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第397回 【本の解説】財閥系や同業種との提携、合弁の落とし穴

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き解説をしていきたいと思います。『この1冊ですべてわかる グローバル・マーケティングの基本』、去年、私が出した本ですね。概要欄にリンクが貼ってありますので、ぜひ見てみてください。

今日なんですけども、今日はね、25ページですかね、1-4。1-4…、今日もうるさいな。昨日、バイデンさんが来て、ヘリコプターがすごい飛んでいるんですよね。見えるかな? こんなところで収録しているんですけどね、ヘリコプターがね、この上をね、プルプルプルプル、プルプルプルプル飛んで、うるさいんですよね。ちょっとすみません。ヘリコプターがいつ来るか分からないのでね、このまま続けていっちゃいますけど。また今度、目の前にコーンズが新しい社屋を建てていて、フェラーリとかロールスロイスのディーラーのコーンズが、それもまたトントントントンやって、今日、収録撮り溜めしようと思っているのにね、さっきから何回もトントンやって。すみません。ちょっと聞き苦しいかもしれませんけども、いきたいと思います。

「1-4 財閥系や同業種との提携、合弁の落とし穴」ということで25ページ。ここはどれぐらい書いたのかな、2ページぐらいの話なんですけども。前回、日本企業の失敗の要因ということで、売ることをパートナーに任せると、とにかく海外にいたらパートナーが重要なんだということで、デカいところ、それから財閥系とか、そういうところと組む傾向が非常に強いと。これは何の目的で組むかということにもよると思うんですね。そもそもパートナーってなぜ必要だったかって、新興国市場でですね。元をただせば外資規制があったんですよ、その昔。その昔、外資規制…、もちろん今もあるところもあるんですけど、外資規制があって、海外の企業は誘致されたんだけども、現地の企業と合弁でやらないとダメですよ。例えば、49:51とかね、シェアもいろいろルールがあるんですけども、外資の規制があったので。そうしないと国内の産業が全部海外に取られてしまうわけなので、国内の企業と合弁してくださいみたいな、そういうのがあったと。ただ、最近はそういうものも撤廃されているんだけれども、とにかくパートナーと。

パートナーが必要ないと言っているのではなくて、パートナーはすごく必要で。例えばパートナー、ディストリビューターと組むときも、「とにかくデカいところ」と言うんですけども、自分たちがこれからほとんどマーケットシェアもない中参入するのにね、大きなところってやっぱり大きいブランドを取り扱っているわけですよ。彼らの売上の2割3割あるわけですね。そういうところが2~3社あるわけですよ。そんなところに新たに入っていっても、日本企業はお金出さない、赤字長期で抱えられない、プロモーションも打たないみたいな企業ってもうバレちゃっているのでね、向こうのディストリビューターに。そうすると、ディストリビューターにとって新しいメーカーの商品を売れるようにするって、言ったら彼らにとってもある意味投資なわけですよ。多くのアジア新興国のディストリビューターというのは一族企業なので、いかにファミリーが潤うかということはすごく重要。新しい投資に対しては非常にシビアで、日本企業は理由もないのに、対して事実上独占になるのに、何があるか分からないから非独占契約をするとか。それとか、事実上3年ぐらい契約するのに単年度契約にするとか、そういうことをやるので、彼らとしてもリスクを取れないわけですよね。投資をするという思考にはなかなかならない。そうなってくると、大手が本当にいいのかと言うと、そうではなかったりするわけですよね。あまり大して良い扱いをされなかったりする。そうすると、やっぱりステージを変えて、ディストリビューターを変えていくということも戦略の1つだし、少し小ぶりなところが本気になってやってくれるというところのほうが、もしかしたらいいかもしれないですし。

そういうことを考えると、企業規模よりもそのディストリビューターのオーナーがどう考えているのか、僕はディストリビューターを選定するときはスキルセットとマインドセットが非常に重要だ。スキルセットというのは基本的な小売への提案力とか、あとディストリビューターといったら資金を回すのが仕事なのでどれぐらいのキャッシュを持っているか、そういうスキルとして最低限持ち合わせていないといけない部分。一方でマインドセットというのは、もうこれは3つぐらいあるんですけど、オーナー社長のマインドなんですよね。どれだけ自分たちの商品を理解して、どれだけそこに熱量でそれをシェアを拡大していこうという、同じ熱量で話ができるかということはすごく重要で。そういうディストリビューターと出会うということのほうが、実は規模よりも全然重要だったりするわけですよね。そんなことだったりとか。

あと、財閥系が本当に必ずしも良いかって、例えば同業種で、メーカー同士で組むというケースのパターンもあるんですけど。いわゆる現地側のローカルメーカーは、メーカーなんだけども、あまり高級品を作る能力がないので汎用品を作っていますと。一方で日本企業は高級品作れますよと。向こうのローカル側から見たら、日本企業と合弁するって何のマイナスもないんですよ。まず、合弁できるというだけで知名度の向上につながりますし、新しい技術が入ってくるわけですよね。高級品を現地で作るわけですから、ノウハウが入ってくると。結局、そこを作ってもね、高級品なんて売れるのはこれぐらいで、汎用品がやっぱり大多数売れていくわけですよね。そうすると、日本企業にとってみたら、なかなか儲からない商売で、儲からないから合弁途中で解消しましょう。当時入れた設備とかノウハウとか全部こっち側に置いたまま撤退することになって。それで今のアジアとかASEAN、中国の企業が成長していった過程なんて全部そういうことですからね。だいたい合弁でやっていって、途中で解消されて、ノウハウ・設備全部置いていって、それで彼らがどんどん成長していったということなので、実は自分で自分の首を絞めてきたという過去何十年の歴史が日本の製造業はあって。これはもちろんしょうがないことなんですけども、やっぱりそこが特に下手だなというふうに。

自分で自分のローカル企業を成長させちゃったのに、アジアのローカル企業を成長させちゃったのに、そのあと数十年彼らをウォッチするということをしなくて、軽視して、品質では自分たちのほうが上だから。でも、彼らにとってはその品質で十分で、それがマーケットシェアをものすごく大きくとっている。もっと前に買収なり何なりしておけば、アジアの市場でももっと大きな存在感を日本の消費財メーカーも示せたというのは僕はすごく思うので、それもなかなかしてこなくて、今ようやく重い腰がという状況なので。ちょっと話が逸れましたけど、必ずしも組む相手というのは大手であるとか、合弁が良いとかということではなくて、自分たちが何のために組むのか、その目的が本当にこの相手で達成できるんですかというところから決めていかないといけない。この解説でもまた今後お話しますけども、「誰と組むか」ということよりも、「誰に売るか」ということのほうが圧倒的に重要で、「誰と組むか」というのは、「誰に売れるか」、売りたい相手に売れるやつと組むということがすごく重要なので、これはやっぱりしっかりと認識をしておかないといけない。「誰に売るか」ということが「誰と売るか」よりも圧倒的に重要ですよ、というお話でございます。

今日も話が長くなってすみません。またまた次回お会いいたしましょう。