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第354回 日本で負けて世界で勝つ その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、「日本で負けても世界で勝つ」ということについてお話をしていきたいと思います。

今日のお話は中小企業向けのお話です。私どものクライアントの8割が大企業であることもあって、この番組でなかなか中小企業向けのお話は過去してこなかったんですが、ここ10回ぐらいですかね、中小企業向けのお話をしていると思います。今日もその流れで中小企業向けのお話をしていきたいと思います。

「日本で負けて世界で勝つ」ってどういうことかと言うと、中小企業はグローバル展開すべきなの?どうなの?ということで、また、どうやってグローバル展開すべきなの?と、結論から言うと、私は中小企業もグローバル展開すべきだというふうに思ってますので。ただ、一方で、やり方を間違えるのであればしないべきであるし、うまい、中小企業に合った戦い方をやるべきだというのが僕の考え方で、その中で「日本で負けても世界で勝つ」、勝てる可能性というのは十分あるんですよということを今日はお話をしていきたいなと。もちろん中小企業と言われているぐらいですから、地場の国内市場では、大企業のほうがよりシェアが高くて売上が高くて、日本企業は、中小企業のほうがよりシェアが低くて売上が低いということなんだと思うんですが、その中小企業がどうやって大企業以上にグローバルで成果を出していけばいいのかということなんですが、重要なのは、自分たちの弱点と自分たちの強み、弱みと強みをしっかりと理解をして、それを戦略にしっかり盛り込むということがすごく重要で。

スライドをお願いします。このスライドですけども、「中小企業の弱点って何ですか」と言うと、もう圧倒的に経営資源の少なさなんですよね。大企業に比べて人・モノ・金・情報、あらゆる経営資源が少ないというのが中小企業の弱点です。じゃあ、一方で「強みって何ですか」と言ったときに、スピードの速さになるわけですね。これは大企業よりもあらゆることにおいて速く決められるし、速く決められるということは速く動けるというのが圧倒的な強み。この強みを生かさずしてどうやってグローバル展開するんだと。経営資源同士の戦いで言ったら、これはもう負けるのは分かっているわけですよね。もちろん日本の大企業だけが競合ではなくて、世界に出る、アジアに出る、新興国に出るということは、世界の企業、大企業、世界の中小企業とも戦っていかないといけない。そんな中で経営資源同士の戦いをしても、これはもちろん中小企業はあらゆる経営資源が不足していますから勝てないわけで、いかにこのスピードをうまく事業のてこにしていくかということはすごく重要。

例えばなんですけども、大企業でグローバル展開、新興国に展開をする、私はここ20年支援をしてきて思うのは、やっぱりあらゆることにおいて決断のスピードが非常に遅いというか、時間がかかるんですよね。もちろん求めている金額とか求めているシェアが大きいので、あらゆるジャッジメントを慎重にやる。従って、たくさん予算を使って事前の調査をして、本当にこのジャッジメントが間違いないのかということを何回も何回も繰り返し繰り返しやるわけですよね。特に日本の大企業は、それをやり過ぎると、グローバルスタンダードというか、先進的なグローバル企業のスタンダードから比べると、だいぶそこに時間をかけ過ぎて、いつの間にか市場が変わっているという傾向が非常に強い。結局、中小企業が新興国に出るときに、大企業の経営資源の小さい版で出ていって、同じように時間をかけていたら、現地の企業、例えばパートナー企業、ディストリビューターからしてみても何の魅力もないわけですよね。日本の大企業、確かに大企業でいいんだけども、ジャッジが遅すぎる、何年このジャッジにかけているの?というところに、確かに小ぶりなんだけども、いいものを持っているし、決断のスピードも速いとなったら、十分、中小企業が選ばれるということもあり得るわけで。単に経営資源が小さくて遅いだったら、もう悪いところ尽くしなんですよね。なので、いかにこのスピードを活用するかということをやっぱり中小企業は考えないといけないし。

もう時間ですね。自分たちが経営資源で戦わないと。経営資源の量や質で戦うのではなくて、スピードで戦うと。誰よりも速く決めて速く動くという。そのためには、やっぱり経営者自身が新興国への展開に介在していくということはすごく重要で。

ちょっと今日は時間が来たのでこれぐらいにしておきますけども、次回、経営者がどうやって介在をしていくかみたいなところにフォーカスをしてお話をしていきたいなというふうに思います。

それでは皆さん、今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。