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第320回 「販売店」と「代理店」の違い

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「販売店」と「代理店」の違いについて、お話をしていきたいと思います。

この「販売店」と「代理店」なんですが、英語にすると、「ディストリビューター」と「エージェント」というふうに訳されます。この違いは日本だとあまり意識されないで使っている方って非常に多いんですが、いざ海外に行くと、契約形態であったり、事業モデルが全く異なります。このことが要因でトラブルになってしまったり、自分たちが本来期待していたパフォーマンスが発揮できない相手と組んでしまったなんていうことは少なくありません。今日は、この「販売店」と「代理店」の違いについて、一緒に学んでいきましょう。

早速なんですけど、日本だと、「うちの代理店が、うちの代理店が…」ということで、この「代理店」という言葉を結構耳にすると思います。一方で「販売店」というふうに使う人もいるし、一体この「販売店」と「代理店」ってどんな違いがあるんだろうというふうに思われている方も少なくないんじゃないかなというふうに思います。意外にそんなに意識せずに販売店を代理店と言ってみたり、代理店を販売店と言ってみたりしているケースが日本だと多々見られるんですけども。これ、海外に行くと、全く契約形態とか、事業モデル、リスクの取り方が異なるので、それを今日、明確にしていきたいなというふうに思います。

早速スライドをお願いしたいんですが、このスライドの通り、「ディストリビューター」と「エージェント」というふうにありますが、「ディストリビューター」というのは、メーカーから商品を仕入れ(購入し)顧客に販売するのがディストリビューター、日本語で言うと、「販売店」なんですよね。従って、顧客との契約は販売店が行います。ここポイントです。販売店は商品を一旦購入するので資金リスクを取る。ここがもうめちゃめちゃポイント。これをやるからディストリビューターなんです。販売店なんですよね。要は、顧客との契約はディストリビューターがやります。販売店がやります。そして、資金リスクも取りますというのが、これが販売店なんですよね。一方で、じゃあ、「エージェント」って何なのかと言うと、「代理店」ですね、日本語で言うと。メーカーと顧客を仲介してコミッションを得るのがエージェントなんですよね。代理店は商品を購入せず、メーカーの代理として顧客との間を仲介するので資金リスクは取りませんよと。ここが非常にポイントなんですけども。販売店は資金リスクを取る、顧客との契約をするに対して、代理店というのは資金リスクは取らないし、顧客との契約もしないと、仲介をするだけなんですよね。

なので、分かりやすい例で言うと、保険の代理店さんなんかは代理店ですよね。保険自身は皆さん生命保険に入っていると思いますけど、その生命保険というのは、保険会社と契約しているわけで、それを仲介しているのが代理店だという位置付け。ですから、代理店ということになるわけですよね。一方で、自動車の販売店なんかは、彼らは自動車メーカーから自動車を一旦購入して、在庫して、それを顧客に販売してますから、販売店というふうになるわけですね。ほとんどのB2Bの製造業の部品やパーツを売っているようなメーカーさん、つくっているようなメーカーさんは、これ販売店契約をしているんですよね。ディストリビューション契約をしているんですよね。代理店契約、エージェント契約ではない。

でも、このことを理解せずに、あまり理解せずに、海外、アジア新興国で契約を、販売をしてくれるパートナーを探すということで、どんどん、どんどん、商談を進めていったにもかかわらず、結局、「いや、私たちはエージェントなので資金リスクは取りません」みたいなね、最後の最後でそんな話になってしまって、「今まで使ってきた時間は何なんだ」みたいな、そんなことに陥るケースも少なくないので、このディストリビューターとエージェントというのは、明確に違いを理解しておくということが大変大切になります。

今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。