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第319回 正しいディストリビューターの選び方 その3

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日で3回目になりますけども、「正しいディストリビューターの選び方」ということでお話をしていきたいと思います。

このディストリビューター選び、大変重要です。海外展開する上で、自分たちの売上やシェアを決める上で、本当に重要なステップというか、プロセスになります。このディストリビューター選びに失敗してしまったがためになかなかシェアが上がらないとか、売上が伸びないみたいな事例というのは大変多くて、今、実際に海外展開している日本の製造業の中にも、自分たちの今の現状のディストリビューターに満足できていないなんていう企業は非常に多く存在します。質が悪いのが、ディストリビューター選びに失敗して、もう完全に事業がストップというふうになれば、これは次のステップに行けるんですけども、基本的にディストリビューター選びに失敗するということはどういうことかと言うと、玉砕されないんですよね。中途半端に生煮え状態で生かされるという、本来はこれぐらいの売上があるべきなのに、これぐらいでずっと停滞して生き延び続けるという、この始末の悪さというのが非常にディストリビューター選びの問題のポイントで。ディストリビューター、正しいディストリビューターを選べば、皆さんの売上やシェアって、こうにもなるし、こうにもなるし、でも間違ってしまったら、それは逆にこうなってしまったりということになるわけなので、いかに正しいディストリビューター、適切なディストリビューターを選ぶかということが大変重要ですよという、そんなお話をしてきました。

そのおさらいということで、今日は3回目なのでまとめの回なわけですけども、まず、誤ったディストリビューターの選定方法ということでもう1回整理をしていきたいと思いますが、スライドをお願いします。この図の通りなんですけども、いくつかの選択肢からA社を選んだんだけど、本当に最善な先なんですかと、最適な先なんですかと。競合のディストリビューターよりも優れた先なのかと。選定基準は何なんだったんだっけ?A社との契約後しばらくして、実はB社のほうがよさそうだと分かったよと。しかし、一旦ディストリビューターと契約してしまえば、たとえ1年更新の契約でも、現実的には3年程度、3年、4年、5年ぐらい付き合わざるを得ないケースって全然少なくないですよと。こういう選び方って、これはどういう選び方のことを言っているかと言うと、いわゆる自分たちが手の届く範囲でディストリビューターをざっと集めて、それを比較して、ここにしよう、あそこにしようという決め方なんですよね。網羅的にその業界のディストリビューター、言ったって数十ぐらいしかないはずなんですよ、どの業界、どのインダストリーも。にもかかわらず、自分たちが今手の届く範囲の中からだけ集めて、ここがいい、あそこがいいという選択肢で選択をしてしまいますから、後々、手の届かなった範囲に存在していたB社とかC社のほうがよかったじゃんという、そういうことになり得る、なり得っているという企業が非常に多いですよと。確かにこの方法は手の届くところから選びますから、早く決められるというメリットはあるんですけども、でも、結局、1回ディストリビューターを決めちゃったら、なかなか代えるのって体力要るんですよね。そんなすぐにドラスティックに、はい、パーンなんていう代え方、日本企業はなかなかできないので、結局、決めたら時間が掛かるので、次代えるのにですね、であれば、しっかり決めておきましょうというのが、私がずっとこの回で言ってきている話なんですけども。そういう決め方をしないで網羅的に並べる。もう1つあるのが基準値がないんですよね。「選定する基準値というものがない」と言ったら語弊がありますけど、「明確じゃない」というふうに言ったほうがいいですかね。なので、自分たちのディストリビューターはこうでなきゃ駄目だとか、こうあるべきだという絶対基準みたいなものが明確にない。一方で、マインドセットを測るみたいなプロセスというのをやらなかったりするわけですね。単純に自分たちの手の届くところ、銀行の紹介、誰々の紹介、もしくは大手だからとか、そういう範囲の中でここにしたんだけども、なかなか、実はあっちのほうがよかったねとか、マインドセットが全然高まっていないよねとかっていうケースというのが非常に多いですよと。こういう方法ではなかなか成果が出ないですよというのが間違ったディストリビューターの選定方法。

じゃあ、正しい選定方法ってどうなの?というのが、次のスライドをお願いします。この図の通り、とにかく選択肢をロングリストとして並べるということが非常に重要で、それをグーッと絞り込んでいくということが重要なんですよね。その中で最適な1社なのか、数社を選んでいくと。このときに大変重要なのが、前回お話しましたけども、絶対評価と相対評価という2つの評価基準をしっかり持って絞り込むことが重要なんですよというお話をしました。絶対評価って何なんですかと言ったら、スキルセットに対する絶対的な評価なんですよね。自分たちはディストリビューターにこういうことを求めるので、この機能、このスキル、それがなかったら駄目ですよ、全部切っていきますよということをまず設定するということが重要で。例えば売上。自分たちが10億やりたいのに5億しか売上のないディストリビューターは、そもそも10億円できないでしょう。キャッシュを回すビジネスなんだから。はい、除外というふうに切れるわけですよね。あと、自分たちはこの小売、あの小売、その小売、もしくは、このユーザー、あのユーザー、そのユーザーに納めたいとなったら、そこと強固な現状ビジネス取引をしていなければ駄目なわけですから、そういうところも除外になっていく。そういう絶対的な評価基準で絞り込んでいかないといけない。前回もお話しましたけども、日本の製造業の間違いは、「誰と売るか」ということよりも、「誰に売るか」ということをまず明確に決めるということがすごく重要で、「誰に売るか」がもう明確になっていないから、「誰と売るか」つまりはディストリビューターの選定も甘々になっちゃうんですよね。これ、誰に売るかということが明確になっていて、自分たちはこの市場でこれだけのマーケットシェアを獲るためには、この人たちに売らなきゃいけないんだということが明確になっていたら、そこに売れるディストリビューターは誰なんだということで、そのディストリビューターを真剣に探しに行くわけですよ。私の言っている通り、この絞り込むという、ロング、ミドル、ショートの、この絶対評価と相対評価のプロセスを、もう当然のごとくやるので、届く範囲のディストリビューターから、「ここは大手でよさそうだし、社長の王さんもいい人っぽいのでここにしましょう」なんていう決め方は絶対しないわけですよね。なので、誰と売るかよりも、誰に売るのかということをまず明確にする。誰に売るのかが明確になれば、誰と売るのかをより具体的にしようという思考に変わっていきますから。そうやって絶対評価で切っていく。

相対評価って何かと言うと、マインドセットを見ることですよ。絶対評価というのはスキルセットを見ることです。このスキルセットとマインドセット、前回お話しましたけど、私がスキルセットで定義しているのは、「配荷力」「提案力」「資金力」。マインドセットで定義しているのは、「企業理念」「社風」「社長の人柄」ということでお話しましたけど、このスキルセットとマインドセットはディストリビューターを選ぶ際には非常に重要で、別途、今後たぶんこのスキルセットとマインドセットについては回を設けていきたいと思いますので、またそこで詳しくお話しますが、この相対評価というのはマインドセットを見るんです。もうスキルは、この人たちのスキルをもってすれば自分たちの売りたい先に売れるということを条件に絶対評価で絞り込んできたので、もうここにいる最後のショートリストの母集団というのは、5社というのは、もうスキルセットはクリアしている、スキル的には絶対売れる。じゃあ、あと何が必要かと言うと、マインドセットなんですよ。自分たちの会社の理念とか、自分たちがこの国で実現しようしている世界観、こういったものをどれだけ理解して、それに共感してくれて、そしてそれを一緒にやっていこうと。ディストリビューターにとっても投資なわけですよね。そういう熱い思いが、どれだけ熱量がそこにあるのかということを見ていく、これが相対評価なので、A社よりもB社のほうが熱い、B社よりもC社のほうが熱い、だったらC社にしようと。最後はスキルセットよりも、やっぱりマインドセットを取るということが非常に重要で。なぜならば、もう絶対評価的にはクリアした5社が残っているので、その5社の中で、スキルセットはこっちのほうがちょっと上だとか、こっちのほうがちょっと下だとかっていうことよりも、もうむしろ、このショートリストのステージに入ったら、マインドセットがどれだけ高いかということのほうが圧倒的に重要なので、この図の通り、最終的には相対評価で決めていくと。この方法をすれば、皆さんのディストリビューター選び、これを間違えること…、間違えることはないと言ったら語弊がありますけども、確率論的に非常に適した先を選定できるということに繋がると思いますので、ぜひ皆さんも気を付けてみてはいかがでしょうか。

今、多くの日本の製造業、B2C、B2B問わず、自分たちのディストリビューション・ネットワークの再構築をやっています。ちょうどコロナ禍で時間もある中で、自分たちの今後、次の10年、20年、過去の20年、30年はこのディストリビューターで来たんだけども、このディストリビューターって、一体業界の中でどれぐらいの競争の立ち位置なんだっけということも理解しないまま、もしくは競合のディストリビューターの戦闘能力を10としたときに、自分たちのディストリビューターってどうなんだっけみたいなことを数値で理解しないまま進んできたと。そういうことを数値でしっかり可視化したいというニーズが非常に多くて、そんなことを結構な企業さんはやっています。その中で、自分たち、ディストリビューターをやっぱり追加して投入しなきゃ駄目だね、なのか、代えなきゃ駄目だね、なんかそういうことを次の10年のために考えていく。ディストリビューション・ネットワークの再構築、販売チャネルの再構築みたいなことを皆さんやっているので、ぜひ皆さんも1回自分たちのディストリビューターを可視化するということに着目してみてはいかがでしょうか。

それでは今日はこれぐらいにして、皆さんまた次回お会いいたしましょう。