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第332回 伝統小売で売るための2つの必須条件 その2

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、「伝統小売で売るための2つの必須条件」ということでお話をしていきたいと思います。

対象は、FMCG(Fast Moving Consumer Goods)、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが対象になります。対象地域は新興国全般、伝統小売があれば、ASEANでもインドでもアフリカでも南米でも構いません。新興国全般でございます。前回、この「伝統小売で売るための2つの必須条件」ということでお話をしたんですが、大変重要な内容なので、もう1回改めておさらいということでお話をしていきたいと思います。

結論から先に申し上げると、必須条件の1つは、近代小売で絶対に売れ筋になることが大変重要ですよと。ある程度、存在感を近代小売で示せなければ、伝統小売のオーナーはそれを仕入れませんよと。1回や2回、2回はないですね、たぶん1回は仕入れても、たぶん2度と仕入れないし、敗者復活戦をするのはなかなか難しいですよと。なぜならば、伝統小売の店舗って非常に小さい店舗です。その店舗の中でも売れると分かっているものだけを売りたいというのが、これが伝統小売のオーナーの意思というか、最大で唯一の彼らの戦略なんですよね。だって、もう、売れると分かっているものしか置けないわけですよ。狭い店舗で売れないもの、何週間も売れないようなものを置いておいても埃をかぶるだけだし、返品できなくなるし、賞味期限は来てしまうしということで、基本的には近代小売で売れているもの、もうすでにその国民の大半が、地域の住民の大半が知っているものでないと売りませんよと。ということは、近代小売でやっぱりしっかり売れ筋にまずなるということが、伝統小売をやる上では非常に重要です。多くの日本企業は、近代小売でまずやるというところは、日系近代小売でとどまってしまっているという消費財メーカーも多々ありますけども、ある程度、近代小売は何となく、国にもよるのかな、できるんだけども、伝統小売の攻略がなかなか難しいというところで苦労をしているわけですよね。なかなか、まずは近代小売をやって、そのあと伝統小売をやろうと思うんだけども、近代小売で止まってしまっているというケースが非常に多い。ただ、伝統小売を攻略する上ではまず近代小売を攻略するということが大変重要ですよと。

もう1つが、伝統小売で売るには、今、使いたい分だけを売れる状態にいかにするかということがすごく重要で。例えば小分けなんていうのはまさにそうで。頭痛薬なんか、われわれは24錠とかを買うわけですよね。なんなら36錠買います。頭痛薬なので2錠ずつ飲むわけですけども。基本的に今頭が痛くて、薬箱から頭痛薬を取って飲みました。治まりました。次また頭痛薬を使うのはいつの話ですかって、おそらくすぐに使わないわけですよね。なんですけども、やっぱりそれぐらいで買うのが普通だと。24錠、36錠、結構しますよね、1,980円とか2,980円とかたぶんするはずなんですよ、頭痛薬って。なんですけど、われわれにとってはそれでいいかもしれないですけど、新興国の人たちにとって一番重要なのって個人のキャッシュフローなんですよね。今日食べるお金、明日食べるお金、そういう時間軸のキャッシュフローで生活をしているので、いつ使うか分からない頭痛薬に先にお金を払うなんていうことは決して駄目で。だから、伝統小売では、頭痛薬が1錠から売っている。そして、それを買う。何でも、たばこですら1本から売っている。水ですら、新興国も田舎のほうに行けば、インドのすごく田舎とか、アフリカとかに行けば、1杯から売っているわけですよね。1円に満たないようなお金を出して、1円には満たるのかな、数円のお金で1口飲むというね、そういう小分けをしていくということが非常に重要で。今使いたい分だけを使うということを目的に伝統小売はいっているわけなんですよ。
実は、グラムあたりとか個数あたりで考えたときには、近代小売よりも伝統小売のほうが圧倒的に高い、商品は。えっ、じゃあ、近代小売で買ったほうが得じゃないかって、そんなこと消費者はみんな分かっているんですよね。でも、近代小売に行ったら10個入りで買わないといけない。近代小売に行ったら10個入りで買わなきゃいけないけど、伝統小売は1個から買える。仮に1個は、もう10%高い、20%高くても、個人のキャッシュフローがすごく重要なので、今使いたいこの1個、今食べたいこの1個を若干高くたって、それを買うんですよね。なので、いかに小分けにするか。よく伝統小売って安くしないと売れないなんていう誤解を持っている人がいると思うんですが、そうじゃないんです。伝統小売は高く売れるんです。ただ、グラムあたり、1個あたりは高いんだけども、どれだけ今使いたい分だけを売るかということ、ポテトチップスだったら、あんな1袋は要らないんです。今、食べながらちょっと食べるとか、飲み物だってそうですよね、小さくていい。何でも少しでいいと。それが伝統小売の最大の魅力で、ここをなかなか、実は分かっているようで分かっていない。今使いたい分だけということの本当の価値、これをしっかりやっぱり知る必要があって。

フィリピンで80万店、ベトナムで50万店、インドネシアで300万店、インドであれば1,000万店以上あるという、アフリカなんていうのはもうとてつもない数があるということを考えると、伝統小売は非常に重要で。もちろん今後、伝統小売のディストリビューション・ネットワークを、この番組でも、過去、どうやってつくるかという話やディストリビューションまわりの話はしましたけど、今日は2つの必須条件ということで、どちらかと言うと、4Pで言うと、プロダクトとプライスのところのお話が中心でしたけども、そこの必須条件をしっかり満たすということが伝統小売で売れるための大変重要なポイントになりますので、うまくいっていない企業は、その2つのポイントが本当に満たされているのかということをしっかりと見ていただくと前進できるんじゃないかなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。