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第294回 3Cと4Pをベースに参入戦略を描く その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「3Cと4Pをベースに参入戦略を描く」ということについてお話をしていきたいと思います。

対象は製造業、B2B、B2C問いません。対象地域は新興国全般ということにしていきたいと思います。今日のお話なんですが、この番組でも何回かにわたって、3C、4P、非常に有効なフレームワークですよと、参入戦略をつくる上でこの3Cと4Pをしっかりやれば良い参入戦略がつくれますよというお話をしてきましたが、今日はその総まとめということでお話をしていきたいと思います。

まず、では、スライドをお願いします。このスライドの通り、3C分析と4P分析というものがそれぞれあると。それぞれがどういうものかということは、もう皆さん十分ご存じだと思うので、特にここでは説明しませんが、3C分析というのはファクトの把握が非常に重要ですよと、いかに客観的に事実を見るか、「市場」の事実を見るか、「競合」の事実を見るか、「自社」の事実を見るか、ということが非常に重要ですよと。4P分析というのは、自分よがりの4Pではなくて、いかに競合と比較してどうなんだということをしっかり見ていきましょうねと。そうすることによって、非常にインプットの質が上がりますよというお話をしたと思います。これをいかに参入戦略に生かしていくかと。このインプット、3Cと4Pのインプットがなければ、そもそもインプットなくしてアウトプットという戦略は出てこないので、そして、アウトプットという戦略をいかに実行して、アウトカムという成果に変えなきゃいけない。そうなってくると、もう一番最初のこのインプットを入れるというところで3Cと4Pを間違ったかたちで実行してしまうと、そもそも間違った情報、もしくは少ない情報で、間違った戦略、間違ったアウトプット、もしくは至らないアウトプット、戦略をつくり出してしまって。そうすると、それを実行しても良いアウトカム、成果は出ないということにつながるので。この一番最初の3C、4Pは非常に重要ですよということでございます。

ファクトを把握するということなんですけども、やっぱり非常に多いのが、3C分析の中で多いのが、自分たちが分かっていなかったということすら分かっていなかったとか、自分たちが分かっているつもりでいたという声が非常に多くて、やっぱり「3C分析、4P分析、やっているよ」と言うんだけども、特に3C分析のほうで言うと、客観的に事実を捉えるということがこんなに重要なのかということがそもそも分かっていなかったという方が非常に多いので、ここはしっかりファクトを把握すると、事実をまず把握するんだということに重きを置いていただきたいなと。

前回もこの番組のどこかでお話しましたけど、「市場」に関してもいわゆるマクロの経済指数の観点での情報収集、それから、業界に関連する情報の収集、そして、最後が法規、外資規制がありますので、外資規制に関する、この3つを市場に関して押さえれば、だいたいその市場がどういう市場なのか、儲かる市場なのかどうなのかということはしっかり分かるので、だいたいこの3つをしっかり理解をするということが重要。

「競合」に関しては、ここはもう本当に非常に重要なんですけども、いわゆる流通まわり、彼らの、流通というのは販売チャネルのことを申していますが、販売チャネルが劣っているからシェアに差がある、成果に差があるという傾向が日本企業は本当に多いので。モノは別に問題ないんですよね。価格競争力も本気になれば、これは日本企業も十分価格競争力を発揮できる。重要なのは、結局、足回りというふうに言ってもいいかもしれませんけども、販売チャネルは圧倒的に弱い。例えば、具体的に言うと、シェアが高いメーカーはディストリビューターを10社使っているのに、自分たちは1社だったとか、シェアの高い会社の全ディストリビューターの全営業マンを合わせると何千人いたのに、自分たちは数百人だったとか、そういうことが非常に多いので。また、B2CのFMCGなんかで言うと、近代小売は配荷できるんだけども、伝統小売は配荷できるようなチャネルでそもそもなかったとか、そういうことになるので、競合をしっかり見ると。

「自社」。「自社」に関しては、自分たちの戦闘能力というか、自分たちがいわゆる今申し上げた市場、いわゆるどれぐらい儲かるのかということを経済の観点、それから業界の観点、そして外資規制の観点、3つで見るとどれぐらい儲かる市場かというのが見えてくる。そこに対してどういう競合が、どういう戦闘能力で存在しているのかということが見えてきて、そこに自分たちが入ったときにどうなるんだということを見るために自社を調べるわけですよね。まさにマーケティングの基本プロセスで「R-STP-MM」の「R」の部分にふさわしいわけですけど、この3Cというのは。この3つのファクトをしっかり見ると、おおよその想定がだいぶ高度にできてくるので、ここをやっぱりしっかりやっていかないといけないというのが1つ、改めて申し上げておきたいなというふうに思います。

これができると、市場のことがよく分かる、敵のことがよく分かる、自分の今の現状の能力もよく分かる。じゃあ、どんなターゲットにどんな4Pを繰り広げようかなというのが、この4Pなわけですよね。この4Pを間違えてしまうと、せっかく市場のファクトを見て、事実で市場はものすごく的確に把握しているのに、4Pを間違えたのでブレークスルーできなかったということになるので、この4Pについて次は話していきたいんですが。ちょっと時間になってしまったので、4Pに関してはまた次回お話をしていきたいと思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。