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第378回 【Q&A】ディストリビューターとの上手な付き合い方とは? その1

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺でございます。今日も皆さんからの質問にお答えをしていきたいと思います。

早速ですが、スライドをお願いします。今日の質問「ディストリビューターとの上手な付き合い方とは?」ということで、消費財メーカーさんからの質問でございます。比較的大手の消費財メーカーさんですね。「売上を拡大するためにディストリビューターにいろいろと施策の提案をしていますが、なかなかそれをやろうという流れになりません。基本、任せて口を出すなというスタンスのようです。しかし、それでは現状から大きく売上を拡大させることができないと考えています。どうすればディストリビューターは動いてくれるのでしょうか?」ということで。
ありがとうございます。これ非常に状況よく分かります。私もこういう状況に陥っている企業をたくさん見てきました。これはB2BでもB2Cでも関係なく、こういう状況に陥っている日本のメーカーというのは決して少なくないと思います。このスタンスの問題って非常に変えるのに時間がかかる。もうすでに先方は、ディストリビューター側は「基本、任せて口を出すな」というスタンスをメーカー側はマウントされてしまって取られてしまっているので、それを覆していくというのは、やっぱりなかなか難しくて。なぜそういうスタンスになってしまったのかというところからまず考えていかないといけないんですけども。

過去、このディストリビューターと契約締結してから、ずっとお任せしてきたわけですよね。ずっとそういう流れがあって、特に新興国、アジア新興国に関しては、大して主マーケットとして捉えていなかったと。日本と欧米がよければそれでよしということで、ずっと日本の製造業はきましたから。あまり重要視していなかったので、「やれるんだったらやったら?」ぐらいの話でお任せをずっとしてきた中で、ここ10年ぐらいで急にアジア新興国市場の重要性が表面化したタイミングでいきなり「いやいや、私たち口出しますよ」というスタンスになっても、これまたなかなかそうはならないので。やっぱり過去どういうことをしてきたかということからの、からのというか、過去の協力度合いというか、過去に彼らとの接し方ですよね、彼らとの接し方がつまりは今のスタンスを築いてしまっている。これを大きく変えようと思うと、まず、昨日までこうだったのがいきなりこう、というふうにはならないので、時間をかけるということはすごく重要になってくる。だからこそ、ディストリビューターとのお付き合いというのは最初が非常に重要なんですけども。まず、「こうなる前にどうすればいいのか」というお話と、「こうなってしまってからどうすればいいのか」というお話、2つに分けて整理をしてお話をしていこうかなというふうに思います。

まず、「こうならないためにどうすべきか」ということに関してなんですけども。実はいくつかやり方がありますが、基本的には誰とコミュニケーションを取るか、話をするかということと、どういうふうにコミュニケーション、話を取るかという、この2つが非常に重要なんですね。

メーカーがディストリビューターとお付き合いをするときに、まず「誰と」なんですけど、必ずオーナー社長と握らないといけない。最初に大枠の方針であったり、大枠の戦略であったり、大枠の将来性というものを、やっぱりトップ同士でしっかり握るということは大変重要であると。そのトップ同士って、メーカー側のほうは規模も大きいですから、ディストリビューターはもちろんメーカーに比べたら規模が小さくて、消費財で言ったら数十億~数百億、B2Bになるとね、数百億、1,000億みたいなところも出てきますけども、基本的には、取り扱っている商材によってそのディストリビューターの規模はまちまちですが、基本的には圧倒的にメーカーのほうが企業規模は大きかったり、歴史が長かったりするので、基本的にそのオーナー社長と会うということはそんなにハードルが高い話じゃないんですね。そこをしっかり押さえるということは重要で。日本側も、別に社長が出ていく必要はないんだけども、ある程度、担当の執行役員であったり、担当本部長が出てお話をする、最初の握りの大枠の部分ですね。そこから年に1回ぐらいの直接的なコミュニケーションをしっかり取っていくということはやっぱりすごく重要で。そこがうまく回っていかないと現場も回っていかない。結局われわれの日本の組織よりも圧倒的に文鎮組織なので、機能としてはしっかりピラミッドになっていますが、指揮命令系統に関して言うと、非常に文鎮。ナンバー2、3、4とずっとコミュニケーションしてきたのに、結局オーナ社長がノーと言ったらノーになった話なんて、私もたくさん経験してきているし。

私の場合は連れてくる上司がいなかったものですから、自分で行くわけですよね。20代からこういうことをやっていますから、20代後半とか、30代前半の若造の頃に、連れてくる上司がいないと。そんな中、ディストリビューターの社長と話をするんですけど、当然、自分のおじいさんぐらいの年齢になってくるわけですよね。まだまだジュニアみたいな、彼らも息子、娘がいますから、そういうのはカナダに留学しているとか、アメリカに留学しているとか、そういうステージなので。僕が20代、30代前半のときはなかなかジュニアとやり取りするというケースもなかったと。30後半、40代前半になってからようやくジュニアと、ジュニアがひと回り下ぐらいになるので、そういう意味ではなかなかコミュニケーションがとりやすくなってきましたけど。基本的にはだいぶコミュニケーションが取りにくかった。それでもやっぱりトップと話をしなかったら、もう話が、「昨日までこうだったのに今日からこう」みたいな、昨日までAの話をしていたのに、今日はZみたいな、そういうぐらいにひっくり返ってしまうので。絶対にオーナー社長と話すという、これ、誰と話すかって言ったら、もうそこと話す、大枠は絶対そうです。そこがゴーをして、どれだけ下に掛け声をかけるかによって、彼らの組織っていうのは回っていきますから、そこは絶対にずれちゃいけないところであるというのが1つですね。

じゃあ、「誰と話すか」の次に、今度は「どう話すか」という話なんですけども、これに関してはもうちょっと時間が来てしまったので、また次回、この番組でお話をしていきたいと思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。