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第334回 伝統小売攻略のためのKPI その2

テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、「伝統小売攻略のためのKPI」ということでお話をしていきたいと思います。

対象はFMCG(Fast Moving Consumer Goods)、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーが対象です。対象地域は新興国全般になります。

前回、僕の話が長くて途中で終わっちゃったんですけども、伝統小売攻略のためのKPIというのはストアカバレッジとインストアマーケットシェアですよというお話をしました。前々々回かな、ぐらいから、いわゆる伝統小売を攻略するための2つの必須条件ということでお話をして、1つは近代小売で絶対的な売れ筋になることが重要ですよと、なぜならば伝統小売は店舗面積が狭いので、オーナーが近代小売で売れているようなものでないと売りたがらないですよと。だから、とにかく近代小売である程度の存在感を示すことが重要だと。そして、伝統小売のオーナーは、もう何週間も売れないようなものを置いておくような暇はないし、仕入れたものが売れなかったなんていうことは、もう彼らの収入から考えるとあり得ないことなので、とにかく近代小売で売れることが重要だという話をした。もう1つの必須条件が、とにかく今使いたい分だけを買えるような状態にしてあげる、つまりは小分けにするということが重要です。頭痛薬だったら1錠から売るとか、たばこでも1本から売るとか、スナック菓子でも10個、大きな袋に入っているんじゃなくて、小さな袋で売るとか、そういう小分けが重要で。なぜならば、消費者のキャッシュフローというのがすごく重要で、たとえグラムあたりが高くなっても、1個あたりの単価が高くなっても、今使いたい分だけを買えるということがすごく重要で。将来、使うか分からないような分までを買っておくなんていう余裕はないわけですよ。ポテトチップス1袋買って、今ちょっと食べてまたあとで食べるみたいな、その間に湿気てしまう、そういうことはもう絶対あり得ないので、基本的には細かく分ける分けるということが重要ですよという話をして。

その中で、今度は伝統小売を攻略するためにKPI、何を持っていけばいいのということでストアカバレッジとインストアマーケットシェアという話をした。ストアカバレッジというのは、どれだけたくさんの伝統小売の店舗に配荷しているかということがすごく重要。このストアカバレッジを上げていく、例えばベトナムでも50万店伝統小売があるし、フィリピンでも80万店あるし、インドネシアでは300万店以上あるし、インドに行けば1,000万店舗ぐらいあるというふうに言われていて、それらを攻略していくためにはストアカバレッジを上げていくための強固な販売チャネルが必要で。この販売チャネルというのは、そもそもディストリビューション・ネットワークというものを構築していかないといけない。もう1つがインストアマーケットシェアが必要ですよと。その店舗でどれだけ自分たちの商品が売れるかということがすごく重要なんだけども、インストアシェアというかたちでどれだけ1店舗あたりで自分たちの商品が売れるかという単純な指標を追いかけてもいいですし、でも、究極行き着くのは、インストアマーケットシェアと私が呼んでいる、いわゆる競合するのは同一カテゴリー内の商品なので、飴を売っていて洗剤とは競合しないし、飴を売っていて薬とは競合しないので、飴はチョコと競合する、飴はガムと競合するかもしれないけど、それは同一カテゴリー、菓子という同一カテゴリーなので、インストアマーケットシェアというふうに呼んでいますけども、ここで見ていくということは最終的にはそうなるんですけども、1店舗あたりどれだけ売れるかということと、どれだけの店舗数に配荷できるかという、この図の通りのことを目指していくという、この2つのKPIを追っていってくださいねという話をしました。

この2つのKPIを追うということは、ストアカバレッジをどうやったら上げられるんだということだけを考える、インストアマーケットシェアをどうやったら上げられるんだということだけを考えるということが戦術になってくるわけで、それ以外のことはもう考えなくていい。それ以外のことはシェアとか売上とか利益には直結しないので、経営資源をとにかくこの2つに全部フォーカスするということはすごく重要で。そうなってきたときに、ストアカバレッジを伸ばすにはやっぱりディストリビューション・ネットワークをつくるということと、ドミナントで戦うということがすごく重要で。最初のディストリビューション・ネットワークをつくるということはどういうことかと言うと、現地法人の自前のセールスだけでこのストアカバレッジを伸ばす活動なんて絶対無理なので、ディストリビューターを使います。ディストリビューターを使うのも大手の1社に任せて、あとはちょっと見えないんだけど、あとはよろしくねという方法だと、確実に伸びない。彼らが今持っている既存の伝統小売以上には伸びていかない。だって、伝統小売を攻略していくって本当に大変なことだから、それを今ないところに労力を使うって、彼らにとっても新たな投資になるので、なかなか新規には伸びていかないので、やっぱりエリアエリアでディストリビューターを分けてやっていく。結局、地域の問屋さんがそのエリアを収めているわけだから、このエリアはこの問屋さん、このエリアはこの問屋さんって分けていくということを重要視するべきで。マイクロディストリビューションを目指して、売るものにもよりますけどもね、が基本で、ディストリビューション・ネットワークをやるということと。
あと、いわゆる、例えばベトナムでも南北1,600kmぐらいの長い土地、国土の中で、5割の、売上のおそらく小売流通の5割がホーチミンで、3割がハノイ、北ですね、真ん中のダナンで10%、これで9割ですね、その他で10%みたいな、そういう構成になっていたときに、最もやっぱり効率のいいところから始める、つまりはホーチミンから、じゃあ、まず始めるとかって。ホーチミンの中でも、もう1区からやるとか、2区から、5区からやるとか、区を分けて、自分たちの商品がしっかり存在感を発揮できる近代小売が存在している区からまず伝統小売を攻略していくという、その区が攻略できたら次の区に移動していくという、ドミナントでやっていかないと非常に効率が悪いので、いかにエリアを集中して、そこで勝っていくと。だから、オセロみたいなもので、1つの陣地をひっくり返していく。ある程度ひっくり返していけると、その辺が全部白になったり黒になったり変わっていくので、ドミナントでしっかりやっていくということが非常に重要です、ストアカバレッジに関しては。

インストアマーケットシェアに関しては、やっぱりディストリビューターのオーナーなり、自前のセールスがディストリビューターと動いていくんですけど、ディストリビューターでそこまで気の利くと言ったらあれですけども、彼らは単なるデリバリーボーイだというふうに思ったほうがいいので、そこまでオーナーと密接に関係構築ができるなんてなかなかないので、いかにキーとなる地域一番店的な伝統小売があるので、そこのオーナーと自社の営業マンがしっかりコミュニケーションを取って、そこでひいきにしてもらうということがすごく重要なので、あまりディストリビューターにそこを期待しない、彼らは単なるデリバリーボーイだというふうに割り切って、いかに、そうは言っても、じゃあ、デリバリーボーイだから自社の営業マンをすべての伝統小売に差し向けるのかって、そんな効率の悪いことはできないので、いかに地域一番店の伝統小売で自分たちの自社の営業マンを差し向けて、そこのオーナーとベタベタな関係にさせる、そして、自分たちの商品を特別のディスプレイにしてもらうとか、レジで少し推薦してもらうとか、そういうことをやっていかないと。もちろんリベートを上げたり、利益をしっかりオーナーさんに取ってもらえるようなことは必要なんですけど、そういうことをやって、オーナーと、地域一番店的な伝統小売のオーナーと関係を築いていくということをやらないとやっぱり駄目で。そこがそういうふうな取扱いをしていると、その周りの伝統小売も同じようなことをしていきますから、地域一番店を押さえるということはすごく重要。欧米の先進的な消費財メーカーなんてみんなやっているので、そこをどうやって押さえていくかということは大変重要だと思います

今日はこれぐらいにしたいと思いますので、終わりにします。また次回お会いいたしましょう。