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第267回 グローバル・マーケティングのゴールとは

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「グローバル・マーケティングのゴールとは」ということで、少しグローバル・マーケティングの定義みたいなところのお話をしていきたいなというふうに思います。

グローバル・マーケティングって一体何なんだ?というふうに問われたときに、明確に回答できる人はそんなに多くないと思います。何となくグローバルで展開するマーケティングのことでしょうとか、海外で展開するマーケティング活動というような解釈をしている方が多いと思うんですが、このグローバル・マーケティングの意味というのは非常に重要で、この意味が分からなければ、どうグローバル・マーケティングを実行すればいいのかということもなかなか分かりにくいと思います。今日は、このグローバル・マーケティングとは一体何なのかということについて一緒に学んでいきましょう。

まず最初に申し上げたいのは、グローバル・マーケティングのゴールなんですけど、結論から先に言うと、私はこういうふうに解釈しています。グローバル・マーケティングのゴールとは、市場を地球規模で捉えて利益をあげることであるというふうに思っています。このグローバル・マーケティングを語るときに、視点というのがすごい重要で、どういう視点でマーケティングを見るのかということが、ものすごいグローバル・マーケティングは重要。そして、グローバル・マーケティングを語るときに外せないのが国際マーケティングの存在なんですね。この国際マーケティングとグローバル・マーケティングというのは全く視点が異なるもので、この視点を間違えてしまうと、なかなかグローバル・マーケティングができていない。今、グローバル・マーケティングをやらなきゃいけないのに、視点が国際マーケティングのままだという企業なんていうのはもう腐るほどあるわけですよね。国際マーケティングの視点のままグローバルビジネスをしてしまっているという企業というのはもう本当に多い。なので、今日はこの国際マーケティングというものとグローバル・マーケティングというもの、この2つを比較しながら解説をしていきたいと思うんですが。

最初のスライドをお願いします。まず、国際マーケティングなんですけども、こうして意識しなければ、国際マーケティングとグローバル・マーケティングを比較して考えるなんていうことはたぶん皆さんしなかったと思うんですけど。まず国際マーケティングって一体何なんだということからお話をしていきたいんですが。国際マーケティングというのは、この言葉自体が生まれたのは1960年代だと言われているんですよね。当時は自国と外国との間で行われるマーケティングとして国際マーケティングという言葉が用いられていた。自国、日本と相手の国ですよね。例えば、日本と中国とか、日本とアメリカとか、日本とヨーロッパとか、そういう、自国と外国との間で行われるマーケティングとして使われていましたよと。

次のスライドをお願いします。では、グローバル・マーケティングの定義って一体何なんですかということで、グローバル・マーケティングの研究の第一人者である明治大学の経営学部の大石教授の定義では、グローバル・マーケティングとは、多数、複数の国・地域で国境を越えて同時にかつ連関して意思決定しなければならないマーケティング、これがミソなわけですけども。これ、似て非なるものなんですよね、国際マーケティングとグローバル・マーケティングって。

次のスライドをお願いします。分かりやすく言うと、昔、かつて皆さんインターナショナルという言葉を非常に多く耳にした時代があると思うんですけど、国際的とか、国際間のとかというふうに訳されていますけども、英語のインターとかナショナルの意味から考えても、このインターナショナルというのは、あくまで自国を中心とした、を考えたときの他国との関わり合いを表している、これがまさにインターナショナルマーケティング、国際マーケティングなんですよね。

一方で、いつからこのインターナショナルという言葉がグローバルというものに変わって、グローバルなというのはどういう意味かと言うと、地球全体のとか、世界的なというふうに訳されていますけども、つまり、地球全体を1つとして捉えて物事を考えるという、このグローバルという言葉に置き換わったんですよね。もうインターナショナルってあまり流行っていないですよね、言葉自体ね。昔はよく使われたと思います。80年代、90年代ぐらいまでは、グローバルという言葉よりもむしろインターナショナルという言葉のほうが圧倒的にポピュラーだったし、メジャーだったと。それがいつしかグローバルに変わってきているわけですよね。世界のあらゆるビジネスシーンの視点が変わっているということなんですよね、これね。インターナショナルから、いわゆる自国を中心とした海外とのやり取りの視点、これは世界中のいろんなビジネスシーンでそういう視点だったわけですよ。自分対相手。それが、いつしかグローバルな視点に変わっていっているということなんですよね。この視点が違うということがもうグローバル・マーケティングの最大の特徴で、視点が違うのに、世界は今、グローバル・マーケティングの時代なのに、いまだに国際マーケティングの視点でグローバルビジネスをしていると、これはやっぱりなかなかうまくいかないという問題があって、結構多くの日本企業は、この視点の違いで事業がうまくいっていないというケースが多々見受けられる。

国際マーケティングとグローバル・マーケティングを、これ、次の図をお願いします。比較した図ですけども、まとめると、国際マーケティングというのはインターナショナルという言葉が流行っていた時代の60年代に初めて使われた言葉ですから、そして、国際的、国際間のというふうに訳されるし、自国を中心として考えるということが最大の特徴で、自国と他国の2カ国間の話なんですよね。これ、日本か海外かという話なんですよね。日本から相手国を見る視点、これが国際マーケティングの視点。ちょっと想像してほしいんですけども、日本から海を越えて相手の国を見るという、こういう視点ですよね。
一方で、グローバル・マーケティングというのは、インターナショナルではなくてグローバルであるということと、地球全体の世界的なというふうに訳されて、地球全体を1つとして捉えて考えるということがすごく重要で、複数カ国、大石先生も言っている通り、複数カ国なんですよね。日本か海外かの議論ではないということが非常に重要で、宇宙から地球全体を見る視点、この視点の違いですよ。日本から海外を見るんではなくて、宇宙から地球全体を見る。宇宙というとすごい壮大な感じしますけども、それぐらい大げさな視点でとらえるということが非常に重要で。

ここでの問いは、果たして本当に自分の会社はこのグローバル・マーケティングの時代にこのグローバル・マーケティングの正しい視点を持てているんだろうかということがすごく重要で、グローバルビジネスをやっているにもかかわらず、実は国際マーケティングの視点でやっていませんかと。国際マーケティングの視点だったら貿易で十分なんです、輸出で十分なんですよね。でも、そうじゃなくて、グローバルビジネスを行うんだということであれば、やっぱりグローバル・マーケティングの視点を持たないと、戦略もずれてくる。視点がずれれば戦略もずれるし、戦術もずれる、すべてがずれてくるので、この視点というのは大変重要ですよ。ということで、今日は「グローバル・マーケティングのゴールとは」ということでお話をさせていただきました。

今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。