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第384回 【Q&A】新興国展開で最も重要なこと その1

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日が皆さんからいただいた質問に答える最後、何回かに分けてまだ質問の回答は続くと思いますけども、最後の質問ということでお話をしていきたいなというふうに思います。

今日の質問なんですけども、「新興国で成功するために最も重要なこととは?」ということでこの問いに答えていきたいんですけど。「最も重要なこと」ということで「日本の消費財メーカーが新興国で成功するために最も重要なことは何でしょうか?」ということで消費財メーカーさんからの質問。この「最も」なんですけど、結局、誰にとってなのかによってこの「最も」が変わってくる。どういう状況で、どういう国のどの都市に出ているか、もしくは展開しているかに応じて、この「最も重要なこと」っていうのは変わってくるので、新興国で成功するために本当に私が重要だなというふうに思うことを、今日、次回、その次ぐらいまで、何回かに分けてちょっとお話をしていきたいなというふうに思っています。

今日は1つお話をしたいのが、消費財メーカーということでお話をすると、やっぱりこれは別に消費財メーカーじゃなくても、B2Cの製造業でもB2Bの製造業でも製造業を問わず、本当に重要なことって、ターゲットをやっぱりもう明確に設定をするということはすごく重要で、ターゲットありきなんですよね。マーケティングというのはターゲットありきで、ターゲットがないマーケティングなんていうのはないので。ターゲットというのは常に上位概念として存在していて、このターゲットに対してどれだけ最適な4Pとか4Cを打ち込めるかっていうことはすごく重要で、ここを徹底的に追及するっていうことがやっぱり日本企業の新興国展開においては大変重要です。
失敗の事例を開いてみると、結局ターゲットに対して適切な4Pであったり4Cが打ち込まれていなかった、それがいわゆる失敗の要因なんですよね。もう100%、要因は4Pとか4Cにあるので。

例えば、4Pというのはプロダクト、プライス、プレイス、プロモーションなわけですけども、それを消費者側から見たものが4Cなわけですよね。その中でプロダクトがターゲットが求めているものではなかったと。価格帯がターゲットが受け入れられる価格帯ではなかったと。プレイス、まさにチャネルですよね、消費者にとって買いやすい売り場に並んでいなかった。消費財で言うと伝統小売のことを指すわけですけども。プロモーションに関しても、結局、チャネルが不十分なのでプロモーションに対する投資も限定的になってくるという。砂漠に水を撒くようなものですから当然限定的になってくる。

そうすると、もう日本企業が新興国市場でうまくいかない理由というのはターゲットと4Pのところにあって、結局、4Pありきで進んでいってるんですよね。もう4Cは無視しているわけですね。クライアントにとっての利便性であったり、あらゆることを無視したまま、基本的にはメーカー観点の4Pを貫いていくわけなんだけども。そのときのターゲットというものが常に上位概念、4Pの上にないといけないターゲットが、基本的にはもう日本国内の市場である程度実績を出した、この4つPを新興国市場の新たなターゲットにぶつけていくと。そして、それが若干の現地適合化みたいなことはやるんだけども、なかなか当てても受け入れられないみたいな、それでマーケットシェアが伸びないみたいなね。それで、結局、自分たちが国内で成功したものが唯一の正義だとすると、それを展開して、結局はガラパゴスというふうに呼ばれることになっていくという。これがいわゆる典型的に日本企業の失敗事例なので、ここをやっぱり修正していくと。

ターゲットというのは常に上位概念として存在していて、このターゲットに対してどうやって4P、4Cを最適化していくんだということが大変重要ですよと、これはB2B、B2C問わず大変重要ですというお話です。

それでは、また次回も「新興国で成功するために最も重要なこと」ということで、また別のポイントでお話をしていきたいなというふうに思いますので、今日はこれぐらいにしたいと思います。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。