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第326回 ディストリビューターは「スキルセット」と「マインドセット」で決める

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「ディストリビューターは「スキルセット」と「マインドセット」で決める」ということについてお話をしていきたいと思います。

この「スキルセット」と「マインドセット」なんですが、ディストリビューターを選定する際の選定基準というふうにとらえてください。この選定基準、「スキルセット」と「マインドセット」をうまく活用することで良いディストリビューターを選べる確率がグンと上がります。逆に、ディストリビューターって、海外展開におけるディストリビューターの選定って成功の可否の5割以上を決めるというふうに言っても過言ではないので、ディストリビューター選びに失敗してしまうと、次のディストリビューターに切り替えて次のアクションを取るのにやっぱり3年以上のロスをどうしても抱えてしまう。そういうことにならないためにも、このディストリビューターの選定に関しては「スキルセット」と「マインドセット」をしっかり使って、適切なディストリビューターを選ぶということが大変重要になります。それでは今日は、ディストリビューターの「スキルセット」と「マインドセット」について一緒に学んでいきましょう。

では、早速、スライドをお願いしたいんですが、「スキルセット」って一体何なの?「マインドセット」って一体何なの?というところのお話からしていきたいと思うんですが、「スキルセット」というのは、ディストリビューターの物理的なスキルですね。いわゆる機能ですね。ケイパビリティというふうに言ってもいいと思うんですが、どういう提案力を、例えば持っていますかと。顧客への提案能力がどれぐらい高いのかということは、僕は1つの「スキルセット」にしています。もう1つが配荷力。ディストリビューターであるからには、しっかりと配荷ができないといけない。配荷というのはデリバリーの力ですよね。気を付けなきゃいけないのは、国によっては、ベトナムなんかは特にそうなんですが、セールスの提案力なんてないんですよね。ディストリビューター、限られちゃうんですよね、そういう提案力を持っているディストリビューターというのは。ディストリビューターというのは、「=デリバリーをするだけ」なので、配荷力しかないですよみたいな、そういうディストリビューターって非常に多いので、この提案力と配荷力がしっかり、顧客への提案力、顧客への配荷力がしっかり整っているかということと。あと、ディストリビューターであるだけに資金力、自分たちが10億やりたいのに、売上が5億円しかなかったら、これは10億やれませんから、本当に資金力がしっかりあるのかという、この3つを大枠で、細かく分類するともっともっと細かな項目があるんですが、この3つを最低限押さえれば、ディストリビューターのスキルとしてはしっかりと備わっていますから、とてつもない大きな失敗をするということはまずないので、この「スキルセット」をしっかり見ていく。

「マインドセット」って何かと言うと、これはそんなに重要じゃないんじゃないかなというふうに思われるかもしれませんけども、1つは企業理念。どういう理念のもと、その企業って成り立っているんですかと。ただ、お金をオーナー社長がお金を稼げばいいんだぐらいの理念だと、なかなかうまくいかないので、本当にどういう理念でその企業が成り立っているのかということ。常に理念というのは企業の最上位概念として存在していて、理念があるから目的・目標があって、目的・目標があるからそれを実現するための戦略・戦術というものが出来上がっていきますから、理念のない会社というのは絶対駄目ですよ。その理念のもと、どういう社風でその会社が運営されているのか。これは企業を訪問したら一発で分かりますから、社風をしっかり見る。絶対に会うべきは、社長なんですよね。ディストリビューターと言ってもそんなに規模は大きくないです。メーカーに比べたらまだまだ小さい、桁が2つぐらい違いますから、ディストリビューターのオーナー社長にしっかり会うということをやっぱりやらないといけない。これはもちろんディストリビューター、いくら自分たちの会社よりも小さいと言っても社長ですから、自分が課長であれば、課長が社長に会いにいくって、これはなかなか難しいことも多々あると思うので、ある程度のタイミング、交渉のタイミングでは、自分たちの会社の海外担当役員を引っ張っていって会わせていくみたいなこともしっかりしないといけない。ただ、なぜ社長に会えと言っているかと言うと、ディストリビューターって、新興国のディストリビューターって、もう鶴の一声、社長の一声で、右と言っていたものが左になったり、左と言っていたものが右になるということも、往々にしてあるんですよね。現場でどれだけ詰めたって、社長がノーと言ったらもう手のひらを返すように変わっていくので、そういう意味では、しっかり社長を押さえるということがすごく重要だし。また、自分たちと一緒にやろうとしていることが社内で重要視されるか否かというのは、社長次第なんですよね。ほとんどのディストリビューターは9割華僑で、完全なる一族なので、いかにファミリーが潤うかということがすごく重要なので、このファミリーと関わっていくということをやらないと、結局どこかで駄目になってしまうので、社長としっかり握るということが重要ですよ。もしくは、社長に変わるような重要人物、ファミリーの中の重要人物と握るということがすごく重要で。

「スキルセット」というのは絶対評価なんですよね。この「スキルセット」がないと自分たちは選ばないということは端から決まっているわけですよ。だって、自分たちのターゲットがここって、もう最初にターゲットを決めるわけですから。そのターゲットに対する提案力があって、配荷力があって、なおかつ自分たちがやりたい数字をやれる資金力があるかという。これがなかったら、そもそも選択肢には入らないので、「スキルセット」というのは絶対評価の絶対条件なんですよね。それで絶対評価で、いわゆるこの3つの「スキルセット」、自分たちが求める3つの「スキルセット」がないディストリビューターというのは全部消去法で消えていく。最後に残った5社とか10社とかのディストリビューターを相対評価をする。それぞれを比べることによって、最も「マインドセット」の高いディストリビューターを最終的には自分たちのディストリビューターとして選ぶという、この絶対評価と相対評価をしていくということはすごく重要で。最後は「マインドセット」が重要になってくるわけですよ。だって、「スキルセット」というのは絶対的な評価で決めていくので、その「スキルセット」がクリアしているものは全部OKだし、クリアしていなければ消去法で消されているわけなので。クリアしたものの中から最も「マインドセット」が高いもの。最も社長の熱量を感じるディストリビューターを選定して、最終的にはそこに決めていくという、こういう決め方をしていけば、そうそうディストリビューター選定に失敗するということはないと思いますので、ぜひ皆さんも、この「スキルセット」と「マインドセット」、軸をしっかり決めてディストリビューターの選定をしてみてください。

それでは皆さん、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。