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第377回 【Q&A】良いディストリビューターを選ぶポイントとは? その4

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、前回の質問にお答えをしていきたいと思います。

前回の質問のスライドをお願いします。「良いディストリビューターを選ぶポイント」ということで、前回、前々回、その前ぐらいから3回ぐらいに分けて、良いディストリビューターを選ぶポイントに関していろんな切り口でお話をしてきました。

今日は最後のスライド、6個目のスライドですかね、1、2、3、4、5、6個目のスライドで。良いディストリビューターを選ぶプロセスですよね、物理的なプロセス、方法論のところのお話をしていきたいなというふうに思います。

この図の通りなんですけど、良いディストリビューターというのは、「発掘選定」と「契約交渉」と「管理育成」の、この3つが揃って初めて良いディストリビューターになると。これは、発掘して選定して、契約を結んで、ここで一旦、終わりに見えるんですけども、契約をした時点で良いディストリビューターも、そのあと管理育成しなかったら、必ずしもずっと良いディストリビューターで居続けるかと言うと、そうではないので、管理育成みたいなところも入っています。この3つが本当に重要で。

まず、発掘選定のところで言うと、これはマスターリストをつくって絶対評価と相対評価をしていくという話なんですけども。前回お話したスキルセットの話が絶対評価ということで、自分たちの売りたいターゲット、そして、自分たちの売りたい量とか額とかというものがあったときに、それが物理的にできるスキルセットがないと、言ったら選択肢には入ってこないわけですよね。10億やりたいのに、1億の売上しかないディストリビューター、これが10億やるというのはほぼ不可能なので、基本的には選択肢から消えていく。これがまさにスキルセットの評価で絶対評価なんですよね。絶対的にこの条件が揃っていないとだめですよという評価。揃っていなければ、消去していくという。そうやってグーッと絞り込んでいくと、最終的にショートリストとかベリーショートリストみたいなものが出来上がってきて、このタイミングで前回お話したマインドセットを見てくださいねと。マインドセットを見ると、5社残っても、結局一番マインドの高かったのはここの1社だったみたいな話になるので、このマインドセットというところを見ていって、ずーっと絞り込んでいく、これが発掘選定のプロセスですよね。

この発掘選定の後半ぐらいのところから契約交渉になるわけなんですけども。多くの日本企業のディストリビューション契約を見ていると、守りは完璧なんですよね、これしちゃダメ、あれしちゃダメ、ライツがこうだ、ああだこうだという、守りは完璧なんだけども。結局、攻めの部分に対してうまく契約がワークしていないというケースが非常に多くて。例えば、結局、その1社しか使わないのに、何かあったら困るので非独占契約にしておくとか。それから、結局、複数年度契約するのに単年度契約にしておく、何かあったら困るからと。何かあったら困るから単年度、何かあったら困るから非独占みたいな。

これ、気持ちは分かるんですけども、ディストリビューターにとってみたら、皆さんの商品を新規で市場に投入していくというのは、これはある意味投資なわけですよね。その投資を1年で引かれるかもしれないと思った相手にするかと言うと、絶対にしないので、基本的にはやっぱり彼らは独占と主張するし、複数年度契約を主張します。これはごもっともな話なんですよね。だって、自分たちはその商品を売るために人を雇用して、日本企業はプロモーション費用も大して最初から出さないから、ある程度その算段もしながら、市場に浸透させていく投資をしようと思ったときに、「独占は与えません、単年度の契約ですって、誰が投資するんですか」と、「ダメだったらすぐ帰っちゃいますみたいな日本企業に誰が投資するんですか」という話になってしまう。なので、ここはやっぱり考えなきゃいけなくて。どうせ、その企業、そのディストリビューとしかやらないということがある程度見えているのであれば、基本的には独占契約をあげたらいいんですよね。その代わり、独占をあげるということは、最低購入金額みたいなのを設定して、初年度はこれぐらい買ってくださいねと、これが実現できれば独占契約は次年度に継続されて、次年度はこれぐらい買ってくださいね、これぐらいやってくださいねということをある程度決めていったらいいわけですよね。それが達成できなかったら、結局、単年度契約に戻るわけなので、別に契約解除する必要はなくて…。ごめんなさい、独占契約が非独占になりますよと。要は、非独占にする権利をこっちが持っているという話なわけですよね。向こうは非独占にされたら困るので、頑張って達成しようとしますよね。そういう力が働く。なので、非常にプラスに働くし、仮に達成しなかったら、別に非独占にすればいいし、そのまま独占にしておいてもいいでしょうし、そういうやっぱり綱引きをしっかりしないといけないということと。あと、これは複数年の契約もそうですね。これがしっかりと最低購入金額が買えれば、もしくは最低販売が達成できれば、次年度契約しますよとか、5年の契約にしておいたらいいわけですよね。ただ、5年間こういうスケジュールで買っていってくださいねと、売っていってくださいねと。でも、それが実現できなかったら単年度に戻りますよという条項をつけたらいいだけの話なので、そこはやっぱりうまく綱引きをするということがすごく重要。

この契約交渉のタイミングでKPIの設定とか戦略の設定をすり合わせて、初めてそういうことがセットになるので、守りだけじゃなくて、攻めもしっかり契約交渉のときにやっておきましょうよと。だから、契約交渉が終わってすぐ活動が始まって売れていくという構造、もしくは契約と同時に初回注文がドンとくるという構造になるわけですよね。それを、契約をしてから、さあ、売れるかどうか祈るように待って、1年間やってみたけどあまりパッとしなくて、でも初年度だからしょうがないやと、もう1年見てみよう、様子を。次年度も見てみて、ちょっと実績出たね。でも、まだ2年だからちょっと、来年はもっと頑張れるかなと。なんか神頼み的な関係がずっと続いていくわけなんだけども。そういうので最終的には、いろんな誤解で仲がギスギスして、日本側は駐在員もどんどん変わっていくでしょうし、そうすると、距離が空いて、最終的には喧嘩別れみたいな。日本企業は喧嘩別れを嫌うので、高いのれん代を払って関係が終わっていくという、非常に無駄な時間と無駄なお金と無駄な労力を使うという結果になっている企業はたくさんあるわけですよね。私も実際たくさん見てきていると。なので、契約交渉も非常に重要ですよと。

最後の管理育成というのは、やっぱりディストリビューター、「自分たちはつくる人、売るのはディストリビューター」ということで任せっきりにして。これは調子いいときはいいんでしょうけど、調子が悪くなったら、「コロナのせいだ」「何とかのせいだ」「新商品が出ないからだ」と、いろんな言い訳を並べるんですけど、結局、具体的な改善策というのは出てこないケースって非常に多くて。戦略を自分たちで持つ、マーケティングプランを自分たちで持って、誰にやらすかという、そのやらす相手がディストリビューターなわけで。マーケティング戦略そのものもディストリビューターにお願いするなんていうことはあり得ないですよね。売ることの戦略自体をもう全部お任せするなんていうのは。なので、やっぱり決めたKPIをしっかり管理していかないといけないし。もし、そこに乖離が出たら、そこに対策パッチをすぐ打てるような状態にしておかないといけない。ということは、つまりはディストリビューター以上にマーケットのことをメーカー自身が知っておくということが必要で。それを知って任せるのと、何も知らないで任せるのでは、やっぱり得られる結果って全然違うし。キーマンを育成していくということにもメーカー自身が手を出していかないと、そのキーマンがディストリビューターから辞めるなんていうことは往々にしてあって、辞められてしまったらそのディストリビューターの価値が半減するなんていうことは、あってはならないことだけども、アジア新興国ではよくある話なので、やっぱり管理育成というのはしっかりしていかないといけない。

この3つが揃って初めて良いディストリビューターになるということですので、ぜひ皆さんもこの3つを気を付けてもらえたらなというふうに思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。