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第415回 【本の解説】 新興国におけるマーケティング・ミックスの順序

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テキスト版

森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が去年出した本ですけども、この本の解説をしていきたいと思います。今日は、1-14かな。1-14、63ページ、「新興国におけるマーケティング・ミックスの順序」ということで解説をしていきます。

それではスライドをお願いします。1-14。マーケティング・ミックス、前回ですかね、4Pのお話をしましたけども、「MM」のお話をしましたけども、マーケティング・ミックスというのは、日本だと、順番的には、プロダクト→プライス→プレイス→、プロモーションの順で考えられていきますと。どういう制品を、どういう価格で、どういう販売チャネルで、どういうふうにプロモーションして売っていくのかということになるわけなんですけど。

アジア新興国市場では、この順番を、実は考える順番をちょっと変えていく必要があると。極端な言い方をすると、3→2→1→4と、プレイス→プライス→プロダクト→プロモーションの順に考えていくということがすごく重要で。これ、特に日本企業はそうなんですけども、プロダクトに引っ張られちゃうんですよね。基本的にはモノがいいんだからと、高品質なんだからと、だから、少々高くてもいいでしょと、そして、慣れ親しんだ近代小売で売りたいんだよと、ちょっとよく分からない伝統小売は後回しだよと、プロモーションは、売れてから考えるよ、みたいな発想で、なかなか息詰まるという傾向が非常に強いわけなので。これって、まずチャネルを見る、チャネルを考えるということをやれば、必然的に、新興国では伝統小売がないと儲からないんだと、シェアが上がらないんだと、売上伸びないんだということが分かるわけなんですよね。近代小売をやることはマストだけども、ほぼ同時並行的に伝統小売も獲らないと、これはセットで初めて利益が出る、セットで初めてシェアが上がるという構造になっているので、そこを考えられるようになるんですよね。

なので、まず最初に販売チャネルをやりましょうと。販売チャネルを見ると、伝統小売が重要だということが分かって、伝統小売が重要だということが分かると、自分たちの商品の価格帯をどうしていくべきかということが分かる。これは決して安くしろと言っているのではなくて、1円でも高く売ることが僕は重要だと思っているので1円でも高く売ったらいいんですよ。ただ、賄える価格ではないといけないので。じゃあ、賄えるために、どういうふうに売っていったらいいの?1個売りをしていかないといけない、サシェット売りをしていかないといけない、何とか売りをしていかないといけないと。ばら売りだけじゃなくて、実はおみやげの来客があったときに出すような、おみやげニーズまで捉えると、300円のものが売れるんだ、400円のものが売れるんだ、そういうことも考えるようになってくるわけですね。そして、その次に、もうプロダクトがいいのは分かっているので、じゃあ、それをどう適合化させるかって、現地の人たちにとっての「良い」に変えていくかっていうことを3つ目に考えて。正直プロモーションは、やっぱりある程度面を獲らないと、チャネルを獲らないと、砂漠に水をまくようなものなので、チャネルを獲って、少し遅れてプロモーションをしていくわけですよね。BTLは最初からやったとしても、ATLなんていうのは遅れてやっていくわけなので、4番目ということで、3→2→1→4、プレイス→プライス→プロダクト→プロモーションの順に考えていくと。チャネルをとにかく先に考えるということが、ほかのプライスやプロダクトやプロモーションのことをもう1回再考する良いきっかけになると思いますので、ぜひチャネルから考えていくということをしてみてください。

今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。