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第260回 「R」(Research)で勝てるかどうかを見極める

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、海外事業、「マーケティングの基本プロセスの「R」(Research)でその市場で自分たちが勝てるかどうかを見極める」ということについてお話をしていきたいと思います。

多くの日本の製造業の海外展開、製造業じゃなくても日本企業の海外展開において非常に初歩的な失敗、おそらく出る前から想定できたでしょう、この失敗はというのがおそらく8割ぐらいあると思います。8割9割ぐらい、もう、これは仕方ないねというのが残りの10%ぐらいだと思うので、ほとんどの日系企業の失敗は出る前から想定ができている。なぜ想定ができなかったのかと言うと、今日お話をするこの「R」がやっぱり不十分だったからだというふうに言っても過言ではないと思います。この「R」(Research)をしっかりと事前にすることで、マーケティングの基本プロセスの「R」をすることで、初歩的な失敗というのは事前に防ぐことが可能です。今日は、「マーケティングの基本プロセス「R」(Research)で勝てるかどうかをどうやって見極めていくか」ということについて一緒に学んでいきましょう。

スライドをお願いします。マーケティングの基本プロセス「R」ですけども、マーケティングの基本プロセスは前回この番組でもお話しましたけど、「R」「STP」「MM」ということでお話をしましたが、最初のこの「R」ですね、Researchの略で、これをまずやっていくということなんですが。マクロ環境、ミクロ環境、SWOT分析から構成されていて、なんちゃら分析とか、なんちゃら環境と言われると、もうマーケティング嫌だというふうになっちゃうので、もっと簡単に考えましょうということを前回お話をしたと思うんですけども。この図の通り、マクロ環境分析というのは、どんな市場でということを理解してもらうためのもの。そして、ミクロ環境分析というのは、そこにどんな敵がいるんだということを見てもらう。最後のSWOT分析というのは、じゃあ、そこに自分たちが出たら何が起こりそうなのかということを分析していくツールなんですけども。

このフレームワークのマクロ分析、どんな市場でというのは、いろんな多角的な観点から見ていく。究極、その市場は本当に儲かるんですか。自分たちがそこに出ようとしている、それって別の国よりもなぜそこなんですかと、そこに理由がないといけないわけですよね。なぜインドネシアじゃなくて、なぜフィリピンじゃなくて、なぜベトナムなんだ?なぜ先にそこなんだ?という、その理由がそこにないといけなくて。本当に儲かるんですか、どういうふうに儲かるんですか、具体的にどれぐらい儲かるんですか、ということを見ていく。なので、経済指標を見ていかないといけない。ファンダメンタルズをしっかり見ないといけないということと。あと、もちろん外資規制ですよね。法律がどうなっているのか、外資規制というのは必ず海外進出にはつきまといますので、昔ほど外資規制はきつくなくなってはきているものの、外資規制はどうなんだ、税制はどうなっているんだということをしっかり見ていかないといけない。こういった、いわゆるマクロな市場環境、どんな市場なの?ということをしっかり見ていく。この市場でこの商品は売れないよねとか、この市場にこの商品ってこういうプライスじゃないと駄目だよねということが事前にやっぱり分かるんですよね、ここで。こんなものを売っていくんだとすると、10年間は投資をしないとこれは儲からないよねとか、だいたい3年ぐらいでブレークイーブンして4年目ぐらいから利益が出るんじゃないかみたいな試算をして出て行くわけなんですけども、それはやっぱりこのマクロ環境分析が全然甘いということなんですよね。自分たちの商品の品質が良いから、モノが良いからきっと大丈夫だみたいな感覚で行くんですけど、いやいや、そんなものが現地の、B2Bだったらユーザーなり、消費者、B2Cだったら消費者が買うようになるまでにはあと10年掛かったよ。そうすると、やっぱり投資の期間短く見過ぎていたよねということは見えてくるので、やっぱり商品をもっとスペックダウンさせなきゃいけないとか、投資の期間をもうちょっと長期に取らないといけないとか、そういうことを見ていかないといけない。

一方で、ミクロ環境分析というのは、そこにどんな敵がいるんですか。必ず皆さんが行こうとするような国、魅力的な国にはもうすでに先駆者がいる。欧米なり中国、アジア系の先駆者、ローカル系の先駆者がいるので、その脅威がどれぐらいなのかということを見ていかないといけないわけですよね。これ、マーケットシェアを獲るということは、儲けるということは、その儲かる市場で強い敵と戦って初めて儲けるということを実現できるわけなので、どれぐらい強いのかということを分からないと、自分たちが、例えばボクシングに例えて、ライト級の選手なのにヘビー級のリングに上がったら、これは一発で打ちのめされるわけで、ボクシングの場合はライト級の選手がヘビー級のリングに上がるということはないんですけどもね、ないんだけども、事業においてはそれは国境はないので、自分たちの経営資源がライト級なのにヘビー級の市場に出てしまって、ヘビー級の敵と戦えば、それは打ちのめされる可能性があるわけなので、どういう敵がそこにいるんですかと、そこで市場シェア1位を獲らなくても、自分たちがそこにある程度のシェアを獲れるだけの、もしくはある程度の利益を稼げるだけの余裕が本当にあるのかということをしっかり見ていかないといけないというのがミクロ環境分析です。

では、敵の脅威も知ったし、市場性も知った、競争環境も知った、市場環境も知ったとそうなったときに、そこにいざ自分たちがこの今ある経営資源で参入をしたときに、何が起こりそうなの?どうなっちゃうの?勝てるの?負けるの?どれぐらいやったら勝てるの?どれぐらいの時間掛けたら勝てるの?何をやったら勝てるの?みたいなことを分析していくのがSWOT分析なんですよね。

この3つの「R」を、マクロ環境、ミクロ環境、SWOT分析を本気でしっかりやれば、相当精度の高い仮説が立つわけですよね。ここで仮に何百万円、何千万円使ってこれをしっかりと仮説をつくって行けば、これは出て何か本当に大きな失敗をしたら何億円とか何十億円の損失になるわけなので、本当に安上がりだと思うんですよね。これをしっかりやるということがすごく重要だし。どうせやらないと分からないんですよね、海外事業というのは。もちろんやらないと分からない部分もあるんですけども、高度な仮説があってその仮説に向かってやるのか、それとも甘い仮説、もしくは何もない中ただやるのかでは、得られる成果が全然違うんですよね。高度な仮説があれば、やってみました、仮説とちょっとずれました、修正してまた前に進みます、ということができるんですけど、仮説が甘いと、やってみました、あれ?仮説と想定が全然違う、ちょっと修正すればのレベルじゃないぞ、あらららら…ということになってしまうので、やっぱりこの「R」というのはすごく重要で、これをしっかりやらないと、勝てるかどうかの見極めというのはやっぱりなかなかできないですよ。

SWOT分析のところは、これはもう叩いてもらったら国内でやるSWOT分析と一緒なので、強み、弱み、脅威、機会、SWOTは強み、弱み、機会、脅威を基準にして事業戦略を立案するための枠組み、フレームワークなんですよね。なので、自社の強みを生かして機会を捉え、弱みを打ち消し脅威に備えるということをやっていくわけなんですが、ここをいかに自己都合で書かないかということなんですよね。だいたい自己都合な強みとか、自己都合な弱み、自己都合な機会や自己都合で脅威を書くという傾向が非常に強いので、ここをどれだけ客観視するかということが重要で。そもそもSWOT分析を自分でやったら、かなり客観視するということは非常に難しいので、いかにやっぱりこれ、第三者に客観視してもらうということが、僕はSWOT分析は重要だなというふうに思います。自分たちでSWOTをすると、当然ながら事業部の向きたい方向にどうしてもSWOT分析が向いてしまったりとか、その個人の何か向きたい方向にSWOT分析が向いてしまったりというSWOT分析を散々見てきたので、ここはやっぱりどれだけ客観視できるかということがすごく重要なので、そこを気を付けてみてはいかがでしょうか。

それでは今日はこれぐらいにして、また皆さん次回お会いいたしましょう。