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第309回 1カ国1代理店ではシェアは上がらない その1

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「1カ国1代理店制ではシェアは上がらない」ということについてお話をしたいと思います。

今日のお話は、対象は製造業、FMCGが中心のお話になるかもしれませんが、FMCG問わず、B2C・B2B問わず、製造業全般ということでお話をしていきたいと思います。対象エリアは、事例はベトナムの事例が多く出てくるかもしれませんが、基本的にはASEANということですが、新興国全体で同じような状況でございますので、基本的には新興国というふうに捉えていただければと思います。

タイトルにあります通り、「1カ国1代理店制度」についてなんですが、ここで言う代理店というのは、ディストリビューターのことを言っています。われわれにとっては代理店と言ったほうがしっくりくるので、敢えてタイトルは代理店にしていますけども。また、過去の番組をチェックしてもらったらよろしいと思うんですけど、代理店と販売店って、われわれ日本で日本人ってあまり区別していないと思うんですけど、英語に直すと、代理店ってエージェントで、販売店がディストリビューターになるんですけど、この2つはもう全く契約形態が違うので、英語で言うと、ディストリビューターと言うのとエージェント、販売店というのと代理店というのでは契約形態が全く違うので、結構意味が変わってきちゃうので、誤解がないように、本来はディストリビューターという言葉を使ったほうがいいんですが、代理店という言葉のほうがしっくりくるので代理店というタイトルを付けていますが、ディストリビューターであるということを理解しておいてください。

この「1カ国1ディストリビューター制ではシェアが上がらない」ということなんですが、多くの日本のメーカー、消費財メーカー、特に消費財メーカー、アジア新興国市場で現地に法人もありますと、現地でつくって現地で販売していますと。ですけども、なかなかシェアが上がらない。もちろん輸出でもいいんですけどもね、シェアが上がらない、売上が上がらないという問題を抱えていて。その中の1つに、やっぱりディストリビューション、チャネルが弱いという、4Pで言うところのプレイスが弱いというケースが非常に多い。では、このプレイスを開いていくとチャネルが弱いということになるんですけども。そのチャネルというのが自社の販売チャネルをさらに開いていくと、物理的に今のディストリビューターではシェアは上がらないよね、売上は上がらないよねというところの状態に陥っている企業というのが非常に多い。
いろんな問題があるんですけども、これはひとえにディストリビューターの競争力が低いというケースがあるわけですよね。競合他社に比べて競争力が低いので、当然シェアが上がらないという問題。例えば、FMCGの場合、A小売、B小売、C小売に商品を納めたいんだけども、今使っているディストリビューターはA小売とだけは関係はあるんだけど、B小売、C小売との関係はないとなると、これは新規にB小売、C小売と新たに関係をつくっていくことになるわけですから、何年もかかるわけですね。従って、そのディストリビューターを使っている以上、A小売では商品が売れても、なかなかB小売、C小売にはいけないという、こういう問題になってくるわけですよね。この中身のことを大して知ろうとしてこなかったという背景がどうしても日本のメーカー側にあって、なかなか成長が止まってきた、もしくは成長が落ち込んできたタイミングでどうしてものかなというふうに悩んでいると。ただ、今までディストリビューターに任せきりにしてきたものですから、何が要因でそうなっているのかということすら分からないわけですよね。今私が申し上げたようなA小売には売れているけど、B小売、C小売にはなかなか売れていないみたいなものも、何となくおぼろげに理解はしているんだけども、その要因が具体的には分からないとかっていうケースが非常に多かったりして。その場合、B小売、C小売をこの今のディストリビューターが獲得するまで待っているのかって、こんなの当然待ってられませんから、B小売、C小売に強いディストリビューターと新たに契約をしていかないといけない。
これは今、小売で分けましたけども、地域で差が出るということも当然あるわけですよね。例えば、ベトナムで言ったときに、ハノイはいいんだけど、ホーチミンは駄目とか、ホーチミンはいいんだけど、ハノイは駄目とか、こうやって地域的に差が出てしまうというケースも当然あるわけですよね。特にベトナムなんかは、ホーチミンの会社がハノイでなかなか力を発揮できないなんていう文化的背景もあったりしますし、そもそも地政学的にあの国というのは1,600キロ、ハノイからホーチミンまで1,600キロぐらいの長い国土の中で、ホーチミンのディストリビューターがハノイでも同じように商売をするって、なかなかやっぱりこれは苦しかったりするんですよね。なので、地域でもそういうふうに差が出てしまうと。それって、蓋を開くと、やっぱりディストリビューターの能力がエリアに対する能力、小売に対する能力、いろんな能力があると思うんですけど、それが追い付いていない。それが追い付いていないのであれば、それを補う必要があって、そこになかなか手が付けられていないというケースが非常に日系企業の場合は多いです。

ちょっと時間ですかね。時間なので今回はこれぐらいにしますけども、引き続き次回、この話は非常に重要なので、続けてお話をしていきたいと思います。それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。