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第414回 【本の解説】 マーケティング・ミックス(MM)は4項目のバランス

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社、去年、私が出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。今日は、「1-13 マーケティング・ミックス(MM)は4項目のバランスです」ということで、ページ59をお話していきたいと思います。

1枚目のスライドをお願いします。この4Pですね。「MM」って、「R」「STP」「MM」のマーケティングの基本プロセスの最終段階ですと。この「MM」というのは別名4Pと言われていて、プロダクト、プライス、プレイス、プロモーションの略称です。多くの日本企業の問題の多くは、この4Pに潜んでいると言っても過言ではないです。私は数多くの日本企業の分析を過去やってきていますけども、その中でもやっぱり売上が上がらない、シェアが上がらない、利益が出ない企業の要因は、必ずこの4Pの中にあると。4Pを最適化することで、売上は上がるし、シェアは伸びるし、利益は出るという構造になっているので、この間違った4Pを改めて、正しい4Pってどういうふうに考えるのか、正しい4Pってどういうものなのかというのを今日一緒に学んでいけたらなというふうに思います。

どういうものが間違った4Pなのかということなんですが、2枚目のスライドにいってもらって。基本的に日本企業のアジア新興国市場における4Pというのは、これはアジア新興国に限らないのかもしれませんけども、こういうものなんですよね。まず、プロダクトに関しては、日本で実績のある商品を、できればさほど変えずに。プライスに関しては、少しは安くするけど、日本と同じぐらいの価格で。そして、プレイスは、日本で慣れ親しんだ、B2Cの場合はですね、近代小売を中心に、できれば実績が出るまでプロモーション投資はしたくないと。結果、必然的に中間層には売れず、ターゲットが牌の少ない富裕層にいってしまうと。富裕層の数といったら先進7カ国のほうが圧倒的にまだ多いわけですから、なかなかシェアが獲れない、売上が上がらない、利益が出ない、という構造になっていくわけなんですよね。これって本当に大きな間違いで。マーケティング・ミックスありきで、その結果、その4Pに当てはまるターゲットに結果として繋がっているというだけなんですね。もう4Pありきなんですよね。

でも、本来は、次のスライドをお願いします。ターゲットが先で、「誰に売るんですか」というのが絶対に先じゃないといけない。上位概念としてターゲットがまずあって。じゃあ、そのターゲットに売るためにはどうしたらいいの?と、4Pを4Cの観点で考えないといけない。4Cというのは、4Pが企業側の観点だとすると、4Cというのは顧客側の観点なんですね。例えば、最初のCはカスタマーバリュー、プロダクトではなくて、顧客価値って何なの?と。顧客が求めている商品って何なんですかと。顧客が求めている商品を、価格というのはコスト、顧客側から見たらコストですよね、顧客の費用ですよね、顧客が賄える価格で売らないといけない。私は、新興国市場でも1円でも高く売ることには大賛成です。でも、1円でも高く売る、高く売ることは絶対重要で、高く売るためにどうすればいいんだということを考えるのがマーケティングなので、高く売ることには賛成。ただ、それが消費財の場合、お客さんが1回や2回買うことなんていうのは、たかが消費財の金額ですから買えるんですよね、どんなに高くても。ただ、賄えないと消費財の意味ってなくて。どれだけたくさんの人に、どれだけ速い頻度で、どれだけ永遠に継続して買い続けてもらうかというのがこの消費財ビジネスの肝なわけなので。賄える価格というのがすごく重要で。この賄えるというのが1つですよね。あと、コンビニエンスというのは、プレイスをコンビニエンス、4Cではコンビニエンス、顧客利便性。顧客が買いやすい場所。自分たちが売りたい場所じゃないですよね。顧客が買いやすい場所。ということは、つまり、近代小売だけじゃなくて、伝統小売でも並べないといけない。伝統小売にも置いてなかったら、顧客にとっては買いやすくないわけですよね。そして、最後のコミュニケーション。プロモーションじゃなくてコミュニケーション、顧客とのコミュニケーションですよね。顧客が選びたくなるような、やっぱり仕掛けをしっかりとしていかないと、選びたくないものは選ばないですよね。高くて品質がいいのは何となく分かっているけど、高くて買えるところが限定されていてって、これ日用品でやっちゃだめですよね。例えば、超高級腕時計でやるとか、超高級車でやるって、これはありかもしれませんけども、日用品でこれをやったら、それは売れないというのがあれなわけなので、こういうふうに考えていくと。

なので、整理をすると、まず4Pありきじゃないですよと。4Cに考え方を変えましょうというのが1点目ですよね。そして、仮に4Cに替えたとしても、4Cを先に考えるのではなくて、顧客が誰なのか、ターゲットが誰なのかということを先に特定して、じゃあ、そのターゲットのための4Cを考えるという、こういう思考に変えていかないといけない。こういう概念に変えていかないといけない。そこを最適化すれば、モノは売れるし、シェアは上がるという、こういう構造になっているわけなので。ぜひ皆さん、うまくいっていないという現状がもしあれば、皆さんのアジア新興国市場の状況を、まず4Cに落としてみると。そのときにどこに問題があるのかということが可視化されるし、じゃあ、その問題をどういうふうに改善すればいいのかというのも、このフレームワークに当てはめてみると見えてくると思います。

それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。