんのアジア新興国でモノを売るという行為というのは、今以上に楽になると思いますので、今日は、アジア新興国でモノを売るために必要な2つのステップということで一緒に学んでいきましょう。

スライドをお願いします。このステップ1、ステップ2というふうにありますが、商品を売るために必要な2つのステップ、1つが商品を並べること。これは商品を小売店に並べるという行為ですよね。これってストア・カバレッジの話なんですよね。ストア・カバレッジというのは、いかにたくさんの小売店舗に自分たちの商品を並べるかという。このいかにたくさんのストア・カバレッジを取るかという、これはまさにチャネルへの投資なんですよね。販売チャネルにどれだけ投資できるか。これはディストリビューターの選定もそうですし、ディストリビューション・ネットワーク、販売チャネルそのものをつくるということへの投資ですよね。これって物理的な話で、物理的に販売チャネルをしっかり構築すれば、商品というのは小売の棚に並ぶんですよね。物理的にどういうふうに並べるかという話なので。もちろん費用が掛かる、小売りのリスティング・フィーが掛かる、導入初期費用が掛かる、半強制的なプロモーション費用が掛かる、いろんな問題がアジア新興国の小売にはありますけども、基本的にはチャネルの投資をしっかりすることで並びますよと。

一方でステップ2つの、並べたモノを消費者に選んでもらうという、これはまさにインストア・マーケットシェア。インストア・マーケットシェアというのは何かと言うと、いわゆる1店舗における、例えば、チョコレートを売っていて、チョコのカテゴリー、1店舗の売上が月間、例えば、分かりやすく100万円だったとする。100万円のうち10万円がチョコレートの売上ですと。そうすると、この10万円をどれだけ自分たちが獲れるかということなわけですよね。5社で分け合っていたら、平均で均等割りしたら2万円ですけども、2万円じゃなくて、いかに3万円獲るか、4万円獲るかということがインストア・マーケットシェアなわけなんですけども、これなんですよね。これって何かと言うと、プロモーションへの投資なんですよ。これ、いくらチャネルに投資したって、インストア・マーケットシェアというのは絶対増えない。なぜならば、インストア・マーケットシェアというのはプロモーションの投資でしかないから。もちろん並べたモノが自然派生的に取られて選ばれていくって、これは日本の市場だったらあり得ます。もちろん厳密には、アジア新興国でも物好きな人がいて、見たことがないから買ってみようと、これ、0とは言いません。

ただ、ここで何を言いたいかと言うと、日本の市場では皆さんの会社自体も、会社の商品も知られているわけですね。そうすると、モノは棚に並んだ瞬間に売れるわけですよね。それをより売るためにプロモーションをしていくと。そもそも、物理的に並べるためにチャネルに投資をするなんていうことは日本ではやらないわけですよ。なぜならば、もうすでに販売チャネルは出来上がっているから。従って、日本ではやらないけどアジアではやらなきゃいけないということは、チャネルへの投資が1つなんですよね。このチャネルへの投資ができたら商品は棚に並ぶんですけど、結局、アジアの消費者は皆さんの会社を日本人の消費者のように知らない。皆さんの会社は、知名度もなければ、信用力もない。小売りの信用力ですね。それから、小売との交渉力もなければ、いろいろなものがないわけですよ。日本と同じような環境にはいないわけですね。そうすると、日本以上にプロモーションに投資をしていかないと、当然、知らないモノは消費者は手に取らないわけですよ。なぜならば、アジア新興国の消費者は、お金がないんじゃないんです。1ドルの価値が非常に高いんですよね。われわれ日本人は1ドルで何かを買って食べましたと。まずい。まずければ、もう3分後にはそのこと忘れて、まずいモノは捨てて二度と買わない、これで済むわけですけども。この非常に大切な価値の高い1ドルを使って失敗ができないんですよね。なので、アジア新興国の人は知らないモノは手に取らないという、こういう原理になるわけなので。従って、プロモーションを打たなければ、ストア・カバレッジが広がって並んでも、プロモーションを打たなければインストア・マーケットシェアは上がらないので。

インストア・マーケットシェアが上がらないということは、アジア新興国、小売2種類ありますね、近代小売、伝統小売、それぞれのオーナー、伝統小売のオーナーも、近代小売のバイヤーも、売れないモノは棚から撤去するので、結局、伸ばしたストア・カバレッジも下がってしまうということで、このストア・カバレッジとインストア・マーケットシェア、チャネルへの投資とプロモーションへの投資は両輪で動いて初めてその成果が出るわけなので、いくらチャネルだけに投資をしても駄目だし、いくらプロモーションだけに投資をしても駄目だし、この2つの絶妙なタイミングとバランスが大変重要になってくると。これが商品を売るために必要な2つのステップになります。このことを今一度皆さん、自分たちの会社がどうなっているのかということを考えて、絶妙なバランスになっているのか、最適なバランスになっているのかということを考えてみてください。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。