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第387回 【Q&A】新興国展開で最も重要なこと その4

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、皆さんからの質問にお答えをしていきたいと思います。

早速、質問ですが、「新興国で成功するために最も重要なこととは」ということで、このスライドは前回の続きですね。前回、私、話が長くてちょっと終わらなかったので、前回の続きでお話をしますが…。

前回、「誰と売るか」よりも「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要ですよと。日本企業の新興国展開の多くはこの「誰に売るか」ということをぼんやりさせたまま、「誰と売るか」のほうに神経が行き過ぎて、結局、パートナーありきで「誰に売るか」が決まってしまっていて、それが失敗の大きな要因になっていますよ、というお話をしました。このときの「誰と売るか」の誰の選定基準も、とにかくでかいところ、財閥系、安定しているところ、そういういわゆる企業規模を中心に考えるケースが多くて。自分たちが参入したばかりだとすると、いわゆるある一定期間投資がかかる。その時間軸を一緒に共有できなければ大きいところと組んでもあまり意味がなくて。結局、大きいところというのは、自分たち以上に大切ないわゆるプリンシパル、メーカーがいるわけで、自分たちに必ずしも最大限の力が注がれるかと言うと、そうじゃないわけですよね。そうすると、ある程度小規模、中堅規模のほうが必死になって一緒に成長していく可能性もあるし、今の新興国市場での大手のディストリビューターって必ず欧米の先進的なグローバル企業が彼らを成長させてきたみたいな背景があって。そうすると、そっちとの歴史的関係がものすごく強くて、これから付き合っていく日系企業を必ずしも優先的に配慮してくれるかと言うと、そうでもなかったりするんですよね。だから、大きくあるかどうかなんていうことはあまり関係なくて、「誰に売るか」ということが本当に重要で。この「誰に」という設定した相手に売れる相手、確実に売れる相手、これがすごく重要なんですよと。

前回の例では、例えばフィリピンだったら、消費財メーカーからの質問なので、近代的な主要小売だとすると、SM、ピュアゴールド、ロビンソンズ、ここに確実に入れられる。確実にというのは、然るべき棚に、然るべきSKUで、しっかりとマーチャンダイジング含めて配荷できる先を選ぶべきだし、そもそもフィリピンの市場というのは8割が伝統小売で、その数が80万店存在するというふうに言われているので、そこに対してアプローチができる相手というのが適切なディストリビューターなわけですよね。そうすると、やっぱりターゲットが絶対ありきなんですよ。ターゲットというのをこの3大近代小売と80万店の伝統小売、そこに対して売れる相手というのが誰なのか。それを考えたときに、必ずしも最大手のディストリビューターではない可能性があって。また、1社でもない可能性があるということになるので、常にやっぱりターゲットを明確にするという。

この番組でも何回か前にお話した、「新興国で成功するために最も重要なこと」の別のポイントでお話しましたけども、日本企業の多くはターゲットに対して4Pとか4Cをしっかり最適化させていかなきゃいけないのに、ターゲットがぼんやりしちゃって、日本での成功体験に基づいた4Pをそのままその市場に当てこんでいくので、結局はターゲット、本来狙うべきターゲットに当たらないという、こういう問題が生じていて、すべてはこのターゲットに結び付いてくるし。この質問でまた可視化の重要性も話しましたけど、可視化、市場が見えてないからそういうことになってしまうし、市場が見えてないから「誰に売るか」よりも「誰と売るか」のほうを優先してしまうし、そこって非常に重要な問題なので、常に「誰と売るか」よりも「誰に売るか」ということをまず考えて、この「誰に売るか」というターゲットですね、自分たちが売りたい相手に売れる相手が適切な「誰と」で、パートナーであって、自分たちの設定したターゲットに売れないのであれば、これはいくら大きかろうが、財閥系だろうが、何だろうが、これは適していないパートナーなわけなので、やっぱり常に最上位概念としてあるのはターゲットであると、「誰に売るか」ということが「誰と売るか」よりも優先されなければならないですよ、というお話でございます。

それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。