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第276回 近代小売(MT)と伝統小売(TT)をレイヤー化する

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「近代小売と伝統小売をレイヤー化する」ということについてお話をしていきたいと思います。

今日のお話は、要約すると、近代小売と伝統小売というのは両輪で攻めていかないとマーケットシェアを上げられませんよと。なおかつドミナントであると。そうなってきたときに、自分たちが攻めるべき、優先順位をつけて攻めるべき小売をしっかりとレイヤー分けをして順序立てて攻めていくということが大変重要。そうしないと、ストア・カバレッジというのは上がらないので、今日はそのお話になります。対象はFMCG、Fast Moving Consumer Goods、食品・飲料・菓子・日用品等の製造業ですね、エリアはASEANになります。それでは、「近代小売と伝統小売をレイヤー化する」ということについてお話をしていきたいと思いますが。

どういうことかと言うと、近代小売と伝統小売の攻略の順序は、若干近代…、両輪なんですよね、基本的には両輪です。ただ、若干近代小売のほうが先になりますよと。なぜならば、近代小売である程度売れ筋にならないと、もしくは近代小売である程度並ばないと、フェイス獲りをしないと、伝統小売のオーナーは取り扱いたがらないんですよね。従って、両輪なんだけども、やや近代小売のフェイス獲りを先にやるということが現実的に取り組みを始めるとそうなっていくわけなんですけども。

その中で、近代小売で伝統小売、両輪で走って。伝統小売の攻略に近代小売というのは多くの国で、ASEANはどの国でも日本企業は比較的、うまくとまでは言わないけど、ある程度置けるようになるわけなんですよね。一方で攻略に困るのが伝統小売で、伝統小売の攻略も国全体で考えるから難しくて。例えば、ベトナム、縦長の1,600キロの国土に何となく伝統小売を攻略しなきゃ。タイもあの国土に伝統小売をどうしよう。インドネシアなんかもあれだけ無数にある島の伝統小売どうしようと。そうではなくて、もうものすごいドミナントなんですよね。ドミナント戦略で考えないといけない。ものすごいミクロなドミナント戦略で考えていったときに、このエリアの近代小売のフェイス獲りが終わったので、終わったと同時に伝統小売の攻略を始めていくわけなんですけども、まずドミナントでやる。ものすごいドミナントでやる。もう、区レベルのドミナントでやっていく必要があって。その区の中に存在する伝統小売をしっかりとレイヤー化しないといけない。そうしないと、どこから攻めていくべきかという優先順位がつけられないんですよね。伝統小売も効率のいい伝統小売と効率の悪い伝統小売がある。極端なことを言うと、本当にリヤカーで来て、ござを敷いてお店を出していくような無許可の伝統小売もあれば。基本的に伝統小売って小売の許可制なので、どの国でも伝統小売は許可が必要です。許可を取っていないような伝統小売も当然あります。一方で伝統小売の中にも問屋機能を持っているようなものもあるわけですよね。インドネシアではグロシールというふうに言ったりしますけども、いわゆる地域の50店舗、100店舗の伝統小売の購買を、一括購買をして代わって購買をしてくるわけですね。仕入れてきて、そしてそこにデリバリーをしてくれる、デリバリーをするケースというのは少なくて、どちらかと言うと取りに来させるというケースのほうが多いと思うんですが、そういう問屋機能を持っていたりする。こういう地域一番店を押さえると効率いいわけですよね。1TT獲得で地域の50店舗とかをバーンと獲得できちゃうので。そうすると、自分たちが優先順位を決めて攻めていくTT、伝統小売ってどこなの?ということをやっぱりレイヤー化しないといけない。

図をお願いします。まず、MT、GT、TTというふうに書いていますが、MTはModern Trade、GTというのはGeneral Trade、TTというのはTraditional Trade。これは国によってGeneral Tradeを、MTをGTと呼んだり、,TTをGTと呼んだりする国があります。これは何をもってGeneralかなんですよね。自分たちにとってGeneralがどっちかということで捉えて、GT、GTと言って、TTをGTと言うところもあれば、MTをGTと言うところもあるし、いわゆる伝統小売でもなくて、近代小売でもない、その中間、GroceryみたいなところをGTと言ったりする人もいるので、これは国と境界と人によってちょっと呼び方がまあまあ変わってくるので。一応、うちはMT、GT、TTと今3階層に分けていて、MTって何かと言うとModern Tradeですよね。それも1、2と分けていて、主要なMTと非主要なMT、もう絶対に獲得必須の主要なMTって、例えば、インドネシアで言ったらアルファマートとインドマレットみたいな、3万5,000店舗のMTのうちの3万店がこの2つなのでもうマストですよね。こういうものをMT1と。それ以外のものをMT2というふうにしたりして、一応、近代小売もしっかり分けています。GT1、GT2というのは、これGTは地域一番店のような、ちょっと伝統小売と呼ぶにはなかなか難しい、この写真の通りなんですけども、かなり店舗が広くて、一応、POSは入っていない、POSが入っているか、入っていないかでMT、TTを決めているので、POSは入っていないんだけども、地域のGroceryみたいなね。GT2というのは、そういったGroceryでも規模がちょっと小さめのものをGT2というふうに呼んで。さらにその下にTTというものを1、2、3、4と入れていて、TTの中でも都心部や交通量の多いエリアに立地するものをTT1、本当にこれはTTの中でもマストで攻略をしていく必要があるもの。上記と、TT2というのが上記と比較で区別をする、若干交通量が少ないとか、若干地方の居住区の中にあるとか、そういうことでTT2。TT3はドアがないとか屋根がないとか、お店とは言い難いレベルのTTで。TT4はリヤカーや路上販売レベルとかということをある程度分けて。ドミナントでやっていくときにこのエリアのどのTTから優先的に攻めていきますかと、ドミナントにしてものすごく区とかストリートぐらいに分けてしまうと、狙うべきTTというのは非常に明確になりやすいんですよね。そうやってTTという獲得すべきで、これがもう日々の積み重ねなんですよね。365日1年間あって、この365日毎日同じ活動をドミナントでどんどん、どんどんやって、これを積みあげていくからストア・カバレッジが3年後にこうなった、5年後にこうなったと、欧米の先進的なグローバル企業がもう何十…、何十年と言ったら言い過ぎだ、10年、20年前からこれをやっているわけなんですね。日系の消費財メーカーもやっぱりここから逃げずに365日1日どれだけストア・カバレッジを伸ばせるのかと。ドミナント、1つの地域が終わったら、区が終わったら次の区に行くということをもう本当に愚直にやっていくということが大変重要になってくる。そのためには優先順位をつける必要がある。優先順位をつけるのであればレイヤー化する必要がありますよというのが今日のお話でございます。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。