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第439回 【本の解説】アジア新興国では長期的な視点が重要

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森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、この『グローバル・マーケティングの基本』 日本実業出版社から私が去年出した本ですが、この本の解説をしていきたいと思います。

今日は3-2、123ページ、「アジア新興国では長期的な視点が重要ですよ」というお話でございます。本当に新興国と言われるところの回収というのは、やっぱり中長期で考えるということがすごく重要で、短期でどうこうなるような市場ではまったくもってないわけなんですよね。日本の国内の市場とかっていうと、言ったらいろんなことが事業をやる側の企業にとっても整っているわけで、あらゆる信用とか、あらゆるオペレーションとか、実績が全部整った状態でビジネスをやっているので、ある程度ここにこういう投資をすると、こういう短期間でポーンとリターンが返ってくるということは読めているわけなんですよね。

一方で、新興国のビジネスって、将来のいわゆる中間層の爆発的な拡大が新興国の最大の魅力ですから、将来の大きな利益のために今から投資をするという、そういうスタンスで入っているわけなんですね。そうすると、中長期でやっぱり物事を考えていかないといけなくて、投資期間が長くなりますよと。だから息切れするような投資を最初からやると、途中で息切れちゃうので、途中で撤退しないといけなくなってくると。少ない赤字をじわじわじわじわずっと続けながらノウハウを溜めて、長期でリターンを得るという、こういう戦略に変えていかないといけなくて。

ちょっとスライドを見てもらうと分かりやすいと思うんですけども、この赤い軸が日本国内の投資期間なんですよね。まず、へこみますよね、グッとへこんでいると。短期間でグーッと小さくへこんで、それはなぜ短期間で済むか、なぜ小さくて済むかというと、あらゆることが可視化されているから、あらゆることに対してもう実績や信用や認知があるので、ある程度のへこみ具合いとある程度の期間でグググーッとプラスに持っていけるんですよね。

一方で、新興国市場というのは、例えばブランド認知だってつくらないといけないし、オペレーションだってこれからつくり上げていかないといけない、顧客だってまだ信頼されていないわけなので、やっぱり長期ですよね。ある程度デファクト・スタンダードになるために早期に出ていて、ちょっと早く出ているわけですよね。それでデファクト・スタンダードになろうと言っている話なので、市場がまだまだ未成熟、これからもっと大きくなる。一番グーッと市場が熟すところまでやっぱり我慢我慢我慢していかないといけない。その代わり、爆発的に拡大する人口で大きなリターンがそのあと待っていますよと。日本は少子高齢化で市場はどんどん縮んでいきますから、基本的にはリターンもそんなに大きくはならないですよと、将来に向けてですね。なので、中長期で戦略を組むということがアジア新興国は大変重要ですよというお話でございます。

それではこれぐらいにします。また次回お会いいたしましょう。